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企業グループの戦略拠点:持株会社

- 持株会社とは持株会社とは、他の会社の株式を保有することを主な事業とする会社のことを指します。 つまり、製品を作ったり、サービスを提供したりする会社とは異なり、他の会社を経営することが仕事といえます。では、どのように他の会社を経営するのでしょうか? それは、株式の保有を通じて、子会社となる会社の議決権を握ることで実現します。 議決権とは、会社の重要な決定について、発言権や決定権を持つ権利のことです。 持株会社は、この議決権を過半数以上保有することで、子会社の経営方針や事業計画に大きな影響力を持つことができるのです。持株会社は、一つの会社のみを子会社とすることもあれば、複数の会社を傘下に置くこともあります。 複数の会社を傘下に置く場合、それぞれの子会社の事業内容を活かしながら、グループ全体として大きなシナジー効果を生み出すことを目指します。 例えば、ある製品の製造、販売、広告宣伝をそれぞれ専門とする子会社を持つことで、効率的かつ効果的に事業を展開することが可能になります。
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持ち合い株とは?

- 持ち合い株の定義持ち合い株とは、複数の企業が互いの会社の株式を保有し合っている状態のことを指します。例えば、A社がB社の株式を、そしてB社もA社の株式を持っているような場合です。これは、企業間で安定した関係を築くための手段として用いられることが多く、互いに株主となることで、敵対的な買収から身を守ったり、安定的な取引関係を確保したりする効果が期待できます。持ち合い株は、企業の経営を安定させるという側面も持ち合わせています。株式を保有し合うことで、互いの企業の経営に協力的な立場となり、短期的な利益を追求するのではなく、長期的な視点に立った経営判断がしやすくなるというメリットがあります。また、株式市場で自社の株価が大きく変動することを抑え、安定した経営を行う上での安心材料となる場合もあります。しかし、持ち合い株にはデメリットも存在します。企業価値が低いまま持ち合いが継続されると、市場メカニズムによる企業の淘汰や成長が阻害され、日本経済全体の停滞に繋がる可能性も指摘されています。また、互いに経営に対して監視の目が弱まり、企業の透明性やガバナンスの低下に繋がる懸念もあります。近年では、コーポレートガバナンスの強化や市場競争の活性化といった観点から、持ち合い株を解消する動きも見られます。企業は、持ち合い株のメリットとデメリット、そして自社の経営戦略などを総合的に判断し、持ち合い株を維持するか解消するかを決定する必要があります。
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オーバーアロットメントとは?仕組みと投資家への影響

- オーバーアロットメントの概要企業が新しく事業資金を集めるために株式を発行して投資家に買ってもらうことを「新規公開株」、略してIPOと呼びます。また、既に上場している企業が、さらに資金を調達するために株式を追加で発行することを「増資」と言います。 オーバーアロットメントとは、IPOや増資の際に、当初予定していた株式数よりも多くの株式を発行・販売することを指します。 企業がIPOや増資を行う場合、まず証券会社が中心となって投資家に対して需要を調査します。そして、その結果に基づいて発行する株式数と価格を決定します。しかし、実際に募集を開始してみると、予想を上回る人気となり、当初の計画よりも多くの投資家から応募が集まることがあります。 このような場合に、投資家の需要に最大限応えるために、企業はオーバーアロットメントを実施します。具体的には、証券会社が予め、追加で株式を引き受ける権利(オーバーアロットメントオプション)を持っています。この権利を行使することで、証券会社は、当初の発行数の最大15%まで追加で株式を引き受け、それを投資家に販売することができます。 オーバーアロットメントは、投資家にとっては、人気のある企業の株式をより多く取得できるというメリットがあります。一方、企業にとっては、当初予定していたよりも多くの資金を調達できるというメリットがあります。
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意外と知らない?資本剰余金の基礎知識

