労働市場

指標

完全失業率とは?

- 完全失業率の概要 完全失業率は、経済の状況を測る上で欠かせない指標の一つです。 これは、働く意志と能力を持ち合わせていながら、仕事を探しているにもかかわらず、仕事に就けていない人々の割合を示しています。 この割合が高ければ高いほど、経済は停滞し、企業による新規雇用が進んでいない状況を示唆しています。 言い換えれば、仕事を探している人が多くても、企業が求めるスキルや経験とマッチしない、あるいは企業側が事業縮小などにより求人自体を抑制しているなど、様々な要因が考えられます。 逆に、完全失業率が低い場合は、経済が活発化し、多くの企業が積極的に人材を求めている状況を表します。 企業は事業拡大や新規事業展開などにより、より多くの人材を必要とし、求人活動が活発化します。 このように、完全失業率は経済全体の動向を把握する上で非常に重要な指標であり、政府や中央銀行は、完全失業率の動向を注視し、経済政策や金融政策に反映させています。 例えば、完全失業率の上昇が続けば、政府は公共事業などを通じて雇用を創出する政策を打つことがあります。 また、中央銀行は政策金利を引き下げるなど、景気を刺激する金融政策を実施することがあります。
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外貨預金と為替リスク

- 外貨預金の魅力外貨預金は、円預金よりも高い金利を受け取れる可能性があるため、魅力的な資産運用方法の一つと言えるでしょう。特に、近年のような低金利が続く日本では、高い金利が期待できる外貨預金に注目が集まるのも当然のことかもしれません。とりわけ、日本円と比べて金利の高い通貨の外貨預金は人気があります。しかし、外貨預金には、円預金にはない特有のリスクが存在します。それが為替リスクです。外貨預金は、預け入れ時と受取時で円と外貨の為替レートが変動することで、受取時の円換算額が預入時よりも減ってしまう可能性があります。例えば、1ドル100円の時に1万ドル預けたとします。満期時に1ドル90円になっていれば、元本は90万円になり、10万円の損失が発生してしまいます。さらに、為替レートの変動によって利息についても円換算後の受取額が変動します。高い金利に魅力を感じて外貨預金を始めたとしても、為替レートの影響で円換算すると、当初の予想よりも低い利益になってしまう可能性も考慮する必要があります。このように、外貨預金は為替リスクと隣り合わせであることを理解しておく必要があります。外貨預金を始める際には、将来の為替レートの変動を正確に予測することが難しいことを踏まえ、余裕資金で行うなど、慎重な判断が求められます。
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完全雇用との違いとは?:過少雇用水準について解説

- 雇用に関する重要な指標過少雇用水準とは 経済状況を把握する上で、雇用に関する指標は、景気の良し悪しを測る重要なバロメーターとなります。数ある雇用指標の中で、「過少雇用水準」は、経済が本来持っている潜在能力や労働市場の実態を深く理解する上で欠かせない重要な概念です。 過少雇用水準とは、簡単に言えば「希望すればもっと時間働きたい」と考えている人たちがいる状態を示します。具体的には、パートやアルバイトなど、非正規雇用の形で働いている人のうち、希望すればより多くの時間働きたいと考えている人や、家事や育児などの理由で離職していたものの、条件が合えば復職したいと考えている人たちが含まれます。 この過少雇用水準が高い状態は、労働力が十分に活用されていないことを意味します。企業は、人手不足にも関わらず、新規採用を抑制したり、従業員の労働時間を増やすことに消極的である可能性があります。 過少雇用水準は、完全雇用とは異なる概念です。完全雇用とは、文字通り「完全な雇用状態」を指しますが、現実的には、求職活動をする人の数と企業が求める人材や条件が完全に一致することは難しく、常に一定数の失業者が存在します。このような状況を「摩擦的失業」と呼びますが、完全雇用状態においても、この摩擦的失業は存在します。 一方、過少雇用水準は、労働意欲と能力のある人が、希望するだけの仕事に就けていない状態を指します。完全雇用と過少雇用水準は、どちらも労働市場の状態を示す指標ですが、その視点が異なります。 過少雇用水準を理解することで、労働市場における需給のミスマッチや潜在的な経済成長の余地を把握することができます。政府や企業は、過少雇用水準の改善に向けた政策や取り組みを行うことで、より活気のある経済と雇用の安定化を目指していく必要があります。
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経済分析の基礎: 市場の数

経済学は、限られた資源がどのように配分され、人々がどのように経済活動を行うのかを探る学問です。その中心的な役割を担うのが市場分析です。市場分析とは、人々の需要と供給の関係に焦点を当て、商品やサービスの価格や取引量がどのように決まるのかを解き明かすことです。 私たちが日々の生活で購入する商品やサービスは、全てこの需要と供給のバランスによって価格が決まります。例えば、ある商品の人気が高まり、多くの人が欲しがるようになると、その商品の価格は上昇します。逆に、供給が需要を上回る状況になると、価格は下落します。 経済全体を理解するためには、個々の市場だけでなく、市場間の繋がりにも目を向ける必要があります。ある市場の変化が、他の市場に影響を与えることは少なくありません。例えば、原油価格の高騰は、ガソリン価格の上昇だけでなく、プラスチック製品など、様々な商品の価格に影響を及ぼします。 このように、市場分析は経済学において欠かせない要素であり、経済の仕組みを理解するための基礎となります。市場分析を通じて、私たちは、資源配分のメカニズムや経済活動の相互作用を深く理解することができます。