貿易金融

経済の用語

貿易立国を支えた金融機関、EIB

かつて日本には「日本輸出入銀行」という名前の金融機関が存在していました。この銀行は、1950年に設立され、2008年までの間、政府と密接な関係を持つ特殊な銀行として、日本の貿易を支える重要な役割を担っていました。 日本輸出入銀行は、企業が海外と貿易を行う際に必要な資金を貸し出す「貿易金融」や、企業が海外で工場を建設したり、事業を拡大したりする際に必要な資金を供給する「海外事業への投資金融」といった業務を行っていました。これらの業務を通じて、日本の製品を世界に広め、海外での事業展開を後押しすることで、日本の経済成長に大きく貢献しました。 日本輸出入銀行は、その役割を終え、2008年に国際協力銀行(JBIC)と合併しました。しかし、日本の貿易を支えたその功績は、今もなお語り継がれています。
FX

資金調達の選択肢:期限付手形買相場を理解する

- 事業資金調達の概要企業が事業を成長させ、円滑に運営していくためには、様々な場面で資金が必要となります。例えば、新しい機械設備を導入するための設備投資や、従業員の給与や賃料の支払いに充てる運転資金などが挙げられます。資金調達には、大きく分けて「自己資本」と「他人資本」の二つがあります。自己資本とは、企業自身が保有している資金のことです。代表的なものとしては、株主から出資してもらった資本金や、企業が事業活動を通じて得た利益を積み立てた内部留保などがあります。自己資本は、返済する必要がないため、企業の財務体質を強化する効果があります。一方、他人資本とは、銀行や取引先など、外部から調達する資金のことです。代表的なものとしては、銀行からお金を借り入れる銀行借入や、投資家に向けて債券を発行して資金を集める社債発行などがあります。他人資本は、返済の義務が生じる一方で、多額の資金を一度に調達できるというメリットがあります。資金調達の方法は、それぞれにメリット・デメリットがあるため、企業は事業の規模や成長段階、経営状況などを考慮した上で、最適な方法を選択する必要があります。例えば、成長期の企業は、事業拡大のための投資を積極的に行う必要があるため、多額の資金を調達できる他人資本を活用することが多いです。一方、安定した収益を上げている企業は、無理に他人資本に頼らず、自己資本を中心に資金調達を行うこともあります。重要なのは、それぞれの資金調達方法の特徴を理解し、自社の状況に合わせて最適な方法を選択することです。
経済の用語

ドキュメンタリービルとは?貿易決済の仕組みを解説

- 貿易決済におけるドキュメンタリービルの役割国際取引において、国境を越えた商品の売買は、企業にとって大きなビジネスチャンスとなります。しかしながら、異なる法制度や商習慣、言語の壁などが存在するため、国内取引に比べてより複雑でリスクも伴います。特に、金銭の授受と商品の受け渡しを同時に行うことが難しい点が大きな課題となります。このような課題を解決するために、国際的な商取引においては、様々な決済方法が用いられています。その中でも、「ドキュメンタリービル」は、輸出者と輸入者の双方にとってメリットがあり、広く利用されている決済方法です。ドキュメンタリービルとは、輸出者が銀行を介して、輸出書類と引き換えに代金の支払いを輸入者に請求する決済方法です。具体的には、輸出者は商品を船積みした後、船積書類(船荷証券、保険証券、送り状など)を揃え、それらを銀行に預託します。同時に、輸入者に対して代金の支払いを求める為替手形を発行し、銀行に送付するよう指示します。銀行は、輸出者から預託された船積書類と為替手形を、輸入者の取引銀行に送付します。輸入者は、為替手形の支払期日までに代金を支払い、船積書類を受け取ります。船積書類には商品の所有権を証明するものも含まれているため、輸入者はこれらを受け取ることで、商品を自由に処分することができるようになります。このように、ドキュメンタリービルは、銀行が決済に介入することで、輸出者と輸入者の双方に安心できる取引を実現します。輸出者にとっては、代金回収のリスクを軽減できるメリットがあり、輸入者にとっては、商品が確実に届くまで支払いを猶予できるメリットがあります。
その他

資金繰りの強い味方!荷為替手形の買取りとは?

- 貿易取引における支払い方法国際的な貿易取引は、国内取引とは異なり、地理的に離れた相手と、異なる文化や商習慣、法律のもとで取引を行うことになります。そのため、売買契約を結んでいても、輸出者にとっては商品の引き渡し後に代金が支払われないリスクがあり、輸入者にとっては代金を支払ったにもかかわらず商品が届かないリスクが存在します。このような取引に伴うリスクを回避するために、銀行を仲介役とした様々な支払い方法が開発されてきました。中でも、荷為替手形を用いた決済方法は、輸出者と輸入者の双方にある程度の保証を提供する仕組みとして、現在でも広く利用されています。荷為替手形とは、輸出者が輸入者に対して、商品の代金を指定の銀行に支払うように指示する書類のことです。この書類に基づいて、銀行は輸出者と輸入者の間に入り、代金の支払いと商品の引き渡しを確実に行う役割を担います。具体的には、輸出者は商品を輸出した後、船積書類と共に荷為替手形を作成し、取引銀行に提出します。取引銀行は、この荷為替手形を輸入者の取引銀行に送付し、輸入者は銀行に対して代金の支払いを約束します。その後、輸入者は商品の船積書類と引き換えに代金を支払い、商品を受け取ることができます。このように、荷為替手形を用いた決済方法は、銀行が支払いを保証するため、輸出者にとっては代金回収のリスクを軽減できるというメリットがあります。一方、輸入者にとっても、商品が届かない限り銀行が代金を支払わないため、商品を受け取れないリスクを回避できます。
FX

