退職給付会計の基礎知識:割引率とは?
- 割引率の定義
割引率とは、将来受け取るお金を、現在の価値に換算する際に用いられる利率のことです。
例えば、1年後にもらえる1万円と、今すぐもらえる1万円では、どちらの方が価値が高いでしょうか。当然、今すぐもらえる1万円の方が価値が高いと感じるでしょう。これは、今すぐもらえるお金はすぐに使うこともできれば、投資に回して増やすこともできるからです。
割引率は、この「時間の経過とお金の価値の関係」を数値化したものと言えます。将来受け取るお金を現在の価値に換算する際には、この割引率を使って計算を行います。
退職給付会計においては、将来の退職給付債務や勤務費用を計算する際に、この割引率を用いて現在価値に割り引きます。
つまり、将来支払うべき退職給付の金額を、割引率を用いることで、現在の価値に換算して把握するために用いられるのです。
割引率は、一般的に市場金利や社債の利回りなどを参考に決定されます。割引率が高くなるほど将来のお金の価値は現在において低くなり、逆に割引率が低くなるほど将来のお金の価値は現在において高くなります。