為替相場メカニズム

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ERM:ユーロ導入前の通貨安定システム

- ERMとはERMとは、「為替相場メカニズム」の略称で、ユーロが導入されるよりも前に、多くのヨーロッパ連合(EU)加盟国で採用されていた通貨を安定させるためのシステムです。このシステムは、1979年から1999年まで実施されていました。当時のヨーロッパでは、為替レートが大きく変動することがあり、貿易や投資に悪影響を与えることが懸念されていました。そこでERMは、EU加盟国の通貨間の為替レートを一定の範囲内に収めることを目的として作られました。具体的には、それぞれの国の通貨に対して、「中心レート」と呼ばれる目標となる交換比率が設定されました。そして、各国の通貨は、この中心レートから一定の範囲内(上下2.25%以内、後に15%に拡大)でのみ変動することが許されました。もし、通貨の価格が範囲を超えて変動した場合には、各国政府や中央銀行が介入して、為替レートを範囲内に収めるように調整しました。ERMは、ユーロを導入する準備段階として重要な役割を果たしました。為替レートの変動が抑制されることで、物価が安定し、貿易や投資がしやすくなりました。その結果、EU加盟国の経済はより緊密に統合され、ユーロ導入への道が開かれたのです。
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ヨーロッパ統合の礎となったEMSとは?

- EMSとは EMSとは、ヨーロピアン・マネタリー・システム(European Monetary System)の略称で、1979年3月から1999年1月まで運用されていた、ヨーロッパにおける通貨制度です。 イギリスを除く、当時のEC加盟8か国が参加し、為替レートの安定と通貨統合による経済の安定化を目指しました。 具体的には、参加国の通貨間の為替レートを一定の範囲内に収めるように、各国の通貨当局が為替介入を行う仕組みがとられました。 しかし、1992年のイギリスの通貨危機などをきっかけに、EMSは大きな変動相場に見舞われ、その後の見直しを経て、1999年1月からは、ユーロという単一通貨を導入する、経済通貨同盟へと移行しました。 EMSは、ユーロ導入に向けた重要なステップとして、ヨーロッパ経済の統合に大きく貢献しました。
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ヨーロッパ統合の礎? 欧州通貨制度とは

1970年代、世界経済は、それまでの固定相場制から変動相場制への移行や、二度にわたるオイルショックなど、大きな変化の波に翻弄されていました。ヨーロッパの国々は、貿易や経済活動において、通貨の変動がもたらす不安定な状況を避けることが、経済の安定と成長には不可欠であると考えるようになりました。 こうした背景から、1979年3月、イギリスを除く8つのEC(欧州共同体)加盟国が参加し、欧州通貨制度(EMS)がスタートしました。 EMSの大きな目的は、加盟国間の為替レートの変動幅を一定の範囲内に収めることで通貨の安定を図り、ひいてはヨーロッパ経済全体の統合を促進することにありました。これは、変動相場制の元で、為替レートの乱高下が経済活動に悪影響を及ぼすことを懸念したヨーロッパ諸国が、共同で通貨の安定を図るという、当時としては画期的な試みでした。