- 資本剰余金とは 株式会社は、事業を行うために必要な資金を、株を発行することで株主から集めます。この時、集めたお金のすべてが、事業の運転資金として使われるわけではありません。 資本剰余金とは、株の発行によって得た資金のうち、法律で定められた「資本金」として計上されない部分を指します。簡単に言うと、株主から集めたお金のうち、すぐに事業に使うお金ではなく、将来の投資や株主への配当の原資として、会社に積み立てておくお金のことです。 資本剰余金は、その発生源によって、いくつかの種類に分けられます。例えば、株を発行する際に、額面を上回る金額で発行した場合に生じる「資本準備金」や、企業合併の際に生じる「合併差益」などが、資本剰余金に含まれます。 資本剰余金は、会社の財務状況を示す重要な指標の一つです。資本剰余金が多いということは、それだけ会社に余裕があり、将来の投資や配当に充てることができる資金が多いことを意味します。一方、資本剰余金が少ない場合は、会社の財務基盤が弱く、将来の事業展開に不安がある可能性も考えられます。 ただし、資本剰余金が多いからといって、必ずしも会社が健全であるとは限りません。 重要なのは、資本剰余金の額だけでなく、その内容や推移、そして会社の事業内容や収益力などを総合的に判断することです。
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証券投資の専門家集団:エクイティ分科会

- エクイティ分科会とはエクイティ分科会は、投資家を守るためのルール作りや市場環境の改善策を話し合う場です。日本証券業協会の中に自主規制会議という会議があり、その下に設置されています。金融商品取引法に基づき、証券会社が自主的に活動しています。数ある分科会の中でも、エクイティ分科会は株式や株式関連商品といった「エクイティ商品」に関する専門的な議論を行う重要な役割を担っています。具体的には、株式の売買ルール、投資家向けの適切な情報提供のあり方、市場の公正性を保つための取り組みなどについて話し合われます。近年では、市場のグローバル化や技術革新に伴い、エクイティ分科会の役割はさらに重要になっています。例えば、海外投資家による日本株式市場への関心の高まりや、高速取引といった新たな取引手法の登場など、市場環境は大きく変化しています。エクイティ分科会は、こうした変化に対応し、投資家が安心して取引できる環境を整備するために、常に議論を重ねています。エクイティ分科会の活動は、私たち投資家にとって、より良い市場環境を実現するために欠かせないものです。
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エクイティファイナンス:成長への投資

- エクイティファイナンスとは 企業が事業を成長させるためには、新しい設備投資や人材採用など、何かとお金が必要になります。このような資金調達の方法の一つに、エクイティファイナンスがあります。 エクイティファイナンスとは、企業が株式を発行することで、投資家から資金を調達する方法です。 株式は、企業の ownership を表す証券です。投資家は、株式を購入することでその企業の ownership の一部を持つことになり、将来の企業の成長に伴う利益の分配や、株主総会での議決権行使を通じて経営への参加といった権利を得られます。 エクイティファイナンスの代表的な方法としては、新たに株式を発行して投資家に買い取ってもらう「新株発行」や、あらかじめ発行しておいた株式を従業員などに付与する権利である「新株予約権付社債」を発行する方法などがあります。 エクイティファイナンスは、借入とは異なり、資金調達に伴う利息の支払いや元本返済の義務がありません。そのため、企業は返済の負担を負うことなく、長期的な視点で事業を成長させるための資金を調達することができます。 一方で、株式発行は、既存の株主の持ち株比率が低下し、一株あたりの価値が薄まる可能性があります。また、経営への影響力を考慮する必要も出てきます。 企業は、エクイティファイナンスのメリット・デメリットを理解した上で、自社の状況に合わせて最適な資金調達方法を選択する必要があります。
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企業価値を読み解く:エクイティとは?

- エクイティ企業のオーナーシップを表すもの企業活動において、「エクイティ」は重要な概念です。簡単に言えば、エクイティとは、企業の純資産を指し、企業のオーナーシップ(所有権)を表すものです。企業は、事業を行うために必要な資金を、借入や株式発行などを通じて調達します。このうち、株式発行によって集めた資金は、企業にとって返済義務のない「自己資本」となります。エクイティは、この自己資本部分を指し、具体的には、企業の保有するすべての資産から、すべての負債を差し引いた残りの部分を意味します。例えば、ある企業が1億円の資産を保有し、5,000万円の負債を抱えているとします。この場合、エクイティは5,000万円(1億円 - 5,000万円)となります。エクイティは、企業の財務状態を測る上で重要な指標となります。エクイティが多いほど、企業は多くの資産を自己資本で賄っていることを意味し、財務の安定性が高いと評価されます。また、企業が倒産した場合、債権者への返済が優先されますが、返済後に残った資産があれば、エクイティ保有者(株主)に分配されます。つまり、エクイティ保有者は、企業の経営成果に応じて利益を受け取る権利を持つと同時に、企業が倒産した場合のリスクも負うことになります。
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個別銘柄だけが下落?独歩安の謎に迫る

