金利

指標

世界経済の基準金利LIBORとは?

- LIBORの概要LIBORは、London Interbank Offered Rateの略称で、日本語では「ライボー」と読みます。これは、ロンドン市場において、銀行が他の銀行に対して資金を貸し出す際の金利を示す指標です。 毎日、世界の主要な銀行から提示される金利をもとに算出され、米ドルや日本円、ユーロなど、主要な通貨ごとに異なる金利が公表されます。 LIBORは、世界中の金融取引において非常に重要な役割を果たしており、変動金利型住宅ローンや企業融資、デリバティブ取引など、様々な金融商品の金利設定の基準として広く利用されています。 例えば、変動金利型住宅ローンの金利は、「LIBOR+○○%」といった形で設定されることが一般的です。つまり、LIBORが変動すると、住宅ローンの金利も変動することになります。 このように、LIBORは世界経済に大きな影響力を持つ金利指標であるため、その動向は常に注目されています。
経済の用語

金融政策の要!公定歩合を解説

- 公定歩合とは 銀行は、私たち預金者から預かったお金を企業に貸し出すことで利益を得ています。預金者は必要な時にいつでも預金を引き出せる一方で、企業への融資はすぐに現金化できないため、銀行は常に資金繰りに気を配る必要があります。 もしも銀行の手元資金が不足し、他の銀行からの借り入れでも資金を賄えない場合、最終手段として「日本銀行」からお金を借りることができます。この日本銀行からの借り入れに適用される金利が「公定歩合」です。 公定歩合は、いわば「金利の目安」となる重要な指標です。公定歩合が上がると、銀行が日本銀行からお金を借りる際の負担が大きくなるため、他の銀行への貸出金利も上昇する傾向にあります。逆に、公定歩合が下がると、銀行の資金調達コストが減り、貸出金利も低下しやすくなります。 このように、公定歩合は銀行の資金運用や企業の資金調達に影響を与えるだけでなく、私たちの暮らしにも間接的に影響を与えているのです。
経済の用語

経済を動かす「公定歩合政策」

- 公定歩合政策とは日本の中央銀行である日本銀行は、景気を調整するために様々な政策を行っています。その中でも代表的なものの一つが、「公定歩合政策」です。この政策は、一体どのような仕組みで私たちの経済活動に影響を与えるのでしょうか?まず、「公定歩合」とは、日本銀行が一般的な銀行にお金を貸し出す際の金利のことです。銀行は、私たちにお金を貸し出すための資金が不足すると、日本銀行からお金を借ります。この時、銀行は日本銀行に対して、借りたお金の額に応じて「公定歩合」で決められた利息を支払わなければなりません。日本銀行は、景気を刺激したい時にはこの「公定歩合」を引き下げます。金利が低くなれば、銀行はより低コストでお金を借りられるようになり、その結果、企業や私たち個人も、銀行からより低金利でお金を借りやすくなるのです。お金が借りやすくなれば、企業は新たな事業を始めやすくなり、私たちも車や家などの大きな買い物がしやすくなります。このように、世の中に出回るお金の量が増えることで、経済活動が活発化すると期待されます。反対に、景気が過熱しすぎている時には、「公定歩合」を引き上げます。金利が上がると、銀行がお金を借りるコストが増加し、その結果、企業や個人が銀行からお金を借りる際の金利も上昇します。お金を借りるための負担が大きくなれば、自然と借り控えが起こり、世の中に出回るお金の量が減ることで、過熱した景気を抑制する効果が期待できます。
経済の用語

金融市場の要!公開市場操作とは?

