国の豊かさを考える:総生産と総効用の関係
- 豊かさの指標
私たちが日々仕事に励んだり、事業を営んだりする根底には、より豊かな生活を送りたいという願いがあります。
しかし、「豊かさ」と一言で言っても、それは物質的な豊かさだけではありません。心の豊かさ、時間的なゆとり、自然との調和など、人によってその捉え方は様々です。
では、国の豊かさを測るとなると、一体どのような指標を参考にすればよいのでしょうか。
一つの指標として、国民一人当たりがどれだけのお金を持っているかを示す「国民一人当たり所得」が考えられます。
これは、国民全体の所得を人口で割ったものであり、国民の平均的な生活水準を把握するのに役立ちます。
また、国民がどれだけの資産を保有しているかを示す「国民一人当たり保有資産」も、豊かさを測る上で重要な指標となります。
家や土地、株式、債券などの資産が多いほど、経済的なゆとりがあると判断できます。
しかし、真の豊かさは、お金や資産だけで測れるものではありません。
どれだけ物質的に恵まれていても、心身が健康でなければ、真に豊かであるとは言えません。
そこで近年注目されているのが、「幸福度」という指標です。
これは、国民がどれだけ幸せを感じているかを、アンケート調査などを通して数値化したものです。
経済学では、国の豊かさを捉える際に、「総生産」と「総効用」という二つの概念を用いることがあります。
「総生産」は、国内で一定期間内に生産された財やサービスの合計額を表し、経済活動の規模を測る指標となります。
一方、「総効用」は、人々が財やサービスを消費することによって得られる満足度の総和を表します。
真に豊かな国とは、単に経済活動が活発な国ではなく、国民一人ひとりが物質的にも精神的にも満たされた生活を送ることができる国と言えるでしょう。