
信用取引と貸借銘柄:リスクと機会
株式投資の世界では、投資家が証券会社から資金や株を借りて売買を行う「信用取引」という制度があります。この信用取引において、特に「空売り」を行う際に重要な役割を果たすのが「貸借銘柄」です。「貸借銘柄」とは、証券取引所が定めた一定の条件を満たし、信用取引において空売りの対象として認められた銘柄を指します。
では、空売りとは一体どのような取引なのでしょうか。
例えば、投資家がA社の株価が将来的に下落すると予想したとします。この時、投資家は証券会社からA社の株を借りて売却します。そして、後日、A社の株価が予想通り下落したタイミングで、市場でA社の株を買い戻し、借りていた株を証券会社に返却します。このように、借りた株を売却し、買い戻して返却することで、株価の下落から利益を得ようとする取引を「空売り」と呼びます。
しかし、空売りはすべての銘柄で認められているわけではありません。空売りが可能な銘柄は、流動性や信用リスクなどを考慮し、証券取引所によって「貸借銘柄」として指定されています。つまり、投資家は「貸借銘柄」に指定された銘柄のみを対象に、空売りを行うことができるのです。