債券

債券投資

国が発行する債券:国債とは?

- 国債の概要国債とは、国が財政支出の財源を確保するため、私たち国民や企業、金融機関に対して発行する債券のことです。国の借金という側面もありますが、私たち個人にとっても身近な金融商品の一つと言えるでしょう。国債を購入するということは、国にお金を貸すことと同じ意味を持ちます。銀行にお金を預ける預金とは異なり、国債は発行時に利率や償還日が決まっています。国は約束した期日(償還日)に、元本に利息を付けて投資家に返済します。国債には、発行する期間の長さによっていくつかの種類があります。例えば、償還日が1年のものを短期国債、10年のものを長期国債と呼びます。一般的に、償還日までの期間が長い方が、利回りは高くなる傾向があります。国債は、元本や利子の支払いを国が保証しているため、銀行預金などと比較して安全性が高い金融商品と言えます。また、発行額が大きく、市場で活発に売買されているため、換金性も高く、必要な時に換金しやすいという特徴も持ち合わせています。
債券投資

住宅ローン投資の新潮流:MBSとは?

近年、投資の世界はますます多様化し、個人にとっても資産運用は身近なものとなってきています。数ある投資対象の中でも、近年注目を集めている金融商品の一つにMBSがあります。MBSは「モーゲージ・バックト・セキュリティ」の略称で、日本語では「抵当証券」と呼ばれます。 MBSは、住宅ローンを担保として発行される証券です。具体的には、銀行などの金融機関が個人に住宅ローンを貸し出す際に発生する債権を、証券化して投資家に販売する仕組みになっています。 MBSは、一般的に債券よりも高い利回りが期待できる点が魅力です。また、住宅ローンは、他のローンと比較して返済が滞るリスクが低いとされており、比較的安全性の高い投資先として考えられています。 しかし、MBSは金利変動の影響を受けやすいという側面も持ち合わせています。金利が上昇すると、住宅ローンの借入コストが増加するため、新規の住宅ローン需要が減少し、結果としてMBSの価値が下落する可能性があります。 本記事では、MBSの仕組みや特徴、メリット・デメリットについて、さらに詳しく解説していきます。投資初心者の方にも理解しやすいよう、事例を交えながら説明していきますので、ぜひ最後までお読みいただき、MBSへの理解を深めていただければ幸いです。
債券投資

MSCBとは?仕組みやメリットを解説

- MSCBの概要 MSCBは、「転換価格修正条項付転換社債」の略称で、従来の転換社債に新たな仕組みを導入したものです。 従来の転換社債は、投資家が希望すれば、あらかじめ決められた価格(転換価格)で株式に交換できる権利を持つ債券でした。 一方、MSCBは、株価の動きに応じて転換価格が変動するという特徴があります。 具体的には、株式市場で発行会社の株価が一定水準を下回った場合、転換価格が引き下げられます。 これにより、投資家は、株価下落時にも、より有利な条件で株式を取得できる可能性があります。 MSCBは、発行企業にとっては、従来の転換社債よりも低い利率で資金調達できる可能性があり、投資家にとっては、株価上昇の利益と債券の安定収入の両方のメリットを享受できる可能性があるなど、双方にとってメリットがあると考えられています。
債券投資

幻の国債?大蔵省証券とは

- かつて存在した国債 「大蔵省証券」という言葉を耳にしたことはありますか?現在、私たちが国債と聞いて思い浮かべるのは「財務省証券」ですが、かつては「大蔵省証券」という国債が存在していました。 大蔵省証券は、1949年から1998年までの間、日本の国の借金の証書として発行されていました。国の歳入が歳出を下回り、財政赤字になった際に、その穴埋めをするために発行されていたのです。 大蔵省証券には、満期が1年、3年、5年、7年、10年といったように、さまざまな種類がありました。また、利子の受け取り方も、半年ごとに受け取るタイプや満期の一括で受け取るタイプなど、いくつかの種類がありました。 しかし、1998年に中央省庁等改革基本法が施行され、大蔵省は財務省と金融庁に分割されました。それに伴い、1998年4月以降は、新たに「財務省証券」が発行されるようになり、大蔵省証券は姿を消しました。 現在、大蔵省証券は市場で取引されていませんが、もしお手元にお持ちであれば、償還期限が来ていなければ、財務省で現金と交換することができます。ただし、すでに償還期限が過ぎている場合は、その価値はなくなっている可能性がありますので、ご注意ください。
債券投資

超長期投資のススメ!JGBってなに?

