債券取引のセーフティネット:バイ・インとは
- 債券取引における受渡不履行
債券取引は、株式取引と比べて複雑で、巨額の資金が動くことが一般的です。そのため、売買契約が成立してから実際に債券やお金の受け渡しが行われるまでの間に、様々なリスクが存在します。その中でも特に問題となるのが「受渡不履行」です。
受渡不履行とは、売買契約が成立したにもかかわらず、売主が約束した期日までに債券を引き渡さない、あるいは買主が約束した期日までに代金を支払わないといった事態を指します。
債券の受渡不履行が発生する原因としては、当事者の一方の倒産や、売買するはずの債券の発行会社の倒産、債券の盗難や紛失といったトラブル、事務処理上のミスなどが考えられます。
このような事態が発生すると、債券の買い手は、約束した期日までに債券を受け取ることができず、予定していた運用計画に狂いが生じる可能性があります。また、債券の売り手は、約束した期日までに代金を受け取ることができず、資金繰りが悪化する可能性があります。
さらに、受渡不履行は、当事者間の損失だけでなく、市場全体に悪影響を及ぼす可能性があります。受渡不履行が相次ぐと、債券市場に対する信頼性が低下し、投資家が債券市場から資金を引き揚げてしまう可能性があります。
このような事態を防ぐためには、当事者間で契約内容を明確にすることはもちろん、受渡機関を活用するなど、受渡リスクを軽減するための対策を講じておくことが重要です。