株式市場全体が活況を呈し、多くの投資家が利益を上げているように見える強気相場。しかし、このような上昇局面においても、周囲の熱気に反して価格を下げ続ける銘柄が存在します。これが、今回取り上げる「独歩安」と呼ばれる現象です。まるで上昇の波に乗り遅れたかのように、単独で下落していくその様子は、投資家にとって不安を掻き立てるものです。一体なぜ、このようなことが起こるのでしょうか? 独歩安の背景には、様々な要因が考えられます。一つは、その銘柄固有の悪材料です。例えば、業績の悪化や不祥事の発覚などが挙げられます。これらのネガティブな情報は、市場全体の optimistic なムードを打ち消し、当該銘柄の売却を誘発する可能性があります。また、競合企業の台頭も、独歩安の要因となりえます。競争の激化は、企業の収益性を低下させる可能性があり、投資家心理を冷やすことになりかねません。さらに、市場全体の調整局面も、独歩安を招く可能性があります。全体的な株価調整の中で、特に業績や将来性に対する懸念が強い銘柄は、集中的に売られる傾向があるためです。 このように、独歩安は様々な要因によって引き起こされる可能性があります。重要なのは、安易な楽観論に流されず、個別銘柄の分析を怠らないことです。市場全体の動向を把握しつつ、各企業の業績や将来性を冷静に見極めることが、独歩安のリスクを回避し、堅実な投資を行う上で不可欠と言えるでしょう。
株式投資

特別支配株主とその影響力

- 特別支配株主とは 企業は、事業を行うための資金を調達するため、株式を発行します。そして、その株式を購入した人々が株主となり、企業の所有者として様々な権利を持つことになります。 株主は、保有する株式数に応じて、会社の重要な決定に意見を述べたり、経営陣を選任したりする権利である議決権を持つことができます。 通常、会社の経営方針や重要な決定は、株主総会での議決を経て決定されます。株主総会では、議決権の過半数を取得した案が可決されるため、多くの株主の意見が反映される仕組みとなっています。 しかし、中には、会社の議決権の過半数を大きく上回る株式を保有し、単独で会社の重要な意思決定を左右するほどの影響力を持つ株主も存在します。このような株主を「特別支配株主」と呼びます。 具体的には、会社法において総株主の議決権の10分の9以上の割合を保有する株主が特別支配株主に該当します。 特別支配株主は、その影響力の大きさから、会社の経営に対して大きな責任を負う立場にあります。会社の利益を追求するために、その力を適切に行使することが求められます。
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インサイダー取引とは?投資家を守るための知識

- インサイダー取引の定義インサイダー取引とは、簡単に言えば、一般の人が知らない会社の重要な情報を知っている人が、その情報を使って株などの売買で不正な利益を得ることです。これは法律で禁止されている違法行為です。もう少し具体的に説明すると、会社の社長や社員、あるいは弁護士や会計士など、仕事の関係で会社の重要な情報を知ることができる立場の人たちがいます。もしも、これらの立場の人が、新製品の発表や他の会社との合併など、普通なら知り得ない重要な情報を事前に知って、その情報が公になる前に会社の株を売買した場合、それがインサイダー取引にあたります。なぜなら、このような行為は、情報を持っていない一般の投資家よりも有利な立場で取引を行うことになり、不公平だからです。 インサイダー取引は、公平であるべき金融市場の秩序を大きく乱すものとして、厳しく罰せられます。
株式投資

