現地決済方式を解説~メリット・デメリット~
- 現地決済方式とは海外の市場で株式や債券といった証券に投資する場合、日本とは異なる商慣習や法律、制度に則って取引を行う必要があります。その際に、証券の売買や保管、決済を円滑に行うための方法の一つとして、「現地決済方式」と呼ばれる方法があります。では、現地決済方式とは具体的にどのような仕組みなのでしょうか。日本の投資家が海外の証券を購入する場合を例に考えてみましょう。投資家は、まず日本の証券会社に注文を出します。この注文を受けた証券会社は、海外の証券会社と取引を行うために、「カストディアン」と呼ばれる機関に指示を出します。カストディアンは、通常、信託銀行や銀行の子会社など、証券の保管や決済に関する専門的な知識とノウハウを持つ機関です。カストディアンは、投資家の代わりに、海外の証券会社と証券の売買を行い、取引が成立すると、現地の保管機関を通じて証券の受け渡しと代金の決済を行います。この際、証券は、日本の投資家の名前ではなく、カストディアンなどの名義で現地の保管機関に保管されることになります。このように、現地決済方式では、投資家に代わってカストディアンが、海外の証券会社や保管機関との間で、売買、決済、保管といった一連の業務を代行してくれるため、投資家は、海外の複雑な手続きや制度に直接関わることなく、スムーズに海外の証券に投資することができます。