企業年金制度の清算時に必須となる財産目録とは?
- 財産目録の役割とは?企業が、従業員のために積み立てて運用している年金制度には、大きく分けて二つあります。従業員が将来受け取る年金額があらかじめ決まっている「確定給付型」と、運用成績によって将来の年金額が変わる「確定拠出型」です。このうち、確定給付型の一つである厚生年金基金や確定給付企業年金を解散・終了する際には、必ず「財産目録」を作成することが法律で義務付けられています。では、この財産目録とは一体どのようなものでしょうか?簡単に言うと、財産目録とは、企業の保有する財産と負債を一覧にした書類です。具体的には、現金や預貯金、株式、不動産といったプラスの財産だけでなく、借入金や未払い金といったマイナスの財産も、全て漏れなく記載する必要があります。財産目録を作成することで、企業の財政状態を正確に把握することができます。特に、厚生年金基金や確定給付企業年金の解散・終了を行う際には、従業員に支払うべき年金給付を将来にわたって保証できるかどうかを判断するために、この財産目録が非常に重要な役割を果たします。つまり、財産目録は、企業の財政の健康診断書といえるでしょう。解散・終了といった重要な局面を迎える企業にとって、財産目録の作成は、従業員への責任を果たすためにも欠かせない手続きなのです。