特定投資家私募:成長企業への投資機会

- はじめの一歩投資の新しい選択肢 投資を始めたいけれど、どんな方法があるのかわからない、そんな悩みをお持ちのあなたへ。株式投資や投資信託など、投資の世界は広く、様々な選択肢が存在します。 近年、従来の投資方法に加えて、新たな投資先として注目を集めているのが「特定投資家私募」です。 特定投資家私募とは、簡単に言うと、将来性豊かな企業を応援したい投資家と、資金を必要とする企業を結びつける制度です。 魅力は、比較的少額から投資できる可能性があること。これまで、未上場企業への投資は多額の資金が必要となる場合が多く、一部の富裕層だけのものでした。しかし、特定投資家私募は、より多くの人々が、成長性の高い企業へ投資する機会を広げる可能性を秘めているのです。 もちろん、投資にはリスクがつきものです。特に、特定投資家私募は、未上場企業への投資であるため、価格変動リスクや流動性リスクなど、注意すべき点も存在します。 この特集では、特定投資家私募について、その仕組みやメリット、注意点などを、具体例を交えながらわかりやすく解説していきます。
株式投資

特定投資家向け売付け、その仕組みと注意点

- 特定投資家向け売付けとは特定投資家向け売付けとは、既に発行されている株式や債券といった有価証券を、特定の投資家に対してのみ売却の申し込みや購入の勧誘を行うことを指します。これは、不特定多数の投資家を対象とする公募とは異なり、限られた一部の投資家のみを対象とするものです。では、なぜ特定投資家向け売付けが行われるのでしょうか?主な理由は、手続きの簡素化と資金調達コストの抑制です。公募の場合、証券取引法に基づいた厳格な手続きや情報開示が義務付けられており、時間や費用がかかります。一方、特定投資家向け売付けであれば、これらの手続きが簡略化されるため、迅速かつ低コストで資金調達を行うことが可能です。しかし、誰でも特定投資家向け売付けに参加できるわけではありません。法律で定められた一定以上の知識や経験、財力を有する投資家のみが対象となります。具体的には、金融機関や上場企業、一定規模以上の資産を持つ個人投資家などが該当します。特定投資家向け売付けは、発行企業にとっては資金調達の選択肢の一つとなりますが、投資家にとっては、非公開企業の株式や債券などに投資する機会を得られるというメリットがあります。ただし、投資にはリスクが伴うため、投資判断はご自身の責任で行うようにしましょう。
株式投資

積立投資に最適?アベレージ・コストを解説

- アベレージ・コストとは 投資の世界では、タイミングを見計らって最も有利な価格で投資できれば理想的ですが、現実的には市場の動きを完璧に予測することは困難です。そこで有効な投資戦略の一つとして「アベレージ・コスト」という考え方が注目されています。 アベレージ・コストとは、同じ種類の投資商品を、異なる時期に、異なる価格で購入した場合に、取得価額を平均して算出したものを指します。例えば、毎月決まった日に一定額の投資信託を購入する「積立投資」を例に考えてみましょう。 投資信託の価格は市場の動向によって常に変動するため、購入するタイミングによって1口あたりの値段は高くなったり安くなったりします。価格が高い時には少しの口数しか購入できませんが、逆に価格が低い時には多くの口数を取得できます。このようにして、価格変動に関係なく、一定額を投資し続けることで、結果的に1口あたりの平均取得価格を抑える効果が期待できます。これがアベレージ・コストのメリットです。 アベレージ・コストは、特に長期的な投資において有効な戦略とされており、積立投資などを通じて、資産形成を目指す上で重要な概念と言えるでしょう。
その他

少人数からの資金調達:私募とは?

- 資金調達の選択肢事業を拡大したり、新たな設備投資を行ったりする際には、まとまった資金が必要になります。銀行からの融資を受けるという方法もありますが、近年では、株式市場を通じて幅広い投資家から資金を集める方法も一般的になってきました。数ある資金調達方法の中でも、今回は「私募」について詳しく解説していきます。-# 私募とは私募とは、特定の少数の投資家から、株式や社債などの証券を発行して資金を集める方法です。一般的には、ベンチャーキャピタルや事業会社、金融機関などが投資家となります。-# 私募のメリット私募のメリットとしては、大きく分けて以下の3点が挙げられます。1. -少人数の投資家から資金調達を行うため、手続きが比較的簡便である-2. -投資家との交渉によって、資金調達の条件を柔軟に設定できる-3. -上場企業のように、情報開示の義務が厳格ではない-これらのメリットから、近年では、ベンチャー企業を中心に私募による資金調達が増加しています。-# 私募のデメリット一方で、私募には以下のようなデメリットも存在します。1. -投資家を探すためのネットワークが必要となる-2. -株式や社債の流動性が低いため、換金性に劣る--# まとめ私募は、資金調達の条件を柔軟に設定できるなど、多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。そのため、自社にとって最適な資金調達方法かどうか、慎重に検討する必要があります。
株式投資

子会社連動配当株とは?

