
経済学の基本: 効用価値説とは?
- 経済学における価値の考え方経済学では、物の価値をどのように捉えるかが、価格がどのように決まるか、資源をどのように配分するかといった問題と深く関わってきます。物の価値については、時代や考え方によって様々な捉え方がされてきましたが、現代の経済学で中心的な考え方の一つに「効用価値説」があります。「効用価値説」とは、簡単に言うと、人々がその物から得られる満足度や有用性で価値を判断する考え方です。 例えば、真夏の砂漠で喉が渇いている人にとって、一杯の水は非常に高い価値を持つでしょう。なぜなら、その一杯の水が命を救うほどの大きな満足や有用性を持つからです。逆に、水が豊富な場所では、同じ一杯の水であっても、価値はそれほど高くはなりません。このように、「効用価値説」では、物の価値は、その物の客観的な特性だけで決まるのではなく、それを利用する人や状況によって変化すると考えます。同じ物でも、それを必要とする人の状況や、その物がどれだけ役立つかによって、価値は大きく変わるのです。経済学では、このような価値の考え方を基に、価格の決定や資源の配分について分析していきます。 人々がそれぞれ何をどれくらい必要としているか、そして市場にどれだけの物があるのか、といった要素を考慮することで、物の価格や供給量が変化していく様子を解き明かしていくのです。