金融機関の信頼の要!監査の役割とは?
私たちが日々利用する銀行や証券会社といった金融機関は、預金や資産を預け入れることができるだけでなく、企業への融資や個人の投資など、経済活動を支えるという重要な役割を担っています。しかし、その一方で、巨額の資金を扱うがゆえに、不正や経営破綻といったリスクと常に隣り合わせにあるという側面も持ち合わせています。
そこで、金融機関が健全に業務を運営し、私たち預金者や投資家の信頼を守り続けるために設けられているのが「監査」という制度です。金融機関に対する監査は、大きく分けて、金融庁など行政機関による「公的監査」と、民間監査法人による「私的監査」の二つに分類されます。「公的監査」は、金融機関が法律や規制を遵守しているか、また、健全な経営状態を維持しているかを監督する役割を担っています。検査官が定期的に金融機関を訪問し、業務内容や財務状況を詳細に調査することで、問題点があれば早期に発見し、是正を求めます。一方、「私的監査」は、主に会計監査と呼ばれるもので、金融機関の財務諸表が適正に作成されているかどうかを監査します。
このように、公的監査と私的監査はそれぞれ異なる役割を担っていますが、両者ともに、金融機関の健全性を維持し、金融システム全体の安定を図るという共通の目的を持っています。金融機関に対する監査は、私たちが安心して金融サービスを利用できる環境を支える、まさに「砦」と言えるでしょう。