効率的市場仮説

経済の用語

ランダムウォーク:予測不能な市場の動き

- 効率的な市場とランダムウォーク株や債券といった証券の値動きは、多くの投資家にとって最大の関心事です。もしも将来の価格が分かれば、誰もが大きな利益を得られるでしょう。しかし、経済学の理論には、効率的市場仮説という考え方があります。これは、市場には常に最新の状況が反映されており、証券の価格は常に適切な水準になっているというものです。この考え方に基づくと、過去の値動きや現在の市場の傾向から将来の価格を予想することはできません。なぜなら、新しい情報は予測できないタイミングで発生し、それがすぐに価格に織り込まれるからです。まるで、どちらに進むか分からない人が、でたらめに歩く姿を想像してみてください。このような価格の動き方をランダムウォークと呼びます。例えば、ある企業の業績が予想を上回るという良いニュースがあったとします。効率的市場仮説に従えば、この情報はすぐに株価に反映され、株価は上昇します。しかし、この上昇は予測不可能なタイミングで起こるため、事前に情報を得て利益を得ることはできません。つまり、効率的市場仮説が正しいとすると、どんなに高度な分析を行っても、常に市場平均を上回る利益を出し続けることは難しいということになります。ランダムウォークは、投資家にとって重要な教訓を与えてくれます。それは、将来の価格を予測することに労力を費やすよりも、分散投資など、リスクを適切に管理することに注力すべきだということです。