内部留保

経済の用語

法人内部留保:その仕組みと現状

- 法人内部留保とは 企業は、事業活動を通じて収益を上げ、そこから様々な費用を支払った後に利益を得ます。この利益は、株主への配当金や役員報酬、税金の支払いに充てられますが、それらを差し引いた残りの金額を会社に積み立てておくことができます。これが「法人内部留保」です。 法人内部留保は、いわば企業の貯金のようなもので、正式には「利益剰余金」と呼ばれます。 法人内部留保は、企業の将来の事業展開にとって非常に重要な役割を担っています。例えば、 * 新しい工場や設備への投資 * 新商品やサービスの研究開発 * 企業買収や事業提携 * 従業員の雇用や人材育成 など、将来の成長や競争力強化のために必要な資金として活用されます。 また、景気後退や不測の事態が発生した場合に備え、運転資金や緊急時の資金として内部留保を積み立てておくことは、企業の安定性を維持する上でも重要です。 しかし、法人内部留保は、必ずしも多い方が良いというわけではありません。過剰な内部留保は、株主への還元が少なくなるため、株価の低迷や投資家からの批判を招く可能性もあります。 そのため、企業は、内部留保の適切な水準を見極め、株主への利益還元と企業の成長投資のバランスを図ることが重要となります。