正規分布

経済の用語

資産運用と対数正規分布

- 対数正規分布とは 対数正規分布は、統計学の分野で用いられる確率分布の一つで、常にゼロ以上の正の値のみを取り扱います。この分布の特徴は、グラフに表すと右側に長く裾野が伸びた釣鐘型の形になる点です。この形は、よく知られる正規分布と似ていますが、正規分布のようにゼロや負の値を取ることはありません。 この対数正規分布は、特に経済や金融の分野で、時間の経過とともに変化する資産の価格変動を分析する際に頻繁に利用されます。例えば、株価や不動産価格は、短期間で見ると上下に変動しますが、長期的に見ると右肩上がりに上昇していく傾向があります。このような資産の価格変動は、対数正規分布を用いることで、より適切に表現できると考えられています。 具体的には、資産の価格の対数を取ると、その対数値が正規分布に従うという特性があります。このため、対数正規分布は、資産価格の成長率や収益率の分析にも適しています。 対数正規分布は、経済や金融の分野以外にも、様々な分野で応用されています。例えば、生物学では、生物の体の大きさや重量の分布をモデル化する際に用いられることがあります。また、物理学では、粒子のサイズの分布などを表現する際に利用されることがあります。
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投資と正規分布:未来への見通しを立てる

- 正規分布とは世の中には、身長、体重、テストの点数など、様々なデータが存在します。これらのデータを分析する際に役立つのが、統計学という学問です。そして、統計学において特に重要な役割を担うのが、「正規分布」と呼ばれる確率分布です。正規分布は、グラフに描くと、左右対称の美しい釣鐘型になるのが特徴です。この釣鐘型の山の頂点が、データの平均値を表しています。つまり、データが集中している点が平均値となり、その周りに対称的にデータが広がっている様子が見て取れます。では、データの広がり方はどのように測ればよいのでしょうか。ここで登場するのが「標準偏差」という概念です。標準偏差は、データが平均値からどれくらいばらついているかを表す指標です。標準偏差が小さいほど、データは平均値近くに集まっており、逆に標準偏差が大きいほど、データは平均値から遠く離れて散らばっていることを意味します。正規分布が統計学において多用される理由の一つに、平均値と標準偏差というたった2つの値だけで、その分布全体の特徴を掴むことができるという点があげられます。これは、膨大なデータの分析を簡略化できるという点で、非常に重要な特徴と言えるでしょう。