- 国が発行する債券 「日本国債」という言葉を耳にしたことはありますか?これは、私たちの国、日本が国民からお金を借りる際に発行する債券のことです。 国の活動には、道路や橋などの建設、教育や医療の充実など、多くのお金が必要です。これらの費用を賄うため、国は私たち国民からお金を借りることがあります。その際に発行されるのが「日本国債」です。 日本国債は、いわば国が発行する借用証書のようなものです。私たちが銀行にお金を預けるのと同じように、日本国債を購入することで国にお金を貸すことができます。そして、国は私たちにお金を借りたお礼として、一定期間後に利子をつけてお金を返済してくれます。これが日本国債の基本的な仕組みです。 日本国債には、償還期限(お金が返済されるまでの期間)や利回りが異なる様々な種類があります。 日本国債は、国が発行するという高い信用力を持っているため、比較的安全な投資先として知られています。そのため、多くの人々や企業が日本国債を購入しています。
指標

企業の信用度を測る「JCR」とは?

- JCRの概要JCRとは、ジャパン・クレジット・レイティング・エージェンシー・リミティッド(Japan Credit Rating Agency, Ltd.)の略称で、企業の信用力を評価する機関です。具体的には、企業が資金を調達する際に発行する債券や借入金などについて、その返済能力がどれくらいあるのかを評価しています。 JCRは、その評価結果を「格付け記号」という形で、投資家をはじめとする市場参加者に提供しています。 この格付け記号は、AAAやAA+といったように、アルファベットと記号を組み合わせたもので表されます。 例えば、AAAという格付けは、返済能力が非常に高いことを意味し、反対に、Cという格付けは、返済能力が極めて低いことを意味します。 JCRの格付けは、投資家が企業の信用力を判断する上で重要な指標となっており、より安全な投資先を選ぶために活用されています。 また、企業にとっても、JCRから高い格付けを取得することで、より有利な条件で資金調達を行うことができるというメリットがあります。
債券投資

投資信託選びの羅針盤:格付け

投資信託は、株式や債券など複数の資産をまとめて運用することで、少額から分散投資ができる便利な商品です。多くの人が資産運用に活用していますが、市場には非常に多くの投資信託が存在するため、どれを選べば良いのか迷ってしまうのも事実です。 そんな投資信託選びにおいて、重要な指標の一つとなるのが「格付け」です。格付けとは、専門機関が投資信託の運用状況や安定性を評価し、記号や数字で分かりやすく示したものです。格付けの高い投資信託は、運用成績が良好で、リスクも比較的低いと判断されています。 例えば、ある投資信託が「AAA」や「★★★★★」といった高い格付けを得ていれば、それは過去の実績や運用体制などが優れていることを示しています。一方、「B」や「★★」といった低い格付けの投資信託は、リスクが高い、あるいは運用成績が安定しない可能性も考えられます。 もちろん、格付けはあくまでも過去のデータに基づいた評価であり、将来の運用成績を保証するものではありません。しかし、特に投資初心者の方にとっては、数多くの投資信託の中から、ある程度の安全性を担保された投資信託を絞り込むための有効な手段となるでしょう。
債券投資

個人投資家も購入可能!公募債とは?

会社が事業を大きくしたり、新しいことを始めたりするためには、お金が必要です。このお金を集める方法の一つに、会社が債券を発行することがあります。債券とは、会社が投資家にお金を借りる時に発行する、いわば借用証書のようなものです。 この債券には、大きく分けて二つの方法で投資家を募ることができます。一つは、特定の相手と個別に条件を交渉して発行する「私募債」、もう一つは、広く一般の投資家に募集して発行する「公募債」です。公募債は、不特定多数の投資家から資金を集められるため、私募債に比べて、より多くの資金を調達できる可能性があります。 また、多くの投資家に対して広く債券を発行するため、知名度の向上や企業イメージの向上にも繋がると期待されています。 しかし、公募債の発行には、厳しい審査基準をクリアする必要があり、発行までに時間や費用がかかるという側面もあります。 また、発行後も、財務情報などの開示義務が生じます。そのため、公募債の発行は、会社の規模や経営状況、資金ニーズなどを総合的に判断した上で、適切な発行時期や発行規模などを慎重に検討する必要があります。
投資信託

安定運用に最適! 公社債投信とは?

