金価格に影響?中央銀行金協定とは
欧米の中央銀行は、莫大な量の金を保有しています。その量は、外貨準備高全体の約35%にも達します。これは、19世紀に主流であった金本位制の名残と言えます。
金本位制とは、各国の通貨を金と交換することを保証する制度でした。この制度の下では、通貨の価値は金の量によって裏付けられていました。そのため、各国は自国通貨の信認を保つために、金準備を積み増す必要がありました。
しかし、20世紀に入ると、2度の世界大戦やオイルショックなどの影響で、金本位制は崩壊へと向かいます。現在では、主要国の通貨は管理通貨制度に移行し、金の保有量と通貨の価値は直接的には結びついていません。
そのため、かつては通貨の信認を支えるために必要不可欠であった膨大な金準備は、現在ではその役割を失いつつあります。一部の経済学者からは、金準備は保有コストがかかるだけで、過剰な資産であるとの指摘も出ています。