確定給付年金と基準死亡率
- 基準死亡率とは
会社員や公務員が老後の生活資金を準備するため、企業年金制度は欠かせないものとなっています。企業年金には、将来受け取れる年金額があらかじめ決まっている確定給付型と、運用実績によって将来の年金額が変わる確定拠出型があります。
基準死亡率は、このうち確定給付型の企業年金において、将来の年金支給額を計算する上で重要な役割を果たします。簡単に言うと、加入者が将来どのくらい長生きするかを予測するために用いられる死亡率のことです。
例えば、同じ年齢の二人の加入者がいたとして、一人は平均寿命まで生き、もう一人はそれよりも長生きした場合、長生きした加入者の方がより長く年金を受け取ることになります。企業は、このような場合にも備えて、加入者の平均寿命を考慮しながら、年金原資をどのくらい準備しておく必要があるかを計算しなければなりません。この計算に用いられるのが基準死亡率です。
基準死亡率は、厚生労働省が公表している「標準生命表」などの統計データに基づいて算出されます。標準生命表は、年齢ごとの死亡率をまとめたもので、過去の死亡統計などを基に作成されます。企業は、この標準生命表を参考にしながら、自社の加入者の年齢や性別などを考慮して、適切な基準死亡率を設定します。
このように、基準死亡率は、確定給付型企業年金の運営において非常に重要な役割を担っています。将来の年金支給額を予測し、適切な年金原資を準備するために、欠かせない要素と言えるでしょう。