- 新たな株式投資の形近年、従来の株式投資とは異なる仕組みを持つ「子会社連動配当株」というものが注目されています。従来の株式投資では、投資家は企業全体の結果を反映した配 dividends を受け取っていました。つまり、企業全体の業績が好調であれば高い配当が期待できますが、一部の事業が不振でも他の事業が好調であれば、その影響は緩和されるという側面がありました。一方、「子会社連動配当株」は、特定の子会社の業績に連動して配当が変動します。例えば、A社という企業がB社という子会社を傘下に収めており、B社の業績に連動する株式を発行したとします。この場合、A社全体の業績が横ばいでも、B社が大きく成長すれば、その株式に投資した人は高い配当を得られる可能性があります。これは、投資家にとってより詳細な情報に基づいた投資判断を可能にするという点で、大きなメリットと言えるでしょう。特定の事業分野や子会社に将来性を感じている投資家は、その成長の恩恵をより直接的に受けられる可能性があります。一方で、子会社連動配当株は、子会社の業績に左右される度合いがより高いため、リスクも大きくなる点は留意が必要です。子会社の業績が予想を下回った場合、配当が減少したり、株価が下落する可能性もあります。このように「子会社連動配当株」は、従来の株式投資とは異なる特徴を持つ投資対象です。投資する際には、メリットだけでなくリスクも十分に理解した上で、慎重な判断が必要となります。
株式投資

投資の選択肢を広げる「一般信用銘柄」

株式投資の世界では、自己資金以上の取引を行う「信用取引」という方法があります。この信用取引は、証券会社から資金や株券を借りて、より大きな利益を狙うことができる反面、損失も大きくなる可能性があるというハイリスク・ハイリターンな取引です。 信用取引を利用するためには、証券会社から資金や株券の貸借を受ける必要がありますが、すべての銘柄が信用取引の対象となるわけではありません。信用取引が可能な銘柄は、大きく「制度信用銘柄」と「一般信用銘柄」の二つに分類されます。 「制度信用銘柄」とは、金融庁が定めた基準を満たし、証券取引所が選定した銘柄です。具体的には、株価の動きが活発で、財務内容が健全であるなど、一定の条件を満たした企業の株式が選ばれます。これらの銘柄は、証券会社が独自の審査を行うことなく、信用取引の対象となります。 一方、「一般信用銘柄」は、証券会社が独自に選定した銘柄です。証券会社は、独自の基準に基づいて、信用取引のリスクを管理できる範囲内で銘柄を選定します。そのため、証券会社によって、信用取引の対象となる銘柄が異なる場合があります。 信用取引を行う際には、銘柄が「制度信用銘柄」と「一般信用銘柄」のどちらに分類されるのか、事前に確認することが重要です。
債券投資

ワラント債で投資の魅力発見!

- ワラント債とは ワラント債とは、企業が資金を調達する際に発行する債券の一つです。この債券は、通常の社債に加えて、投資家にとって魅力的な特別な権利が付与されています。それが「ワラント」と呼ばれる、発行会社の株式をあらかじめ決められた価格で購入できる権利です。 ワラント債は、投資家にとって二つの投資機会を同時に得られるという点で魅力的です。まず一つ目は、債券部分から得られる安定的な利息収入です。これは通常の社債と同様に、あらかじめ決められた利率と期間で利息を受け取ることができます。二つ目は、ワラントを行使することで得られる株式の値上がり益です。 もし、ワラントの行使価格よりも発行会社の株価が上昇した場合、投資家は割安な価格で株式を取得し、その後売却することで利益を得ることができます。逆に、株価が行使価格を下回った場合は、ワラントを行使せずに債券部分の利息収入のみを受け取ることができます。 このようにワラント債は、債券の安定収入と株式投資の値上がり益の両方を狙える、投資家にとって魅力的な金融商品と言えるでしょう。
株式投資

証券投資の選択肢!店頭市場とは?

