中小企業を支えたJASME:その役割と歴史
- 中小企業金融の支え手
かつて、日本には中小企業の資金調達を支える機関として、JASME(株式会社日本政策投資銀行)が存在していました。JASMEは、Japan Finance Corporation for Small and Medium Enterprise の頭文字を取ったもので、その名の通り、中小企業のために設立された政策金融機関でした。
JASMEは、民間金融機関では対応が難しい、リスクの高い事業や新たな事業に挑戦する中小企業に対して、積極的に融資を行っていました。具体的には、新規事業の立ち上げ資金や設備投資資金、運転資金などを提供していました。また、単なる資金提供だけでなく、経営相談や情報提供など、中小企業の成長を多角的に支援していました。
JASMEの存在は、多くの中小企業にとって、資金調達の面だけでなく、経営の相談相手としても心強い存在でした。しかし、2008年のリーマンショック後、JASMEは株式会社日本政策投資銀行に統合され、その役割を終えました。
現在でも、政府系金融機関や地方自治体などが、中小企業向けの融資制度や経営支援を行っていますが、JASMEのように、中小企業に特化した政策金融機関の存在は、日本の経済活性化には不可欠であったと言えるでしょう。