ブックビルディング方式とは? IPO価格決定の仕組みを解説
企業が事業を拡大したり、新しい商品開発を進めたりするためには、資金が必要です。資金を集める方法はいくつかありますが、その一つに株式市場への上場、つまり新規株式公開(IPO)があります。IPOとは、これまで限られた投資家のみが保有していた株式を、証券取引所に上場することで、広く一般の投資家に買ってもらうことを指します。
IPOの際には、企業は新たに株式を発行し、投資家に売り出すことになりますが、この時に設定されるのが公募価格です。公募価格は、企業の財務状況や業績見通し、類似企業の株価などを考慮して、証券会社が中心となって算出します。
公募価格は、企業にとって非常に重要な意味を持ちます。公募価格が高く設定されれば、企業は多くの資金を調達することができます。しかし、高すぎる公募価格は、投資家にとって魅力に欠け、株式が売れ残ってしまう可能性もあります。逆に、公募価格を低く設定してしまうと、多くの株式を発行しなければならず、株価が上昇した際の株主還元が少なくなるなど、企業価値の向上を妨げる可能性もあります。
このように、公募価格の設定は、企業の将来を大きく左右する重要な要素と言えるでしょう。