金融

経済の用語

預金準備率とは?仕組みと経済への影響

- 預金準備率の概要預金準備率とは、私たちが銀行に預けたお金のうち、銀行が日本銀行に預け入れなければならない割合のことです。これは、銀行がお金を貸し出す際に、一定の割合を日本銀行に預けることで、銀行システム全体の安定を図るための仕組みです。 例えば、預金準備率が20%だとしましょう。私たちが銀行に100万円を預けると、銀行はその20%にあたる20万円を日本銀行に預け入れなければなりません。残りの80万円は、企業への融資や住宅ローンの貸付など、様々な用途に使うことができます。 預金準備率は、日本銀行が経済状況に応じて調整します。景気を刺激したい場合は預金準備率を引き下げ、銀行がより多くのお金を貸し出せるようにします。逆に、景気が過熱している場合は預金準備率を引き上げ、銀行の貸出を抑制します。このように、預金準備率は金融政策の重要な手段の一つとなっています。
経済の用語

お金を預ける場所: 預金取扱機関を理解する

- 預金取扱機関とは何か私たちが日常的に利用する銀行や信用金庫、郵便局などは、預金取扱機関と呼ばれています。これらの機関は、私たちの預金を預かり、安全に保管する役割を担っています。預金には、普通預金や定期預金など、様々な種類があります。預金取扱機関は、預かったお金をそのまま保管しているわけではありません。預かったお金は、企業への融資や国債の購入など、様々な形で運用されています。企業は、預金取扱機関からお金を借りることで、事業を拡大したり、新しい商品やサービスを開発したりすることができます。また、国は、国債を発行することで、道路や橋などの公共事業に必要な資金を調達しています。預金取扱機関は、このように預かったお金を運用することで、経済活動を支える役割も担っているのです。預金取扱機関は、預金の運用によって得られた利益から、預金者に金利を支払います。また、預金取扱機関は、企業などに融資を行う際に、利息を受け取ります。預金金利と貸出金利の差額が、預金取扱機関の主な収益源となっています。預金取扱機関は、収益を上げることで、安定した経営を維持し、預金者の預金を保護しています。
その他

ネゴシエーション:輸出代金回収の強い味方

- 交渉とは何か 交渉とは、お互いの意見や立場を主張し合いながら、合意形成を目指すことを指します。ビジネスシーンから日常生活まで、あらゆる場面で必要とされるコミュニケーションスキルの一つです。 例えば、商品の売買契約を結ぶ場面を考えてみましょう。売り手は少しでも高い値段で売りたい、買い手は少しでも安く買いたいという思惑があります。そこで、お互いの希望する価格や条件を提示し、妥協点を探りながら交渉を進めていきます。 交渉は、単に自分の主張を通すのではなく、相手の立場や状況を理解し、双方にとって納得のいく解決策を見出すことが重要です。そのためには、事前に十分な準備を行い、冷静かつ丁寧に交渉に臨む必要があります。 交渉は、人間関係を築き、より良い結果を生み出すための大切な手段です。日頃から交渉術を磨くことで、ビジネスやプライベートで円滑なコミュニケーションを実現できるでしょう。
経済の用語

企業の成長を支える「与信業務」

- 与信業務とは企業がお金を貸したり、商品を後払いで販売したりする際には、必ず「貸したお金がきちんと返ってくるのか」「売った商品の代金をきちんと支払ってもらえるのか」という不安がつきまといます。企業にとって、お金の流れはまさに血液のようなものです。どんなに素晴らしい商品やサービスを生み出しても、販売した代金を回収できなければ、事業を継続することはできません。そこで、企業は取引を始める前に、取引相手の財務状況や信用情報を調査し、お金を貸しても大丈夫かどうか、後払いで商品を販売しても大丈夫かどうかを判断します。これが「与信業務」です。与信業務では、企業は決算書などの財務情報や、過去の取引履歴、外部の信用情報機関の情報などを分析し、総合的に判断を行います。この調査によって、取引相手が経済的に安定しているのか、支払い能力に問題はないのかを見極めるのです。与信業務は、企業が貸し倒れのリスクを最小限に抑え、安定した経営を続けるために非常に重要な役割を担っています。 企業は、与信業務を通じて健全な取引を行い、経済活動を円滑に進めていくことが求められます。
債券投資

