不正取引

株式投資

市場を惑わす「売崩し」とは?

- 売崩しの定義売崩しとは、株式市場において株価を意図的に下落させ、利益を得ようとする不正行為です。この行為は投資家を欺き、不当に利益を得るために行われます。具体的には、売崩しを行う者は、実際には保有していないにも関わらず、大量の株式の売却注文を市場に出します。この大量の売却注文は、市場に株式が過剰に供給されているという誤った印象を与え、株価の下落を引き起こします。株価が下落すると、売崩しを行った者は、当初の売却注文をキャンセルし、安くなった株を買い戻します。そして、最初に売った価格と、買い戻した価格の差額が、売崩しを行った者の利益となります。売崩しは、市場の公正性を著しく損ない、他の投資家に損失を与えるため、金融商品取引法で厳しく禁止されています。もし、売崩しに関与したと判断された場合、刑事罰や行政処分を受ける可能性があります。
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クロス取引:その仕組みと投資家への影響

- クロス取引とはクロス取引とは、証券会社が、ある銘柄について、同じ数量の買い注文と売り注文を同時に取引所に提出することで、売買契約を成立させる取引のことを指します。分かりやすく言い換えれば、証券会社が自分自身で売買を行うようなイメージです。例えば、A証券会社が顧客からX社の株を100株売却する注文を受けたとします。同時に、別の顧客からX社の株を100株購入する注文も受けている場合、A証券会社が自社の口座でこれらの注文を売買するのがクロス取引です。しかしながら、クロス取引は証券会社が自由にできるわけではありません。金融商品取引法などの法令で厳格に規制されています。これは、市場の公正性を保ち、投資家を保護するためです。クロス取引が認められるケースとしては、顧客から同一銘柄の売買注文が同時に出された場合や、大規模な取引によって市場価格が大きく変動するのを防ぐ場合などが挙げられます。いずれの場合も、金融庁への報告や内部チェックなど、厳格なルールが定められています。クロス取引は、市場流動性の向上や効率的な価格形成に貢献する側面もありますが、その一方で、市場の透明性を低下させる可能性も孕んでいます。そのため、法規制に基づき、適切な運用が求められます。