
GNPで知る日本の経済規模
- 国民総生産(GNP)とは?国民総生産(GNP)は、日本国民が1年間に新たに生み出したモノやサービスの価値の合計を表す指標です。経済規模や国民の所得水準を把握する上で重要な役割を担っています。少し具体的に説明すると、GNPは、工場で生産された製品の価値だけでなく、美容師が提供するサービスや農家が作った農作物の価値なども含みます。つまり、日本人が国内外を問わず、経済活動を通じて生み出した価値は全てGNPに反映されるのです。例えば、海外で活躍する日本人サッカー選手が得た収入や、海外に工場を持つ日本企業が生み出した利益もGNPに含まれます。一方、国内で働く外国人労働者が得た収入は、GNPには含まれず、国内総生産(GDP)に計上されます。GNPと似た指標にGDPがありますが、GDPは国内で生産された価値の合計を表すのに対し、GNPは「国民」が生産活動で生み出した価値を重視している点に違いがあります。GNPは、一国の経済力を測る上で重要な指標の一つですが、経済活動以外の要素、例えば、環境問題や生活の質などは反映されていません。したがって、GNPだけで国の豊かさや国民の幸福度を測ることはできません。