- 証券取引の仕組み 私たちが普段耳にする株式投資は、企業の株式を購入し、その企業の成長に伴って利益を得るという仕組みです。これは多くの方がご存知でしょう。しかし、一口に証券取引といっても、その取引の舞台にはいくつかの種類があることをご存知でしょうか?大きく分けて、証券取引所で行われる取引と、証券取引所を介さない取引の二つが存在します。 証券取引所とは、株式などの証券を売買するための市場のことです。企業が資金調達のために発行する株式や債券などが、この証券取引所で売買されています。私たち個人投資家が株式投資を行う場合、通常はこの証券取引所を通じて売買を行います。つまり、証券会社に証券取引所での売買を委託するという形です。 一方、証券取引所を介さない取引とは、証券会社が自社の顧客同士で証券を売買したり、証券会社が自ら証券を売買したりする取引のことです。 このように証券取引にはいくつかの種類があり、それぞれ異なる特徴があります。株式投資を始めるにあたっては、それぞれの取引の仕組みや特徴を理解しておくことが大切です。
株式投資

ライツ・オファリング:増資の選択肢

- ライツ・オファリングとは株式会社がお金を集める方法の一つに、「ライツ・オファリング」というものがあります。 これは、簡単に言うと、既に株を持っている株主に対して、新しく発行する株を買う権利を無料で配る方法です。この権利のことを「ライツ」と呼びます。例えば、A社が1株あたり1,000円で新たに株を発行するとします。 A社は、既にA社の株を持っている株主に対して、その保有株数に応じてライツを発行します。 このライツがあれば、決められた期間内であれば、1株あたり1,000円で新しいA社の株を買うことができます。株主は、このライツを使って新しい株を買うか、それともこのライツ自体を市場で売るかを選ぶことができます。 ライツを売却すれば、その分の利益を得ることができます。ライツ・オファリングは、株式会社にとっては、既存の株主から比較的簡単に資金を調達できるというメリットがあります。また、株主にとっても、市場価格よりも低い価格で新しい株を取得できる可能性があり、魅力的な投資機会となりえます。
株式投資

証券取引所を通さない取引、OTCとは?

- 株式取引の仕組み 皆さんが普段耳にする株式投資は、証券取引所と呼ばれる市場を通して行われています。この証券取引所は、例えるなら、たくさんの企業の株式が並んでいる巨大なスーパーマーケットのようなものです。 私たち投資家は、このスーパーマーケットに出かけていき、自分の気に入った企業の株式を、自分の希望する価格で購入することができます。もちろん、すでに持っている株式を売却することも可能です。 しかし、実際に株式を売買する際には、私たち自身で直接証券取引所に行くわけではありません。証券会社と呼ばれる、いわば「株式の売買代行業者」に依頼をする必要があります。 投資家は、証券会社に電話やインターネットを通じて注文を出し、証券会社が私たちの代わりに証券取引所で株式を売買してくれるのです。そして、取引が成立すると、購入した株式は投資家の口座に、売却したお金は投資家の銀行口座に入金されます。 このように、株式取引は、証券取引所、証券会社、投資家という三者によって成り立っており、それぞれが重要な役割を担っています。
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企業の資金調達!直接金融を解説

- 直接金融とは 企業が事業を拡大したり、新しい事業に投資したりするためには、資金が必要です。資金を集める方法はいくつかありますが、その中でも「直接金融」は、企業が銀行などの金融機関を介さずに、投資家から直接資金を集める方法です。 例えば、企業が株式を発行する場合を考えてみましょう。企業は、自分たちの事業内容や将来性などをまとめた資料を作成し、投資家に対して株式の購入を呼びかけます。投資家は、その情報をもとに、将来その企業が成長すると判断すれば株式を購入します。こうして、企業は投資家から直接資金を得ることができ、投資家は株式という形でその企業の一部を所有することになります。 直接金融には、株式発行以外にも、債券の発行など、様々な方法があります。債券とは、企業が投資家に対して、お金を借りる際に発行する証明書のようなものです。投資家は、企業が発行する債券を購入することで、企業にお金を貸すことになります。企業は、投資家に対して、決まった期日までに利息をつけてお金を返済する約束をします。 このように、直接金融は、企業にとっては、銀行借入に比べて低金利で資金調達できる可能性や、多くの投資家から資金を集めることができるなどのメリットがあります。一方、投資家にとっては、株式や債券への投資を通じて高いリターンを得られる可能性がある一方、投資した資金を失ってしまうリスクも伴います。
株式投資

分かりやすく解説!国内店頭取引とは?

