
資産運用と為替の関係
- 外貨預金のアセット・アプローチとは
外貨預金のアセット・アプローチとは、投資家や企業が保有する金融資産全体に目を向け、その時点における資産構成の変化を通して為替レートの変動を説明しようとする考え方です。
従来の為替レート決定理論では、貿易による収入や支出など、お金の流れの側面が重視されてきました。しかし、アセット・アプローチでは、株式や債券といった金融資産の保有状況という、お金のストックの側面を重視するのが特徴です。
世界経済のグローバル化が進むにつれて、投資家は様々な国の資産に投資するようになりました。金利や経済状況の変化によって、投資対象としての魅力度が変化すると、投資家はより高い収益を求めて資金を移動させます。このとき、為替市場において通貨の需要と供給の関係が変化し、為替レートが変動するのです。
例えば、日本の金利がアメリカの金利よりも低くなったとします。すると、アメリカの資産の方が魅力的になり、投資家は円を売ってドルを買い、アメリカの資産に投資しようとします。この結果、ドルの需要が高まり、円安・ドル高が進むと考えられます。
このように、アセット・アプローチは、金融資産の保有状況という観点から為替レートの変動を説明するものであり、近年の為替市場の動向を理解する上で重要な考え方となっています。