貿易取引の支払いに必須!アトサイト相場を理解しよう

- アトサイト相場とは国際取引では、商品を受け取った後、一定期間が経ってから代金を支払う「後払い」がよく利用されます。 この後払いの取引において、輸出者が銀行から安全に代金を受け取れる仕組みの一つとして、信用状付一覧払いが用いられます。この際、輸出者は輸入地の銀行が発行する信用状に基づいて輸出手形を作成し、銀行に買い取ってもらうことで代金を受け取ります。この輸出手形を銀行が買い取る際に適用される為替相場のことを「アトサイト相場」と呼びます。 つまり、輸出者が実際に手にする代金は、このアトサイト相場で計算されることになるのです。アトサイト相場は、取引時点の為替相場ではなく、輸出手形の満期日を基準に決定されます。そのため、輸出者にとっては、為替変動リスクを予測し、適切なアトサイト相場を見極めることが重要になります。輸出者は、銀行との交渉を通じて、より有利なアトサイト相場での取引を目指します。
FX

一覧払輸入手形決済相場とは?

- 信用状取引における決済方法 国際的な商品の売買では、国や企業の信頼関係を担保することが難しいため、信用状(L/C)を用いた取引が一般的です。信用状とは、銀行が買い手側の依頼を受けて発行する書類で、いわば銀行が買い手側の代わりに売り手側に対して支払いを保証する約束手形のようなものです。 信用状を用いることで、売り手側は買い手側の支払不能や支払遅延のリスクを軽減できます。また、買い手側も商品を受け取れないリスクを軽減できるというメリットがあります。 信用状に基づいて、輸出者が銀行に代金の支払いを請求する際には、手形を用いる方法があります。この手形を銀行が買い取って代金を支払うことを「買取り」と言います。買取り方には、大きく分けて二つの方法があります。 一つは「割引」と呼ばれる方法です。これは、銀行が代金支払期日前に手形を買い取る代わりに、利息を差し引いた金額を輸出者に支払う方法です。輸出者は、すぐに現金を受け取ることができますが、受け取る金額は利息分だけ少なくなります。 もう一つは「一覧払い」と呼ばれる方法です。これは、銀行が代金支払期日に手形を受け取り、満額を輸出者に支払う方法です。輸出者は、満額を受け取ることができますが、代金支払期日まで待つ必要があります。 どの方法で決済を行うかは、輸出者と買い手の間で事前に取り決めておくことが重要です。
経済の用語

貿易決済の要!アクセプタンス相場を解説

- 信用状取引における決済 国際的な商取引では、地理的に離れた売り手と買い手が安全に取引を行うために、信用状が重要な役割を果たします。信用状とは、買い手である輸入者が自分の取引銀行に依頼し、売り手である輸出者に対して支払いを保証する約束のことです。この信用状を発行してもらうことで、輸出者は安心して商品を発送することができ、輸入者は確実に商品を受け取ることができます。 信用状に基づいて輸出者が商品を発送すると、輸出者は代金を受け取る権利が発生します。一方、輸入者は信用状の条件に基づいて代金を支払う義務が生じます。 アクセプタンスとは、この信用状取引における決済方法の一つです。輸入者が銀行に対して、信用状に基づいて提示された輸出手形を決済することを約束することを指します。アクセプタンスは、輸入者が手形を決済する際の相場、つまり支払期日や金利などを決定する上で重要な要素となります。 アクセプタンスには、銀行が支払いを保証する「銀行引受手形」と、輸入者が支払いを約束する「自己受為手形」の二種類があります。銀行引受手形は、銀行が支払いを保証するため、自己受為手形よりも信用力が高く、輸出者にとってより安全な決済方法と言えます。
その他

国際取引の信用力を支えるBAとは?

- 貿易決済の基礎知識国境を越えて商品を売買する場合、国内取引と比べてより複雑な手続きが必要となり、思わぬリスクも潜んでいます。特に、代金の受け渡しに関しては、売主と買主の間に信頼関係がない状態では、どちらか一方が不安を抱えることになります。そこで重要な役割を担うのが「貿易決済」です。貿易決済とは、国際的な商取引において、売主が商品を輸出した後、買主から安全かつ確実に代金を受け取るための仕組みを指します。貿易決済には様々な方法が存在しますが、その中でも、売主と買主双方にとって安心できる方法の一つとして、「信用状取引」が挙げられます。信用状取引とは、買主の取引銀行が、商品の引き渡しを条件に、売主に対して支払いを保証する方法です。つまり、万が一、買主が支払い不能に陥った場合でも、銀行が代わりに代金を支払ってくれるため、売主は代金回収のリスクを大幅に軽減できます。このような銀行による保証があることで、売主は安心して商品を輸出することができるようになり、円滑な国際取引を実現できるのです。