金融危機

経済の用語

金融システムの安定を脅かす、システミック・リスクとは?

私たちの経済活動は、銀行や証券会社といった金融機関が日々滞りなく業務を行うことで成り立っています。預金や融資、証券取引など、金融機関は私たちの生活と経済の血液とも言えるお金の流れを支える重要な役割を担っています。 しかし、金融機関は決して無敵ではありません。世界経済の変動や経営の失敗など、様々な要因によって金融機関が破綻してしまうリスクは常に存在します。問題は、ある一つの金融機関の破綻が、まるでドミノ倒しのように他の金融機関の破綻を引き起こし、最終的には金融システム全体を麻痺させてしまう可能性があることです。これを「システミック・リスク」と呼び、世界経済を揺るがす大きなリスクとして近年特に注目されています。 金融システムが麻痺してしまうと、私たちの生活にも大きな影響が出ます。預金を引き出せなくなったり、ローンが組めなくなったり、企業は資金調達ができなくなり事業の継続が困難になるなど、経済活動全体が停滞してしまう可能性があります。 世界各国の中央銀行や金融監督機関は、このシステミック・リスクを抑制するために様々な対策を講じています。金融機関の経営状況を厳しく監視したり、国際的なルールを強化することで、金融システムの安定化を図っています。 私たちも、日頃から金融に関する知識を深め、リスクを理解しておくことが大切です。
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サブプライムローンとは?仕組みとリスクを解説

近年、日本では住宅を取得することが難しいと感じる人が増えているようです。住宅ローンは、長期間にわたる多額の借入となるため、金融機関は融資する際に申込者の返済能力を厳しく審査します。この審査基準を満たすことができず、住宅ローンの利用を断られてしまうケースも少なくありません。 特に、過去に金融事故を起こした経験があったり、収入が不安定であったりする方は、信用力が低いと判断され、住宅ローンの審査が通りにくい傾向にあります。このような方々を対象とした住宅ローンが、アメリカで広まった「サブプライムローン」です。 サブプライムローンは、一般的な住宅ローンよりも高い金利設定となっている点が特徴です。これは、信用力の低い方への融資には、貸し倒れのリスクがつきものだからです。金融機関は、高い金利を設定することで、貸し倒れによる損失を補填しようとします。 しかし、サブプライムローンは、返済の負担が大きくなってしまい、結果的に返済が滞ってしまう可能性もはらんでいます。アメリカでは、サブプライムローンの焦げ付きが社会問題に発展したケースもあり、安易に利用することは避けるべきです。