簿価

経済の用語

簿価とは?企業価値との関係を解説

- 簿価の概要企業の財務状況を把握する上で、資産の価値を正しく評価することは非常に重要です。この資産価値を表す指標の一つに「簿価」があります。簿価とは、企業会計において、資産を帳簿に記載する際の金額を指します。簡単に言うと、企業が資産をどれだけの金額で保有していると帳簿上で記録しているか、ということです。具体的には、資産を取得した時点の取得原価からスタートします。取得原価とは、資産を購入するために実際に支払った金額だけでなく、購入に伴い発生した手数料や税金なども含めた総額です。その後、時間の経過とともに価値が減少する部分を差し引いていきます。この価値減少部分を「減価償却費」と呼びます。例えば、100万円で購入した機械があるとします。この機械は10年間使用できると想定し、毎年10万円ずつ価値が減少していくと計算した場合、5年後のこの機械の簿価は50万円となります。このように、簿価は取得原価から減価償却費を差し引くことで計算され、企業の財務諸表の一つである貸借対照表(B/S)の資産の部に計上されます。簿価は、あくまでも帳簿上の金額であり、常に市場で取引されている時価と一致するわけではありません。しかし、企業の財務状況を分析する上での基礎となる重要な指標であると言えるでしょう。
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投資にはつきもの? 評価損益を理解しよう

- 評価損益とは?評価損益とは、保有している資産を実際に売却していないにも関わらず、その時の市場価格をもとに計算した時、 将来売却した場合に発生するであろう利益や損失のことを指します。例えば、あなたが100万円で購入した会社の株があるとします。この株が、現在の市場では1株あたり120万円で取引されているとしましょう。この場合、もしも今すぐ株を売れば20万円の利益を得られますが、まだ実際に売却したわけではありません。しかし、この時点で既に20万円の利益が見込めるため、これは「評価益」として計上されます。逆に、もしも会社の業績が悪化し、市場での株価が1株あたり80万円に下がってしまったとしましょう。この場合も、まだ実際に株を売却していませんが、もしも今売却すると20万円の損失が出てしまいます。そのため、この時点では20万円の「評価損」として計上されます。このように、評価損益はあくまで「評価」に基づいた利益や損失であるため、実際に売買が行われるまでは確定したものではありません。市場価格の変動によって評価損益は日々変動し、売却するまで利益や損失が確定することはありません。そのため、評価損益は投資判断の参考情報の一つとして捉えることが重要です。
経済の用語

時価評価を理解する

- 時価評価とは時価評価とは、ある時点における市場での取引価格に基づいて、保有資産や負債の価値を評価する方法です。これは、資産や負債を、仮にその時点で売却または決済した場合に、どれくらいの金額で取引されるかを反映した評価方法と言えます。例えば、あなたが株式投資を行っているとしましょう。あなたが1年前に1株1,000円で購入した株式があるとします。そして現在、その株式の市場価格が1株1,500円に上昇しているとします。この場合、時価評価では、あなたが保有する株式の価値は、取得時の価格である1,000円ではなく、現在の市場価格である1,500円と評価されます。逆に、市場価格が下落した場合には、時価評価額も減少します。もしも市場価格が1株500円に下落した場合、時価評価ではあなたの保有する株式の価値は500円となります。このように、時価評価は、市場価格の変動に応じて資産価値が変動する金融商品などにおいて、特に重要な評価方法となります。投資信託や株式、債券などの金融商品の価値を把握する上で、時価評価は欠かせない要素と言えるでしょう。
債券投資

債券投資と償却:アモチゼーションとは?

アモチゼーションの概要 アモチゼーションとは、建物や機械といった固定資産や債券などを取得した際に、その取得価格と将来価値との差額を、一定期間にわたって費用として配分していく会計処理方法です。 例えば、100万円で購入した機械の耐用年数が10年、残存価格がゼロの場合、1年あたり10万円ずつ費用計上していくことになります。このように、アモチゼーションは、取得した資産の価値を、その使用期間や保有期間全体にわたって適切に費用として認識させるために重要な役割を果たします。 債券投資においても、アモチゼーションは重要な概念です。特に、債券を額面以上の価格で購入した場合に、その差額を償還日まで保有しておくと、償還時に損失として計上されてしまいます。そこで、アモチゼーションを用いることで、この差額を債券の保有期間全体にわたって均等に費用計上することができます。具体的には、100円の額面の債券を105円で購入した場合、5円の差額を償還日までの期間にわたって、少しずつ費用として計上していくことになります。 このように、アモチゼーションは、企業の財務状況を正しく把握し、適切な投資判断を行う上で欠かせない会計処理方法と言えます。
債券投資

アキュムレーションとは?債券投資の基礎知識

- 積み立て効果で利益を認識する「アキュムレーション」債券投資、特に割引債と呼ばれる種類の債券には、「アキュムレーション」という重要な概念が存在します。割引債は、その名の通り、額面金額よりも低い価格で購入できる債券です。満期が到来すると、額面金額で償還されますので、購入価格との差額が利益となります。例えば、100万円の額面の債券を90万円で購入した場合、満期には10万円の利益を得ることになります。この利益は、満期が到来するまで受け取ることができませんが、アキュムレーションという会計処理方法を用いることで、保有期間中に段階的に利益を認識していくことが可能となります。具体的には、購入価格と額面金額の差額を保有期間の日数に応じて案分し、毎期収益として計上していくという方法です。この仕組みにより、投資家はあたかも利息を受け取っているかのように、徐々に利益を積み上げていくことができます。これが「アキュムレーション」と呼ばれる所以です。アキュムレーションは、割引債投資における重要な要素の一つであり、投資収益を適切に把握するために欠かせない概念と言えるでしょう。