ABS投資の基礎知識

ABSとはABSは、Asset Backed Securitiesの略で、日本語では「資産担保証券」といいます。企業が発行する債券には、事業で得た利益を投資家に分配するものもありますが、ABSは少し違います。特定の資産から生まれる将来の収入を裏付けとして発行される証券です。例えば、住宅ローンや自動車ローン、クレジットカードの返済金などがその資産にあたります。これらの資産から生み出されるお金の流れを「キャッシュフロー」と呼びます。例えば、住宅ローンを担保にしたABSを考えてみましょう。住宅ローンを組んだ人は、毎月、住宅ローンを返済していきます。この返済金の一部が、ABSを購入した投資家に分配される仕組みです。つまり、ABSを購入するということは、その裏付けとなっている資産が生み出す将来のキャッシュフローに投資していると言えるのです。債券と似たようなものですが、裏付けとなるものが将来の事業収益ではなく、特定の資産から生まれる収入であるという点がABSの特徴です。
投資信託

投資の基礎知識:契約型投資信託とは?

投資信託は、多くのお金を出し合ってひとまとめにし、運用の専門家が様々な資産に投資する金融商品です。一言で投資信託といっても、実際にはいくつかの種類があります。 代表的なものは、契約型投資信託と会社型投資信託です。この二つは、投資信託を設定する際の形態が異なります。 契約型投資信託は、運用会社と投資家が投資信託の運用に関する契約を結ぶことで成立します。この場合、投資信託自体には法人格がありません。一方、会社型投資信託は、投資信託自体が株式会社として設立されます。 日本では、一般的に投資信託と呼ばれるものは、ほとんどが契約型投資信託を指します。契約型投資信託は、会社型投資信託に比べて、設定や運用がしやすいという特徴があります。そのため、個人投資家向けに販売される投資信託の多くは、契約型投資信託として設定されています。
経済の用語

整理回収銀行とは?

1990年代後半、日本経済は深刻な不況に見舞われました。特に、1980年代後半のバブル経済期に、不動産や株への過剰な融資を行っていた金融機関は、その後の地価や株価の急落によって、回収の見込みが立たない不良債権を多額に抱え、経営が急速に悪化しました。そして、実際に破綻する金融機関も相次ぎました。 このような金融システム不安の状況下、国民の預金を守る預金者保護と、経済活動の基盤となる金融システムの安定を図ることが喫緊の課題となりました。 そこで、破綻した金融機関の抱える資産や債務を、国が設立した専門機関が引き取り、処理する仕組みが必要となりました。 こうして、1998年10月、破綻した2つの信用組合の業務を継承するために、東京共同銀行が設立されました。 この東京共同銀行が、後の整理回収銀行であり、現在の預金保険機構の前身となる機関です。
経済の用語

金融システムを守る整理回収機構

- 整理回収機構とは整理回収機構(RCC)は、日本の金融システムがスムーズに機能するように支えるために設立された独立行政法人です。銀行や信用金庫といった金融機関は、私たちにお金を貸したり、預かったりする役割を担っています。しかし、貸し出したお金が返ってこなくなる、つまり「不良債権」が発生することがあります。例えば、企業が倒産してしまい、融資していたお金が回収できなくなるケースなどが考えられます。もし、このような不良債権が金融機関にたくさん発生してしまうと、金融機関自身が経営困難に陥り、社会全体に大きな影響が及ぶ可能性があります。そこで、整理回収機構は、金融機関が抱える不良債権を買い取り、その回収を行うことで、金融システムの安定を図っています。整理回収機構は、不良債権を買い取るだけでなく、債務を抱える企業に対しては、経営の再建を支援することもあります。企業が再び成長軌道に乗ることで、雇用が守られ、経済活動が活性化するなど、社会全体への貢献を目指しています。このように、整理回収機構は、日本の金融システムの安定と、その先の私たちの暮らしを守るために重要な役割を担っていると言えるでしょう。