短期金融市場

経済の用語

金融の基礎知識:無担保コール翌日物金利とは?

私たちが普段利用している銀行は、預金を集めて企業や個人にお金を貸し出すことで利益を得ています。銀行は預かっているお金を元手に、住宅ローンや事業資金などを貸し出し、その利息で収益を上げています。しかし、銀行といえども、毎日必ず資金に余裕があるとは限りません。例えば、給料日など特定の日に預金の払い戻しが集中すると、その分貸し出しに回せるお金が減ってしまいます。また、企業からまとまった融資の申し込みがあった場合など、手持ちの資金だけでは足りないという事態も起こりえます。 このような場合、銀行はどのように対処するのでしょうか? 実は、銀行同士で短期間でお金を貸し借りすることで、資金の過不足を調整しています。銀行間で翌日返済の約束でお金を貸し借りする市場を「コール市場」と呼びます。銀行は、コール市場を通じて資金を調達することで、急な預金の払い戻しや融資の申し込みにも対応できるのです。私たちが安心して銀行を利用できるのも、このような銀行間の資金調達システムがあるからこそと言えるでしょう。
経済の用語

無担保コールレートとは?

- 無担保コールレートの概要銀行などの金融機関は、日々多くのお金の出し入れを行っています。預金者が預金を引き出したり、企業への融資を行ったりと、その金額は膨大です。このような業務を行う中で、金融機関は、預金の受け入れと貸し出しのバランスを適切に保ち、安定的に資金を運用していく必要があります。このバランスを調整するために活用されるのが「無担保コール市場」です。無担保コール市場では、金融機関同士が担保なしで、ごく短期間(主に翌日返済)、資金を貸し借りしています。この際の金利を「無担保コールレート」と呼びます。翌日返済の取引が中心であることから、「オーバーナイト・コール・レート」とも呼ばれます。金融機関は、預金準備率などの規制により、一定割合以上の資金を日本銀行に預け入れる必要があります。日々の業務の中で資金が不足する場合には、この無担保コール市場で他の金融機関から資金を借り入れ、逆に資金が余剰している場合には、他の金融機関に貸し出すことで、効率的に資金調達や運用を行っています。このように、無担保コールレートは、金融機関の資金調達の短期的な指標となる重要な金利の一つと言えるでしょう。
経済の用語

企業の短期資金調達を支える手形市場とは

- 手形市場とは企業が事業を行うには、仕入れや人件費など、日々多くのお金が必要となります。しかし、商品を販売して現金が入ってくるまでには時間がかかるため、一時的に資金が不足してしまうことがあります。このような時に、企業が短期間でお金を調達するための手段の一つが、「手形市場」です。手形市場とは、企業が「手形」と呼ばれる証券を発行・売却することによって、銀行や企業などから短期資金を調達する市場です。この市場では、主に翌日物から1年物までの短期の資金が取引されています。例えば、ある企業が商品を販売した際に、代金の支払いを後日とする場合があります。この時、企業は買い手に対して、後日支払うことを約束した証書を発行します。これが手形です。手形を受け取った企業は、現金が必要な場合、この手形を銀行や他の企業に売却することで、支払期日よりも前に現金を得ることができます。このように、手形市場は、企業にとって必要な資金を短期的に調達するための重要な役割を果たしています。また、投資家にとっては、比較的安全性の高い短期投資の手段として利用されています。
債券投資

企業の資金調達手段「コマーシャルペーパー」とは?

- コマーシャルペーパーとは コマーシャルペーパーとは、企業が事業に必要な資金を短期間で集めるため、投資家に対して発行する、約束手形のようなものです。 銀行からお金を借りる場合、審査や手続きが煩雑で時間がかかることがあります。一方、コマーシャルペーパーは、発行から償還までの期間が1年以内と短く、銀行からの借入よりも手続きが簡素で、迅速に資金調達できるというメリットがあります。 企業はコマーシャルペーパーを発行することで、銀行からお金を借りるよりも低い金利で資金調達できる可能性があります。これは、銀行からの借入には、銀行が独自に設定する金利や手数料などがかかるのに対し、コマーシャルペーパーは、市場の需給によって金利が決定されるためです。 コマーシャルペーパーは、元本と利息を支払うことを約束する有価証券であるため、投資家にとっては、預金や債券と同じように、比較的安全性の高い投資先とみなされています。 このように、コマーシャルペーパーは、企業にとっては資金調達の手段として、投資家にとっては投資の対象として、重要な役割を担っています。