公社債投信とは、企業が発行する株式を一切組み入れずに、国や地方公共団体、企業などが発行する債券である「公社債」を中心に運用を行う投資信託です。 公社債には、国が発行する国債、地方公共団体が発行する地方債、企業が発行する社債などがあります。 債券は、発行体に資金を貸し付けるという性質を持つため、株式と比較して価格の変動が小さく、安定した収益が見込めます。また、発行体によっては、元本が保証されているケースもあり、比較的安全性の高い投資先とされています。 公社債投信は、こうした債券の中でも、特に公社債に投資を行うため、安定的な運用を重視する投資家にとって魅力的な選択肢となります。 具体的には、老後資金の準備や、住宅購入資金など、中長期的な資産形成を目指す場合に適しています。 一方、公社債投信は、株式投資信託に比べて、リターンの upside が限定的であるという側面もあります。 そのため、大きな資産の増加を期待するハイリスク・ハイリターンの投資を希望する投資家には、あまり向いていない投資信託と言えるでしょう。
債券投資

投資の選択肢! 公社債市場ってどんな場所?

- 公社債市場とは公社債市場とは、国や地方公共団体、企業といった発行体が、資金調達のために債券を発行し、投資家がそれを売買する市場のことです。株式市場と並んで、投資の世界において重要な役割を担っています。では、債券とは一体どのようなものでしょうか。 債券とは、発行体である国や企業に対して、私たち投資家がお金を貸し付けたという証書のようなものです。 例えば、私たちが国の発行する債券を購入するということは、国にお金を貸すということになります。その見返りとして、国は私たちに対して定期的に利息を支払ってくれます。そして、約束した期間(満期)が来ると、貸していたお金の元本が返済されます。公社債市場は、企業にとっては事業に必要な資金を調達する場であり、私たち投資家にとっては、預貯金よりも高い利回りを期待できる投資の場として機能しています。
債券投資

投資の参考情報!公社債店頭売買参考統計値とは?

- 公社債投資の指標となる統計値 国や地方公共団体、企業などが資金調達のために発行する債券を「公社債」と呼びます。そして、私たち個人投資家が証券会社を通じて公社債を売買する際、基準となる価格や利回りの情報が「公社債店頭売買参考統計値」です。 株式投資における株価情報と同じように、公社債投資においても価格の変動や利回りの水準を把握することは非常に重要です。この統計値は、私たち投資家が公社債への投資を検討する際の判断材料の一つとして役立ちます。 具体的には、この統計値には、各債券の銘柄ごとの売買価格や利回り、その日の価格変動などが掲載されています。これらの情報を確認することで、例えば、同じような条件で発行された債券でも、発行体や残存期間によって価格や利回りがどのように異なるのかを知ることができます。また、市場全体の動向を把握するのにも役立ちます。 公社債は株式と比べて価格変動が小さい投資対象と考えられていますが、だからといって価格変動のリスクがないわけではありません。世界全体の金利動向や発行体の信用力変化などによって、価格や利回りは日々変動します。そのため、投資をする際には、この統計値を参考にしながら、ご自身の投資目的やリスク許容度に合った銘柄選択を行うことが重要です。
債券投資

投資の基礎知識: 公社債とは?

公社債は、お金を必要とする組織が、投資家から資金を調達するために発行する債券です。発行主体によって、大きく3つの種類に分けられます。 まず、国が発行するのが国債です。国債は、国の歳入が不足した場合などに発行され、道路や橋などのインフラ整備や、教育、社会福祉などの国民生活に必要な費用に充てられます。国債は、国の信用力が裏付けとなっているため、他の債券と比べて元本や利息の支払いが滞る可能性が低い、つまり安全性が高いと考えられています。 次に、地方公共団体が発行するのが地方債です。地方債は、都道府県や市町村などの地方公共団体が、住民の生活に必要な公共施設の建設や、災害復旧などの費用を調達するために発行します。地方債の安全性は、発行する地方公共団体の財政状況によって異なります。 最後に、企業が発行するのが社債です。企業は、工場の建設や設備の投資、事業の拡大など、様々な資金需要のために社債を発行します。社債は、発行する企業の業績によって、元本や利息の支払いが影響を受ける可能性があります。そのため、国債や地方債と比較して、リスクとリターンの両方が高くなる傾向があります。
債券投資

債券投資の基礎: 公社債の気配とは?

