遅行指標

指標

景気予測に役立つ?遅行系列を解説

経済の状況を把握するには、様々な経済指標を参考にします。これらの指標は、景気の変化に対してどのように反応するかによって、先行系列指標、一致系列指標、遅行系列指標の3つに分類されます。先行系列指標は景気の動きに先駆けて変化する指標、一致系列指標は景気の動きとほぼ同時に変化する指標ですが、遅行系列指標は景気の動きに遅れて反応を示す指標のことを指します。 例えば、景気が後退局面に入ると、企業は将来の見通しに不安を感じ、設備投資や新規雇用を抑制するようになります。しかし、企業は、景気後退の兆候が見られたとしても、すぐに従業員の解雇に踏み切るとは限りません。なぜなら、従業員の解雇には多額の費用がかかるだけでなく、企業の評判を傷つけ、将来的な人材確保を難しくする可能性もあるからです。そのため、企業は、景気後退が一時的なものであるのか、それとも長期的なものになるのかを見極めようとするため、完全失業率は景気後退が始まってからしばらく経ってから上昇することがあります。 このように、遅行系列指標は、景気の変化が人々の心理や企業の行動に影響を与え、それが現実の経済活動に反映されるまでの時間差を反映しています。そのため、遅行系列指標は「景気の確認指標」とも呼ばれ、景気の方向性を確認するために役立ちます。
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景気動向指数を読み解く

- 景気動向指数とは景気動向指数は、私たちが日々実感する景気の良し悪しを、数字で客観的に捉えるための重要な指標です。内閣府が毎月発表しており、新聞やテレビなどのニュースでも頻繁に取り上げられます。この指数を参考に、政府は経済政策の方針を決定したり、企業は今後の事業計画を立てたりします。景気動向指数は、生産、消費、雇用、投資など、経済活動に関係する様々な指標を総合的に分析して算出されます。例えば、工場でどれだけモノが作られたかを示す鉱工業生産指数、デパートやスーパーの売上高を示す小売販売額、企業がどれだけ設備投資を行ったかを示す設備投資額などが、指数の算出に用いられます。これらの指標は、それぞれ景気に敏感に反応する先行指標、景気の動きとほぼ同じタイミングで変動する一致指標、景気の動きに遅れて変動する遅行指標に分類されます。景気動向指数は、これらの指標を組み合わせることで、現在の景気がどの段階にあるかを判断するために用いられます。景気動向指数は、私たち一人ひとりの生活にも密接に関わっています。この指数を理解することで、経済の動向を的確に把握し、より良い将来設計を描くことができるでしょう。