合意形成

経済の用語

多数決じゃない?WTOのルール

- 世界貿易機関の意思決定 世界貿易機関(WTO)は、国際的な貿易を円滑化し、世界経済の成長に貢献することを目的とした重要な国際機関です。WTOには多くの国々が加盟しており、それぞれの国が独自の経済状況や貿易政策を抱えています。このような多様な意見が存在する中で、WTOが効果的に機能するためには、加盟国間の合意形成が不可欠となります。 WTOでは、全加盟国の意見を尊重し、合意に基づいて意思決定を行うために、「コンセンサス方式」と呼ばれる独特な意思決定方法を採用しています。これは、全ての加盟国が納得するまで議論を尽くし、最終的に反対意見が出ない状態で合意を形成する方式です。つまり、たった一カ国でも反対意見があれば、その議題は採択されないことになります。 コンセンサス方式は、全ての加盟国の意見を反映できるという点で非常に民主的な方法と言えます。しかし、多数の加盟国の意見をまとめるために非常に時間と労力を要するという側面も持ち合わせています。時には、合意形成に至るまでに数年を要することもあります。 WTOの意思決定は、世界経済に大きな影響を与える可能性を秘めています。コンセンサス方式は、それぞれの国の立場を尊重しながらも、多国間貿易体制の維持・発展のために重要な役割を果たしていると言えるでしょう。