粉飾

経済の用語

粉飾決算で見かける「相落ち」とは?

企業が、あたかも利益が出ているように見せかけたり、実際よりも健全な財務状況であるかのように装うことを「粉飾決算」と言います。これは、投資家や株主など、企業の情報に基づいて判断を下す人々を欺く行為であり、許されるものではありません。粉飾決算には、様々な巧妙な手口が存在します。 例えば、「架空売上計上」という方法があります。これは、実際には存在しない売上をあたかもあったかのように計上することで、売上高や利益を水増しする手口です。また、「循環取引」という方法も存在します。これは、実際には商品やサービスの提供を行っていないにも関わらず、関連会社間などで取引を行ったように見せかけることで、売上高を水増しする手口です。 これらの他にも、「相落ち」と呼ばれる手法があります。これは、預金が実際よりも多く存在するかのように見せかけることで、短期間だけ財務内容を良く見せることを目的としています。例えば、月末に多額の預金があるように見せかけるために、実際には資金が不足しているにも関わらず、一時的に資金を借り入れて預金残高を水増しするといった方法が用いられます。 粉飾決算は、企業の一時的な利益や財務状況の改善をもたらすかもしれませんが、長期的に見れば、企業の信頼を失墜させ、市場全体の秩序を乱すことになります。企業は、健全な経営と透明性の高い情報開示を心掛けることが重要です。