不足金

その他

企業年金における「別途積立金」を理解する

- 別途積立金とは 企業年金制度において、将来の年金給付の支払いを確実にするために積み立てられる資金のことを年金積立金と言います。この年金積立金には、毎年の事業年度における収支に基づいて積み立てられるものと、過去の事業年度における収支の累積結果として生じるものがあります。 別途積立金とは、後者の、過去の事業年度における収支の累積結果として生じる積立金のことを指します。具体的には、企業年金の運用が順調に進み、年金資産が年金債務を上回っている状態が続いた結果、積み上がった余裕資金のことを言います。 過去の事業年度において、年金資産が年金債務を上回った場合、その差額は剰余金として処理されます。この剰余金は、将来の年金給付の支払いに備えて積み立てられますが、これが別途積立金となります。 別途積立金は、企業年金の財政状況を示す重要な指標の一つです。別途積立金の額が大きいほど、企業年金の財政基盤は安定していると言えるでしょう。 一方、過去の事業年度において、年金資産が年金債務を下回った場合には、その差額は不足金として処理されます。この不足金は、将来の事業年度において補填する必要があります。
経済の用語

年金財政の安定化のために:利源分析とは?

- 年金財政の健全性 私たちが安心して老後を過ごすためには、年金制度が安定していることが欠かせません。年金制度を支えているのが年金財政であり、その健全性を保つことは国の重要な課題です。毎年のようにニュースで「年金財政の剰余」や「年金財政の不足」といった言葉を耳にすることがあるでしょう。これらの言葉は、年金財政の状況を把握するための重要な指標であり、私たちが将来受け取る年金額にも関わってきます。しかし、数字だけを見て一喜一憂するのではなく、その背後にある要因を深く理解することが重要です。 そこで、年金財政の現状を分析する方法として「利源分析」が使われています。これは、収入と支出を項目ごとに分けて分析することで、年金財政がどのような状態になっているのかを明らかにするものです。収入面では、保険料や国庫負担などが、支出面では、年金給付費などが分析の対象となります。 利源分析によって、例えば、少子高齢化によって保険料収入が減っている一方で、年金を受け取る高齢者の増加によって給付費が増加しているといった状況が見えてきます。このように、年金財政の現状を「利源分析」を通して詳しく知ることで、私たち一人ひとりが年金制度について深く考え、将来にわたって安心して暮らせる社会を築いていくために何ができるのかを考えるきっかけとなるでしょう。