
幻の組織?ITOと自由貿易のゆくえ
- 自由貿易を目指した国際機関
「国際貿易機構」、略してITOという名称を耳にしたことはありますか?あまり聞き馴染みがないかもしれません。これは、第二次世界大戦後間もない頃に構想された、国際貿易の自由化を目的とした国際機関です。
世界恐慌後の混乱が続く中、世界経済を安定させ、成長へと導くために、国と国との間でモノやサービスを自由に行き来させる「自由貿易」の重要性が認識され始めました。そこで、この自由貿易を実現するために設立が計画されたのが、ITOだったのです。
しかし、ITOは、設立準備の段階でアメリカ合衆国議会などの反対にあい、結局、実現には至りませんでした。
その後、ITOの理念の一部は、関税と貿易に関する一般協定(GATT)に引き継がれ、GATTは、1995年に世界貿易機関(WTO)へと発展しました。WTOは、今日、国際貿易のルールを定め、その円滑化を図る中心的な役割を担っています。
幻の組織となったITOですが、その構想は、その後の国際貿易の枠組みの礎となり、今日のグローバル経済の礎を築く上で重要な役割を果たしたと言えるでしょう。