上場株式で年金掛金を納付?
- 年金掛金の新しい納付方法従来、企業年金制度においては、年金掛金を現金で納付することが一般的でした。しかし、平成12年の法律改正により、厚生年金基金および確定給付企業年金において、一定の条件を満たせば、掛金の一部または全部を上場株式で納付することができるようになりました。これは、企業年金の加入者により多くの利益をもたらす可能性を秘めた、画期的な制度変更と言えます。従来の現金納付の場合、企業は預金や債券といった比較的利回りの低い資産で年金資産を運用することが一般的でした。しかし、近年では超低金利政策の影響もあり、これらの資産では十分な運用益を確保することが難しくなっています。一方、上場株式は価格変動リスクは高いものの、長期的には高い収益率が見込めるという特徴があります。今回の制度改正により、企業は年金資産の一部を上場株式に投資することで、より高い運用益を目指せるようになりました。また、株式投資を通じて企業は、投資先企業の成長による恩恵を受けることも期待できます。年金掛金の上場株式納付は、企業の資金運用を柔軟化し、年金資産の効率的な運用を促進するための有効な手段となりえます。これにより、加入者に対する将来の給付水準の向上も期待されます。