- 公社債投資の基礎知識 公社債は、国や地方公共団体、企業などが資金を調達する際に発行する債券のことです。公社債を購入するということは、発行体にお金を貸すことになります。その代わりに、発行体からは決まった期日に利息を受け取ることができ、満期日には元本が償還されます。 公社債の魅力は、株式投資と比べて価格変動が小さいという点にあります。そのため、預貯金のように比較的安全資産で運用したいと考えている投資家に向いています。また、株式投資とは異なり、定期的に利息を受け取ることができることも大きなメリットです。 公社債投資を始めるにあたっては、発行体の信用力や金利水準、償還期限などを考慮することが重要です。これらの要素によって、受け取れる利息や元本償還のリスクが異なってきます。 公社債投資は、リスクを抑えながら安定的な収益を目指せる投資方法の一つと言えるでしょう。しかし、投資には常にリスクが伴います。投資を検討する際には、自身の資産状況や投資目標などを踏まえ、慎重に判断することが大切です。
債券投資

投資信託におけるソブリン債:安全性の高い投資先?

投資信託を選ぶ際に、「ソブリン債」という言葉を見かけることがあるかもしれません。ソブリン債とは、国や政府が資金調達のために発行する債券のことを指します。企業が発行する債券などと比べて、発行体の信用度が高いため、比較的安全性の高い投資先とされています。 ソブリン債の代表例としては、アメリカや日本の国債が挙げられます。これらの国は経済規模が大きく、政治も安定しているため、債務不履行のリスクは低いと評価されています。そのため、これらの国が発行する国債は、投資家にとって魅力的な投資対象となっています。 しかし、ソブリン債への投資はリスクがないわけではありません。世界経済の状況や、発行国の政治・経済状況の変化によって、債券の価格が変動する可能性があります。また、為替変動の影響を受ける可能性もあります。ソブリン債への投資を行う際には、これらのリスクを十分に理解しておくことが重要です。
債券投資

交付債: 用途とメリットを知る

- 交付債とは? 交付債とは、国や地方公共団体が、公共事業を行うために必要な資金を調達する際に発行する債券です。 例えば、新しい道路や橋を建設する際に、そのための土地を取得する必要があるとします。 通常、土地の取得には多額の費用がかかりますが、国や地方公共団体は、すぐに現金で支払うことが難しい場合があります。 そこで、土地の所有者に対して、現金の代わりに交付債を渡すことで、代金の支払いに充てることがあります。 これが交付債です。 交付債を受け取った土地の所有者は、その債券を保有しておくことで、将来、利息を受け取ったり、元本を償還してもらったりすることができます。 交付債は、国や地方公共団体が発行する債券であるため、他の債券と比べて安全性が高いという特徴があります。 そのため、投資家にとっても魅力的な投資対象となっています。
債券投資

FILP債:地域社会への投資

- FILP債とはFILP債は、「フィスカル・インベストメント・アンド・ローカル・プログラム・ボンド」の略称で、国が特定の政策目標を達成するため、資金を集めるために発行する債券です。一般的に国債というと、国の予算不足を補うために発行されるというイメージがありますが、FILP債は少し違います。FILP債は、「財政投融資特別会計」、通称「財投」という特別な会計を使って資金を調達し、それを元手に発行されます。では、財投とは何でしょうか? 簡単に言うと、国が国民の税金や国債の発行によって集めたお金を、将来性のある分野に投資し、日本の経済成長を促そうという仕組みです。FILP債によって集められた資金は、この財投を通じて、道路や橋、港湾などの社会インフラの整備、中小企業への融資、教育機関への融資など、幅広い分野のプロジェクトに使われます。つまり、私たちの暮らしを支え、より良い未来を創造するための様々な取り組みを、FILP債は陰ながら支えていると言えるでしょう。
債券投資

他社株転換債:賢い投資戦略?