- 公開市場操作の仕組み日本銀行は、私たちが日々利用するお金の量を管理し、経済の安定化を図る役割を担っています。そのための重要な手段の一つが「公開市場操作」です。公開市場操作とは、日本銀行が民間金融機関を相手に、主に国債や手形の売買を行うことで、市場に流通するお金の量を調整する仕組みです。イメージとしては、蛇口から出る水の量を調整するように、市場にお金を供給したり、吸収したりする作業と言えるでしょう。日本銀行が国債を買い入れると、その代金が民間金融機関に渡り、市場に流通するお金の量が増加します。金利は低下し、企業はよりお金を借りやすくなるため、設備投資や雇用が促進され、景気が良くなる効果が期待できます。逆に、日本銀行が国債を売却すると、民間金融機関からお金が吸収され、市場に流通するお金の量は減少します。金利は上昇し、企業はむやみにお金を借りることが難しくなります。このため、過熱した景気を抑制する効果が期待できます。このように、日本銀行は公開市場操作を通じて、経済状況に合わせて市場のお金の量を調整し、物価の安定や経済の健全な成長を目指しているのです。
株式投資

貸株取引の裏側:貸株代り金金利とは?

株式投資をする際、私たちは証券会社に売買の注文を出します。通常、この注文はスムーズに処理されますが、証券会社が顧客からの注文に対応できるだけの株式を保有していない場合があります。このような場合に、証券会社が一時的に株式を調達する方法の一つとして「貸株取引」があります。 貸株取引とは、証券会社が他の金融機関から株式を借りてきて、顧客の注文に応じる取引のことを指します。顧客は自分が借りてきた株だと意識することなく、通常の取引と同じように売買を行うことができます。 では、証券会社はどのようにして株式を借りてくるのでしょうか? 実は、証券会社は株式を貸し出す代わりに、担保として現金を預けています。この担保として預け入れる現金を「貸株代り金」と呼びます。貸株代り金は、借りた株式の価格変動リスクなどを考慮して、貸株残高の一定割合(通常は100%以上)が預け入れられます。 貸株取引は、証券会社が円滑に顧客の注文を処理し、株式市場全体の流動性を高めるために重要な役割を担っています。
経済の用語

為替相場に影響?FOMCって結局何?

- アメリカの金融政策を決めるFOMCとは FOMCとは、Federal Open Market Committee(連邦公開市場委員会)の略称で、アメリカの中央銀行にあたる連邦準備制度理事会(FRB)において、金融政策を決定する最高意思決定機関です。日本で例えるならば、日本銀行の金融政策決定会合に相当し、為替市場に関心の高い方であれば、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。 FOMCは、年に8回開催され、アメリカの経済状況を分析し、物価の安定と雇用の最大化を目標に、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標や、量的緩和などの金融政策を決定します。このFF金利は、銀行間で短期の資金を貸し借りする際の基準となる金利であり、住宅ローンや企業融資など、様々な金利に影響を与えます。 FOMCの決定は、アメリカ国内だけでなく、世界経済にも大きな影響を与えます。例えば、FF金利が引き上げられると、ドル建て資産の魅力が増すため、ドル高が進む傾向にあります。また、アメリカの金利上昇は、世界的な資金調達コストの上昇につながり、新興国経済に悪影響を与える可能性もあります。このように、FOMCは、世界経済の安定に重要な役割を担っていると言えるでしょう。
経済の用語

金融政策の要!FFレートをわかりやすく解説

- FFレートとはFFレートは、正式にはフェデラル・ファンド・レートと呼ばれ、アメリカの金融政策において中心的な役割を果たす重要な金利です。アメリカの銀行は、預かったお金の一部を準備預金として中央銀行に預け入れることが義務付けられています。銀行は、この準備預金額を上回る資金を保有している場合、他の銀行に対して資金を貸し出し、利息を得ることができます。FFレートは、まさにこの銀行間で行われる資金貸借の際に適用される金利のことを指します。銀行間での資金の貸し借りは、翌日返済を条件とする短期の取引で行われることが一般的です。そのため、FFレートは実質的に翌日物の金利として認識されています。FFレートは、アメリカの金融市場全体の短期金利の指標として広く利用されており、その変動は株式や債券など、幅広い金融商品に影響を与えます。さらに、FFレートはアメリカの金融政策を反映する重要な指標の一つとして、FRB(連邦準備制度理事会)が政策金利として誘導目標を設定しています。
経済の用語

