市場経済ってどんな仕組み?
私たちの社会には、限りある資源をどのように活用して、人々のニーズを満たしていくのかという課題が存在します。その資源配分の方法として、市場メカニズムに委ねるのが市場経済体制です。
市場経済体制では、政府が特定の産業を優遇したり、生産量を指示したりすることはありません。その代わりに、「需要と供給」という市場原理に基づいて、資源配分が行われます。つまり、人々が「何を、どれだけ求めているか」(需要)と、企業が「どれだけ供給できるか」(供給)というバランスによって、モノやサービスの価格が決まり、それに応じて資源が配分されていくのです。
例えば、ある商品の人気が高まり、多くの人が求めるようになれば、その商品の価格は上昇します。すると、企業にとってはより多くの利益を得られるようになり、その商品の生産を増やそうとします。その結果、資源はその人気商品の生産に多く配分されることになるのです。逆に、需要が減れば価格は下がり、生産も減るため、資源配分も減少します。
このように、市場経済体制では、政府の介入ではなく、市場メカニズムを通じて、社会全体にとって最適な資源配分が実現されると考えられています。