事業戦略に活かす特定店頭デリバティブ取引
- 特定店頭デリバティブ取引とは特定店頭デリバティブ取引とは、金融機関同士や金融機関と事業会社との間で、証券取引所などの取引所を介さずに直接取引されるデリバティブ取引のうち、一般的な株式や債券、金利などに関連するものとは異なる、特殊なニーズに対応した取引を指します。具体的には、2社の企業が将来の金利変動による影響を互いに相殺するために金利の支払いを交換する「金利スワップ」や、異なる通貨建ての資金調達コストを軽減するための「通貨スワップ」などが挙げられます。また、企業の倒産リスクを取引する「クレジットデリバティブ」、近年注目を集めている天候不順による損失をヘッジする「天候デリバティブ」や、地震による被害に備える「地震デリバティブ」なども特定店頭デリバティブ取引の一つです。これらの取引は、取引所で標準化された商品のように、あらかじめ決められた条件で売買されるのではなく、取引当事者間で自由に条件を設定できる点が大きな特徴です。そのため、それぞれの企業のニーズに合わせた柔軟なリスク管理や資金調達が可能となります。しかし、その一方で、取引相手側の信用リスクや、取引内容の複雑さゆえに価格の透明性が低いといった側面も持ち合わせています。