FF市場:銀行間のお金のやり取り

- FF市場とはFF市場とは、フェデラル・ファンド・マーケットの日本語の略称で、銀行同士がごく短期間だけお金を貸し借りする市場のことを指します。銀行は、私たち預金者から預かったお金を企業への融資などに活用していますが、法律で定められた預金準備率に基づき、預金の一定割合以上を日本銀行に預け入れる必要があります。 日々の銀行業務の中で、企業への融資や預金の払い出しが重なると、この日本銀行に預けている預金残高が不足してしまうことがあります。このような場合、銀行は他の金融機関から不足資金を借り入れて預金残高を調整します。FF市場は、まさにこの銀行間で資金を貸し借りする場として重要な役割を担っているのです。 FF市場での貸し借りの期間は非常に短く、翌日返済が一般的です。そのため、FF市場で取引される金利は、短期金融市場全体の指標として注目されています。
債券投資

固定金利と変動金利:どちらを選ぶ?

お金を借りたり、運用したりする際には、「金利」は切っても切り離せない要素です。銀行預金に預けたお金は、金利という形で私たちに利益をもたらしますし、住宅ローンを組めば、借りたお金に対して金利を支払う義務が生じます。 この金利には、「固定金利」と「変動金利」の2つのタイプが存在します。固定金利とは、契約時に決めた金利が、契約期間中は変わらず適用されるものです。例えば、住宅ローンの金利を固定金利に設定した場合、返済期間中に市場の金利が上昇したとしても、当初の契約通りの低い金利で返済を続けることができます。その反面、市場金利が大きく下落した場合でも、低い金利の恩恵を受けることはできません。 一方、変動金利は、市場金利の動きに合わせて、金利が見直される仕組みです。そのため、市場金利が上昇すれば、それに伴い返済額も増加する可能性があります。逆に、市場金利が下落すれば、返済額が減少する、あるいは返済期間を短縮できる可能性もあります。このように、変動金利は市場金利の影響を直接受けるため、リスクとリターンの両面を考慮する必要があります。
その他

元利均等償却とは?仕組みとメリットをわかりやすく解説

- 元利均等償却の概要元利均等償却とは、住宅ローンなどで一般的に用いられる返済方法の一つです。この方法では、借り入れたお金の元金と利息を合わせた総返済額を、返済期間全体で均等になるように分割します。毎月の返済額は、元金と利息の合計で構成されます。元利均等償却の最大の特徴は、毎月の返済額が一定である点です。そのため、家計管理がしやすいというメリットがあります。毎月決まった金額を返済していくため、無理なく返済計画を立てることができます。一方で、返済当初は元金よりも利息の割合が多いため、元金の減りが緩やかになるという側面もあります。しかし、時間経過とともに徐々に元金の割合が増えていくため、最終的には全額返済することができます。元利均等償却は、安定した収入がある方や、返済計画を立てやすくしたい方に向いている返済方法と言えるでしょう。
経済の用語

金融市場の基礎: フェッド・ファンド市場とは

- フェッド・ファンド市場の概要フェッド・ファンド市場は、金融機関同士がお互いに資金を貸し借りする市場です。この市場の特徴は、資金の貸し借りの期間が一夜限り、つまり翌日返済となることです。銀行は、預金準備率の維持や短期的な資金調整のために、このフェッド・ファンド市場を頻繁に利用しています。銀行は、日々、預金者から預け入れられたお金の一部を中央銀行に預け入れることが義務付けられています。これが預金準備率です。預金残高が変動し、預金準備率を満たせなくなる場合、銀行はフェッド・ファンド市場で不足分の資金を他の金融機関から借り入れることで対応します。逆に、資金に余裕のある銀行は、フェッド・ファンド市場で他の金融機関に資金を貸し出すことで収益を得ることができます。フェッド・ファンド市場での金利は、フェッド・ファンド金利と呼ばれ、市場の需給バランスによって日々変動します。中央銀行は、このフェッド・ファンド金利を政策金利として扱い、金融政策の手段として利用しています。中央銀行がフェッド・ファンド金利を引き上げると、銀行が資金を借り入れるコストが上昇するため、市場全体の資金供給量が抑制されます。逆に、フェッド・ファンド金利を引き下げると、銀行が資金を借り入れやすくなるため、市場全体の資金供給量が拡大します。このように、フェッド・ファンド市場は、金融システム全体の流動性を調整する上で重要な役割を担っています。
経済の用語

アメリカの金融政策の要!フェデラル・ファンド金利とは?