他社株転換債とは 他社株転換債は、企業が資金調達のために発行する債券の一種ですが、一般的な社債とは異なる性質を持っています。通常の社債は、満期になると発行企業からあらかじめ決められた利率で利息を受け取ることができ、元本も償還されます。 しかし、他社株転換債の場合、保有者は満期時に、あらかじめ定められた条件に従って、債券を発行した企業ではなく、他の会社の株式に転換する権利を持つことができます。 つまり、債券として保有し続けることも、株式に転換することもできるため、債券と株式両方の性質を併せ持つハイブリッドな金融商品と言えるでしょう。 例えば、A社が発行した他社株転換債を保有している場合、満期時にB社の株式に転換することができます。 他社株転換債は、投資家にとって、株式の値上がり益を狙うと同時に、債券としての安定収入も期待できるというメリットがあります。 一方で、発行企業にとっては、低い金利で資金調達できる可能性があるというメリットがあります。 しかし、株価の変動によっては、投資家が損失を被る可能性もあるため注意が必要です。
債券投資

安定収入を求めるなら!固定利付債券とは

- 固定利付債券の概要 固定利付債券は、投資家にとって魅力的な選択肢の一つです。その名の通り、発行時に利息の利率が確定しており、満期日までその利率が変動しません。例えば、年利3%、10年満期の固定利付債券を購入した場合、10年間、毎年3%の利息を受け取ることができます。これは、投資元本に対する安定した収益を得られることを意味し、将来の収入を予測しやすいため、長期的な資産形成や計画的な資金運用に適しています。 さらに、満期が到来すると、発行時に定められた元本が全額償還されます。つまり、投資した元本は保証されており、元本割れのリスクを負うことなく、安心して投資することができます。 しかし、固定利付債券にも注意すべき点はあります。市場の金利が上昇した場合、固定利付債券の魅力は相対的に低下する可能性があります。なぜなら、より高い金利で運用できる他の投資商品が登場するためです。また、発行体の信用リスクも考慮する必要があります。発行体の財務状況が悪化した場合、利息の支払いや元本の償還が滞る可能性もゼロではありません。
債券投資

固定金利と変動金利:どちらを選ぶ?

お金を借りたり、運用したりする際には、「金利」は切っても切り離せない要素です。銀行預金に預けたお金は、金利という形で私たちに利益をもたらしますし、住宅ローンを組めば、借りたお金に対して金利を支払う義務が生じます。 この金利には、「固定金利」と「変動金利」の2つのタイプが存在します。固定金利とは、契約時に決めた金利が、契約期間中は変わらず適用されるものです。例えば、住宅ローンの金利を固定金利に設定した場合、返済期間中に市場の金利が上昇したとしても、当初の契約通りの低い金利で返済を続けることができます。その反面、市場金利が大きく下落した場合でも、低い金利の恩恵を受けることはできません。 一方、変動金利は、市場金利の動きに合わせて、金利が見直される仕組みです。そのため、市場金利が上昇すれば、それに伴い返済額も増加する可能性があります。逆に、市場金利が下落すれば、返済額が減少する、あるいは返済期間を短縮できる可能性もあります。このように、変動金利は市場金利の影響を直接受けるため、リスクとリターンの両面を考慮する必要があります。
債券投資

EB債とは?仕組みやメリット・デメリットを解説

- EB債(エクスチェンジャブル・ボンド)とは、特定の会社の株式の価格の動きに応じて、最終的な返済条件が変化する債券のことです。通常の債券と同様に、満期日まで保有すれば発行時に定められた金額で返済されます。しかし、EB債には、あらかじめ決められた期間中に対象となる会社の株価が一定の水準を上回った場合、その株式と交換する権利が付与されています。 通常の転換社債と異なる点は、EB債の対象となる株式は、債券を発行した会社自身ではなく、別の会社の株式であるという点です。例えば、A社が発行するEB債の場合、対象となる株式はB社やC社といった、A社とは別の会社の株式になります。そのため、EB債は「他社株転換社債」と呼ばれることもあります。 EB債は、通常の債券よりも低い利率で発行されることが一般的です。これは、株式への転換権という魅力的なオプションが付与されているためです。投資家にとってEB債は、株価の上昇による利益獲得の機会と、債券として元本が保証されている安心感を併せ持つ投資対象と言えるでしょう。
債券投資

