景気対策

経済の用語

国の財布で景気を調整? フィスカル・ポリシー入門

景気は、海の波のように、好況と不況を繰り返しながら常に変化しています。穏やかな凪の日もあれば、荒れ狂う嵐の日もあるように、経済活動も活発な時期と停滞する時期を繰り返すのです。このような荒波を乗りこなし、経済の安定を図るために、国は「財政政策」という強力な手段を用います。 財政政策とは、政府が税金や公共事業などを通じて、景気を調整しようとする政策のことです。景気が低迷し、人々の消費や企業の投資が冷え込んでいる時には、政府は公共事業を増やしたり、減税したりすることで、需要を創り出し、景気を刺激しようとします。例えば、道路や橋などの建設工事を積極的に行ったり、個人や企業への税負担を軽減することで、人々がより多くのお金を使ったり、投資しやすくなるように促します。 一方、景気が過熱し、物価が上昇しすぎている時には、政府は公共事業を抑制したり、増税したりすることで、過剰な需要を抑え、景気を抑制しようとします。人々が商品やサービスを買いすぎて物価が上がってしまうのを防ぐために、政府はブレーキをかける役割を担うのです。このように、財政政策は、国の経済活動を調整し、人々の暮らしが安定した状態を保てるように、重要な役割を担っています。