アメリカ経済のかじ取り役であるFRB(連邦準備制度理事会)は、経済状況をみながら金融政策を調整しています。景気が過熱して物価が上がりすぎれば金利を引き上げ、逆に景気が冷え込んで物価が上がらなければ金利を引き下げます。 FRBには、雇用の最大化、物価の安定、長期金利の安定という3つの政策目標がありますが、特に重要なのが物価の安定です。物価が大きく変動すると、経済が不安定になり、人々の生活にも悪影響が及ぶからです。 FRBは、物価の安定を図るために政策金利という手段を用います。政策金利にはいくつか種類がありますが、代表的なものがフェデラル・ファンド金利(FF金利)です。FF金利は、銀行同士が短期の資金を貸し借りする際の金利のことであり、FRBはこのFF金利を操作することで、市場全体の金利水準に影響を与えています。 FF金利が上昇すると、企業や家計にとって資金調達コストが増加するため、設備投資や個人消費が抑制され、物価上昇の勢いが減速する効果があります。逆にFF金利が低下すると、企業や家計にとって資金調達コストが低下するため、設備投資や個人消費が促進され、物価上昇率が上昇する効果があります。 このようにFF金利は、FRBが金融政策を行う上で重要な役割を担っており、アメリカ経済ひいては世界経済に大きな影響を与えているため、常に注目が集まっています。
株式投資

融資金利とは?仕組みと投資への影響を解説

- 融資金利の概要株式投資をする際、投資家はその資金を証券会社に預託し、株式の売買を委託します。しかし、預託された資金は証券会社が直接株式購入に充てるのではなく、証券金融会社から資金を借り入れて運用を行うことがあります。この時、証券会社が証券金融会社に対して支払う金利が「融資金利」と呼ばれます。融資金利は、市場の需給関係によって日々変動します。株式市場全体が活況で多くの資金需要が発生している場合は、融資金利は上昇する傾向にあります。逆に、市場が低迷し資金需要が減少すると、融資金利は低下する傾向にあります。投資家にとって、融資金利は無視できない要素の一つです。なぜなら、融資金利は投資家の売買手数料に直接影響を与える可能性があるからです。証券会社は、顧客から受け取る売買手数料の一部で融資金利を賄っています。そのため、融資金利が上昇すると、証券会社は手数料を引き上げる、あるいはサービス内容を見直すなどして、その費用を顧客に転嫁せざるを得ない状況も考えられます。融資金利は、株式市場全体の動向を反映する指標の一つとも言えます。日々の融資金利の動きを注視することで、市場全体の資金需要や投資家心理をある程度把握することが可能となるでしょう。
債券投資

債券投資の落とし穴!金利変動リスクを理解しよう

債券投資は、国や企業にお金を貸し付け、その対価として利息を受け取る投資方法です。株式投資と比較して価格変動が少なく、安定した収益を得られることから、堅実な資産運用を望む投資家に人気があります。 債券の魅力は、大きく分けて二つあります。一つ目は、定期的に利息を受け取れることです。債券は発行時にあらかじめ利息の支払日と金額が決まっているため、安定した収入源として考えることができます。二つ目は、株式投資に比べて価格変動リスクが低い点です。債券は満期が来れば、原則として額面価格で償還されます。そのため、発行体の信用度が高く、満期までの期間が短ければ、価格変動は小さくなります。 特に、国が発行する国債は、国の信用力に裏付けられているため、他の債券と比較して元本が保証されているとみなされ、非常に低いリスクで運用できます。そのため、多くの投資家が安心して資金を投じています。
経済の用語

