有価証券の「配分」:その役割と重要性
- 「配分」とは何か
企業が事業を拡大したり、新しいプロジェクトに投資したりするためには、資金が必要です。その資金を集める方法の一つに、株式や債券といった有価証券を発行するという方法があります。そして、この新たに発行された有価証券を、投資家に対して割り当てることを「配分」と呼びます。
簡単に言えば、証券会社が、どの投資家に、どれだけの量の有価証券を割り当てるのかを決めるプロセスのことです。新しいレストランのオープンを想像してみてください。レストランは、開店前に顧客に対して座席を割り当てる必要がありますよね。これと同様に、企業も、有価証券を発行する際に、投資家に対してあらかじめ決められた数の株式や債券を割り当てる必要があるのです。
では、誰がどのように配分を決めているのでしょうか?
通常、この役割を担うのは、証券会社です。証券会社は、企業が発行する有価証券を引き受け、それを投資家に販売する役割を担います。そして、その販売の過程で、どの投資家にどれだけ割り当てるのかを決定します。
配分の決定には、投資家の属性(個人投資家か機関投資家か)、投資金額、過去の取引実績などが考慮されます。人気の高い有価証券の場合、需要が供給を上回るため、証券会社は限られた数の有価証券を多くの投資家に公平に配分する必要があります。
このように、「配分」は、企業の資金調達と投資家の投資機会を結びつける、重要な役割を担っているのです。