企業年金における「運用の基本方針」とは?
- 運用の基本方針の必要性確定給付企業年金や厚生年金基金といった企業年金制度は、従業員が安心して老後の生活を送れるよう、企業が将来の給付を約束する制度です。将来の給付を確実に行うためには、あらかじめ決められた運用利回り(予定運用利回り)を確保する必要があります。しかしながら、年金制度を取り巻く経済環境や市場の動きは常に変化しており、予測することは容易ではありません。そこで、効率的かつ安定的に年金資産を運用し、予定運用利回りを達成するためには、長期的な視点に立った戦略的な資産運用が欠かせません。そして、その土台となるのが「運用の基本方針」です。「運用の基本方針」は、年金資産の運用目標や運用期間、リスク許容度などを明確化し、長期的な視点に立った運用戦略を策定するための羅針盤となります。具体的には、「運用の基本方針」では、運用目標としてどれくらいの利回りを目指すのか、どれくらいの期間で運用するのか、リスク許容度としてどれくらいの損失の可能性までなら許容できるのかなどを明確にします。そして、これらの要素を踏まえ、国内外の株式や債券、不動産など、どのような資産にどのような割合で投資していくのかといった基本的な方針を定めます。このように、「運用の基本方針」を策定し、それに基づいて運用を行うことは、年金資産の運用を効率的かつ安定的に行い、長期的な視点で予定運用利回りの達成を目指す上で非常に重要です。