名目金利と実質金利:お金の増減を考える

お金を銀行に預けたり、逆に借りたりする際には、必ず「金利」が発生します。この金利は、お金を「運用する」と考えるとイメージしやすいかもしれません。 銀行は、預かったお金を企業への融資や国債の購入など、様々な方法で運用し、利益を得ています。その利益の一部が、預金者への金利として支払われます。金利は、預けたお金を一定期間銀行に預けることで、銀行がそのお金を運用した対価として受け取る報酬のようなものです。 預金金利は、預ける期間が長くなるほど、また預ける金額が大きくなるほど高くなるのが一般的です。また、世の中の景気が良くて企業がお金を借りやすくなっている状況では、銀行はより積極的に運用を行うため、預金金利も高くなる傾向があります。 一方、お金を借りる場合、金利は「借りたお金の使用料」となります。銀行からお金を借りると、借りた金額に加えて、金利を上乗せして返済する必要があります。金利の高さは、借入期間や借入金額、そして個人の信用情報などによって異なります。一般的に、借入期間が長くなるほど、借入金額が大きくなるほど、金利は高くなります。また、過去の返済状況が悪く信用情報が低い場合は、高い金利が適用される可能性があります。
経済の用語

金融の基礎知識:無担保コール翌日物金利とは?

私たちが普段利用している銀行は、預金を集めて企業や個人にお金を貸し出すことで利益を得ています。銀行は預かっているお金を元手に、住宅ローンや事業資金などを貸し出し、その利息で収益を上げています。しかし、銀行といえども、毎日必ず資金に余裕があるとは限りません。例えば、給料日など特定の日に預金の払い戻しが集中すると、その分貸し出しに回せるお金が減ってしまいます。また、企業からまとまった融資の申し込みがあった場合など、手持ちの資金だけでは足りないという事態も起こりえます。 このような場合、銀行はどのように対処するのでしょうか? 実は、銀行同士で短期間でお金を貸し借りすることで、資金の過不足を調整しています。銀行間で翌日返済の約束でお金を貸し借りする市場を「コール市場」と呼びます。銀行は、コール市場を通じて資金を調達することで、急な預金の払い戻しや融資の申し込みにも対応できるのです。私たちが安心して銀行を利用できるのも、このような銀行間の資金調達システムがあるからこそと言えるでしょう。
経済の用語

無担保コールレートとは?

- 無担保コールレートの概要銀行などの金融機関は、日々多くのお金の出し入れを行っています。預金者が預金を引き出したり、企業への融資を行ったりと、その金額は膨大です。このような業務を行う中で、金融機関は、預金の受け入れと貸し出しのバランスを適切に保ち、安定的に資金を運用していく必要があります。このバランスを調整するために活用されるのが「無担保コール市場」です。無担保コール市場では、金融機関同士が担保なしで、ごく短期間(主に翌日返済)、資金を貸し借りしています。この際の金利を「無担保コールレート」と呼びます。翌日返済の取引が中心であることから、「オーバーナイト・コール・レート」とも呼ばれます。金融機関は、預金準備率などの規制により、一定割合以上の資金を日本銀行に預け入れる必要があります。日々の業務の中で資金が不足する場合には、この無担保コール市場で他の金融機関から資金を借り入れ、逆に資金が余剰している場合には、他の金融機関に貸し出すことで、効率的に資金調達や運用を行っています。このように、無担保コールレートは、金融機関の資金調達の短期的な指標となる重要な金利の一つと言えるでしょう。
債券投資

