経済の仕組みを知る:総供給関数
- 総供給関数とは経済学の世界では、特定の商品がどれだけの量、市場に供給されるのか、そしてその供給量が価格変動にどう影響されるのかを探るために「供給関数」という概念を用います。 これと同じように、経済全体におけるモノやサービスの供給量を分析する際に使われるのが「総供給関数」です。総供給関数は、経済全体で生産されるモノやサービスの総量、つまり国民所得と、その生産量に対応する総供給量の関係を表したものです。 つまり、一定期間内に国内でどれだけのモノやサービスが生産されるのか、その量を左右する要因を分析する際に欠かせない役割を担っています。例えば、人々の賃金水準が上がれば、企業はより多くの労働者を雇用し、より多くのモノやサービスを生産できるようになります。その結果、国民所得が増加し、総供給量も増加する方向に働きます。逆に、原材料価格が高騰すると、企業は生産コストを抑制するために生産量を減らす可能性があり、結果的に国民所得と総供給量は減少する可能性があります。このように、総供給関数は、様々な経済要素がどのように影響し合い、経済全体の生産量を決定づけているのかを理解するための重要なツールと言えるでしょう。