量的緩和

経済の用語

金投資とバーナンキ元FRB議長

- バーナンキ氏とはベン・バーナンキ氏は、アメリカで生まれ育った経済学者です。世界全体の経済の動向を研究するマクロ経済学の分野において、世界的に認められた権威です。彼は、2006年から8年間、アメリカの中央銀行にあたる連邦準備制度理事会(FRB)の議長を務めました。これは、日本の日本銀行の総裁に相当する、大変重要な役職です。 バーナンキ氏が議長に就任した直後、世界は1929年の世界恐慌以来の大きな不況に見舞われました。 きっかけは、アメリカの住宅価格が暴落し、多くの人が住宅ローンを返済できなくなったことでした。そして、このアメリカの住宅市場の問題は、世界中に連鎖的に波及し、世界金融危機を引き起こしたのです。 この未曾有の危機に対し、バーナンキ氏は従来の金融政策の常識にとらわれず、思い切った対策を次々と打ち出しました。 例えば、市場に大量のお金を供給することで、景気を下支えしようとする「量的緩和政策」は、バーナンキ氏の代表的な政策の一つです。 これらの政策は、世界経済の回復に大きく貢献したと評価されています。バーナンキ氏の功績により、世界は再び経済成長の軌道に乗ることができたと言えるでしょう。
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日銀当座預金残高とは?

私たちが日々の生活の中で銀行にお金を預けるように、金融機関もまた、円滑に業務を行うため、日本銀行に特別な口座を持っています。私たちが利用する預金口座と似たようなものですが、金融機関専用の口座であるため、「日銀当座預金口座」と呼ばれています。 金融機関は、この口座を通じて、顧客からの預金の受け入れや貸出、他の金融機関との資金決済など、様々な業務を行っています。私たちが預けたお金も、最終的には金融機関の日銀当座預金口座に集約され、そこからまた貸出などを通じて社会に循環していくのです。 この口座にどれだけの資金があるのかを示す数値が、「日銀当座預金残高」です。日銀当座預金残高は、金融市場の流動性を測る上で重要な指標の一つとされており、日本銀行は金融政策の一環として、この残高を調整することで、市場全体の資金量をコントロールしています。
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経済成長の起爆剤となるか?異次元緩和を解説

- 異次元緩和とは何か2013年から日本銀行が導入した金融緩和策を「異次元緩和」と呼びます。これは、従来の金融緩和策と比べて、規模や対象範囲が桁違いに大きく、大胆な政策であることから、このように呼ばれています。当時の日本は、長年にわたる物価の下落や経済の低迷といった「デフレ」と呼ばれる状況に苦しんでいました。そこで、当時の安倍晋三首相が掲げた経済政策「アベノミクス」の三つの柱の一つとして、この異次元緩和が実施されました。デフレから脱却し、物価を上昇させ、力強い経済成長を実現することを目指したのです。では、具体的にどのようなことを行ったのでしょうか。従来の金融緩和策は、主に政策金利の調整によって、世の中に出回るお金の量を調節していました。しかし異次元緩和では、日本銀行が供給するお金の量そのもの(マネタリーベース)を大幅に増やすことを目標としました。また、従来は国債を中心に購入していましたが、異次元緩和では、ETF(上場投資信託)やJ-REIT(不動産投資信託)といった、株式や不動産に投資する金融商品も積極的に購入対象としました。このように、異次元緩和は、お金の量を増やす「量的緩和」と、購入対象を広げる「質的緩和」を組み合わせることで、より大きな効果を狙った政策といえます。