米国債投資:安全資産の運用とそのリスク

- 米国債とは米国債とは、アメリカ合衆国政府が資金調達のために発行する債券のことです。日本で国債と呼ばれるものと同様、アメリカ合衆国が発行体となる債券です。これは、投資家が米国政府にお金を貸し出し、その対価として利息を受け取るという仕組みになっています。そして、あらかじめ定められた償還日に、投資家には貸し出した元本が返済されます。米国債の魅力は、発行体がアメリカ合衆国政府であるため、他の債券と比較して元本が保証されているとみなされている点にあります。そのため、世界中から投資対象として人気を集めています。米国債には、償還日までの期間によっていくつかの種類があります。1年以内の短期債から、30年を超える長期債まで、様々な期間の米国債が発行されています。一般的に、償還日までの期間が長いほど、利息は高くなる傾向にあります。米国債は、株式などと比較して価格変動が小さいという特徴があります。そのため、リスクを抑えながら安定的に収益を得たい投資家に向いていると言えるでしょう。
経済の用語

規制金利とは何か?

- 規制金利の概要規制金利とは、政府や中央銀行といった公的機関が、政策的な意図を持って決定する金利のことです。銀行同士が短期的に資金を貸し借りする際の金利や、中央銀行が民間銀行にお金を貸し出す際の金利などがこれに該当します。 一方、市場の需要と供給によって自由に金利が変動するものを自由金利と呼びます。銀行が企業や個人に融資する際の金利などが代表的な例です。 規制金利は、経済活動の活性化や物価の安定化といった目的のために設定されます。例えば、景気が低迷している場合には、規制金利を引き下げることで、企業の投資や個人の消費を促進し、景気を刺激しようとします。逆に、物価が上昇している場合には、規制金利を引き上げることで、お金の流れを抑制し、物価の上昇を抑えようとします。 このように、規制金利は国の経済政策において重要な役割を担っています。規制金利の変更は、企業の資金調達や個人の住宅ローン金利にも影響を与えるため、経済状況を大きく左右する可能性があります。
経済の用語

経済の鍵!政策金利を解説

- 政策金利とは何か 経済は生き物のように常に変化しており、好景気と不景気を繰り返しています。 好景気には物価が上がりすぎたり、逆に不景気には物価が上がらなかったり、経済活動が停滞してしまいます。 このような経済の波を穏やかにし、安定した状態に導くために重要な役割を担っているのが中央銀行です。 そして、中央銀行が経済を調整するために用いるツールの1つが「政策金利」です。 政策金利とは、簡単に言うと中央銀行がお金を貸し借りする際の金利のことです。 この金利は、民間銀行がお金を貸し借りする際の基準となるため、経済全体に大きな影響を与えます。 例えば、中央銀行が政策金利を引き下げると、民間銀行もそれに合わせて金利を引き下げます。 すると、企業はお金を借りやすくなり、設備投資や事業拡大に積極的になるため、経済活動が活発化し、景気は上昇に向かいます。 逆に、中央銀行が政策金利を引き上げると、民間銀行も金利を引き上げます。 すると、企業はこれまで通りにお金を借りることが難しくなり、設備投資や事業拡大を控えるようになります。 その結果、経済活動は落ち着き、物価の上昇も抑制されます。 このように、中央銀行は政策金利という「道具」を使って、経済のアクセルとブレーキを調整し、私たちが穏やかで安定した生活を送れるように日々努力しているのです。
経済の用語

金融政策の要!基準割引率と基準貸付利率

- 金融政策の主役、日本銀行 私たちの暮らしは、日々変化する経済状況と密接に関わっています。 物価が上がれば生活は苦しくなり、逆に物価が下がりすぎても企業の活動が停滞し、賃金低下や失業につながる可能性があります。 このような経済の波を穏やかにし、私たちが安心して暮らせるように、陰ながら尽力しているのが日本銀行です。 日本銀行は「中央銀行」とも呼ばれ、政府とは独立した立場で金融政策を担っています。 金融政策とは、一言で言えば「お金の流れを調整すること」です。 景気が過熱して物価が上がりすぎそうなときは、お金の流れを抑制して景気を落ち着かせる「金融引き締め」を行います。 具体的には、政策金利を引き上げたり、市中に出回るお金の量を減らすなどの方法がとられます。 逆に、景気が冷え込んで物価が下がりすぎそうなときは、「金融緩和」によってお金の流れを活発化させ、景気を刺激します。 政策金利の引き下げや、市中に出回るお金の量を増やすなどがその代表例です。 このように、日本銀行は金融政策を通じて、 「物価の安定」と「国民経済の健全な発展」という重要な役割を担っているのです。
経済の用語