個人向け社債:少額投資で始める企業応援

近年、低金利が続いていることから、預貯金に代わる投資先として、様々な金融商品が注目を集めています。その中でも、企業が発行する債券である「社債」は、比較的高い利回りが期待できることから、個人投資家の人気を集めています。 従来、社債は、主に機関投資家向けに発行されてきましたが、近年では、インターネットを通じて、個人投資家でも、手軽に購入できる「個人向け社債」が増加しています。個人向け社債は、発行企業の事業内容や将来性を見極めることで、預金よりも高い利回りで、資金を運用できる可能性を秘めています。 しかしながら、個人向け社債への投資には、発行企業の業績悪化などによって、元本や利息が保証されないというリスクも存在します。そのため、投資を行う際には、リスク許容度や投資目標などを考慮し、慎重に判断することが重要です。 このガイドでは、個人向け社債の特徴やメリット・リスク、投資する際の注意点などを詳しく解説していきます。これを機に、個人向け社債への理解を深め、投資の選択肢の一つとして考えてみてはいかがでしょうか。
債券投資

早期償還とは?メリット・デメリット、種類、事例をわかりやすく解説

- 早期償還の概要早期償還とは、住宅ローンや自動車ローン、カードローンといった借入金を、あらかじめ決められていた返済期限よりも前に返してしまうことを指します。 例えば、住宅ローンを30年の期間で組んだとしても、10年後にまとまったお金ができた際に、残りのローンを一括で返済するといったケースが挙げられます。 早期償還には、借主と貸主の双方にとってメリットとデメリットが存在します。 -# 借主側のメリット 借主にとって最大のメリットは、利息の負担を減らせるという点です。ローンの返済期間が短くなるということは、その分だけ利息の支払い総額を抑えることができるということです。また、借金残高をいち早く減らせるという点も魅力です。早期償還によって精神的な負担を軽減できるという側面もあります。 -# 借主側のデメリット 一方で、早期償還にかかる手数料が発生する場合があります。金融機関によっては、一定期間内の早期償還に対して手数料を課しているケースがあります。また、まとまった資金が必要となるため、他の投資や貯蓄に回せる資金が減ってしまう可能性もあります。 -# 貸主側のメリット・デメリット 貸主は、早期償還によって予定していた利息収入を得ることができなくなります。これが貸主にとってのデメリットです。 早期償還は、借主にとって経済的なメリットが大きい一方で、事前に手数料や資金計画などを慎重に検討する必要があります。
債券投資

信用リスクの連動:CLNとは?

投資の世界は、常に進化を続け、投資家にとって魅力的な選択肢が次々と生まれています。近年、その中でも特に注目を集めている金融商品のひとつに、CLN(クレジット・リンク・ノート)があります。 CLNは、従来の債券とは異なる独自の仕組みを持つことで、投資家に新たなリスクとリターンのバランスを提供しています。従来の債券は、発行体が約束した期日に利子と元本を支払うというシンプルな仕組みでした。しかし、CLNは特定の企業や国の信用リスクに連動するように設計されており、そのリスクの度合いに応じて投資家の受け取る利子や元本が変動するという特徴があります。 これは、CLNが従来の債券よりも高い利回りを期待できる可能性がある一方で、投資元本を失うリスクも高くなる可能性があることを意味します。そのため、CLNへの投資は、リスク許容度が高い投資家や、特定の企業や国の信用リスクを見極めることができる、専門的な知識を持った投資家に向いていると言えるでしょう。
債券投資

CLO投資:リスクとリターンのバランス

- CLOとはCLOとは、「ローン担保証券」や「担保付ローン債権」などと呼ばれる金融商品のことです。具体的には、企業が事業のために金融機関からお金を借り入れる際に発生する「貸付債権」を、複数の企業から集めて証券化したものを指します。例えるなら、企業がお金を借りる際に発行する借用書を、たくさんの企業から集めて、それを元手に新しい証券を発行するイメージです。そして、この新たに発行された証券がCLOとして、投資家に販売されます。では、なぜこのような仕組みが作られるのでしょうか?企業にとっては、CLOを発行することで、新たな資金調達の道が開かれます。従来の銀行からの借入に加え、より多くの投資家から資金を集めることが可能になるのです。一方、投資家にとっては、CLOに投資することで、企業の成長に伴う収益を得るチャンスが生まれます。CLOは、株式や債券といった既存の投資対象とは異なるリスクとリターンの特徴を持つため、投資家のポートフォリオに多様性をもたらすことができます。CLOは、このように企業と投資家の双方にとってメリットのある金融商品として、近年注目を集めています。