投資の世界は広く、様々な方法で資産運用ができます。その中でも、近年注目を集めているのが「国内店頭取引」です。耳慣れない言葉に戸惑う方もいらっしゃるかもしれませんが、これは日本の証券会社を通じて、外国企業が発行した株式や債券を取引できる仕組みを指します。 通常、海外の金融商品に投資しようと思うと、海外の証券会社に口座を開設するなど、手続きが煩雑になりがちです。しかし、国内店頭取引であれば、普段から使い慣れた日本の証券会社を通じて、海外の金融商品に投資できるため、利便性が高い点が魅力です。 また、国内店頭取引は、国際分散投資を容易にするという点でも注目されています。国際分散投資とは、複数の国や地域の資産に分散して投資を行うことで、リスクを軽減し、安定した収益を目指そうという投資戦略です。国内店頭取引を利用すれば、日本株だけでなく、海外の株式や債券にも投資しやすくなるため、国際分散投資を進めやすくなります。 さらに、国内店頭取引では、証券会社が投資家に対して、投資商品の情報提供やアドバイスなどのサポートを行ってくれる点もメリットとして挙げられます。海外の金融商品は、情報収集が難しい場合もありますが、国内店頭取引であれば、日本語で情報を得たり、相談したりすることが可能です。 このように、国内店頭取引は、海外の金融商品への投資をより身近なものにする、便利な仕組みと言えるでしょう。
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値がさ株投資の注意点

- 値がさ株とは 「値がさ株」とは、文字通り解釈すると「価格の高い株」を指します。一口に「高い」と言っても、株の世界では一般的に1株あたり数万円、数十万円といった価格で取引される株式のことを指します。 では、なぜこのような高額な株が存在するのでしょうか? 企業は成長に伴い、その価値である株価も上昇していきます。多くの企業は株価が上がりすぎると、投資家が買いやすくなるよう「株式分割」を行い、1株あたりの価格を抑えます。しかし、中にはこの株式分割をあまり行わずに、事業の成長とともに株価が上昇し続けるケースがあります。このような企業の株は、長年の成長の証として、高値で取引されるようになり、値がさ株と呼ばれるようになるのです。 値がさ株は、高値であるがゆえに、購入には多額の資金が必要となります。しかし、その背後には確かな企業努力と成長の歴史が隠されています。
株式投資

もう存在しないの?「端株」について解説

- 端株とは株は、企業の所有権を表す小さな証明書のようなもので、証券取引所で売買されています。通常、株は決まったまとまった数で取引されます。このまとまった数のことを「単元」と呼び、多くの場合100株が1単元となります。では、100株に満たない数の株はどうなるのでしょうか? 例えば、99株や、15株、1株だけ持っていたい場合はどうなるでしょう?このような、1単元に満たない株のことを「端株」と呼びます。端株は、いくつかの理由で発生することがあります。例えば、企業が「株式分割」を行った場合です。株式分割とは、1株を2株にしたり、3株にしたりすることで、株価を下げて、より多くの人が株を買えるようにする仕組みです。この時、100株持っていた人が、1株を2株に分割すると、200株を持つことになります。しかし、99株しか持っていなかった人は、198株となり、2株の端株が発生してしまうのです。また、株式の贈与や相続などで、単元未満の株が譲渡される場合も、端株が発生します。端株は、通常の取引所では売買できません。しかし、証券会社によっては、端株を買い取ったり、希望者に売却するサービスを提供している場合があります。 また、端株を1単元になるまで買い足したり、逆に端株を売却して単元株だけにすることで、通常の株式売買を行うことも可能です。