金利上昇のサイン?スティープ化を解説

お金を借りると、当然ながら利子が発生します。利子の金額は、借入期間が長くなるほど高くなるのが一般的です。これは、長期間お金を貸す側にとっては、その間の経済状況の変化や、貸したお金が返ってこなくなるリスクなど、様々な不確定要素を考慮する必要があるからです。 この、お金を借りる期間と利子の関係を分かりやすくグラフにしたものが「イールドカーブ」です。グラフは縦軸に利子の高さ、横軸に借入期間をとり、一般的には右肩上がりの曲線を描きます。 イールドカーブは、経済の将来予測にも役立ちます。例えば、将来の金利上昇が見込まれる場合は、資金を長期に渡って運用したいという投資家が増え、長期金利が上昇します。すると、イールドカーブはより急な右上がりの形になります。逆に、景気後退が予想される場合は、将来の金利低下を見込んで、短期的な資金運用が中心となり、短期金利が相対的に高くなります。このような場合は、イールドカーブは緩やかな右上がり、もしくは平坦になることがあります。 このように、イールドカーブは、一見複雑な金利と期間の関係を視覚的に理解するだけでなく、経済動向を予測する上でも重要な指標となっています。
指標

外貨預金とライボーの関係

- 外貨預金とは外貨預金とは、普段使い慣れている円ではなく、アメリカドルやユーロといった外国のお金で預金することを指します。銀行に預けたお金を、まるで外国為替取引のように、円からドル、ドルから円といった具合に交換して運用するイメージです。外貨預金の最大の魅力は、円預金よりも高い金利が期待できる点です。低金利が続く日本では、少しでも有利にお金を増やしたいと考える人にとって魅力的な選択肢となりえます。さらに、預けている外貨の価値が円に対して上昇した場合、為替差益を得られる可能性もあります。例えば、1ドル100円の時に預けたドルが、1ドル110円になったとします。この場合、円に換算すると10%の利益が出ることになります。しかし、為替レートは常に変動するものであり、リスクも伴います。預け入れた時よりも円安が進み、円換算で元本が減少してしまう可能性も考慮しなければなりません。例えば、1ドル100円の時に預けたドルが、1ドル90円になった場合、円に換算すると10%の損失が出てしまいます。このように、外貨預金は円預金よりも高い収益を狙える一方、為替変動リスクも大きい金融商品です。外貨預金を検討する際は、メリットだけでなくリスクもしっかりと理解しておくことが重要です。
FX

為替取引の基本:ショートポジションとは?

- ショートポジションとは投資の世界では、将来の価格上昇を見込んで資産を購入する「買い」だけでなく、価格の下落を見込んで資産を売却する「売り」からも取引を始めることができます。この「売り」から入る取引を「ショートポジション」または「ショート」と呼びます。例えば、あなたが現在1ドル100円の時に、将来ドル安が進むと予想し、円高になることで利益を狙いたいとします。この場合、ドル円の取引でドルショートのポジションを持つことが考えられます。具体的には、まずあなたが保有する円を担保に、金融機関などからドルを借りてきます。そして、借りたドルを1ドル100円で売却します。その後、予想通りドル安が進み、1ドル90円になったとします。この時、安くなったドルを90円で買い戻し、最初に借りていたドルを返済します。この取引では、最初に100円で売って90円で買い戻したので、1ドルあたり10円の差額が生じます。これが利益となります。このように、ショートポジションは将来の価格下落を見込んで取引を行い、予想が当たれば利益を獲得できる投資戦略です。ただし、ショートポジションは損失が無限に膨らむリスクも抱えています。なぜなら、理論上は価格が上昇し続ける可能性があるからです。そのため、ショートポジションを取る際には、リスク管理を徹底する必要があります。