非競合性

経済の用語

非競合性:みんなが使えるものの価値

- 非競合性とは非競合性とは、ある人が財やサービスを消費しても、他の人の消費量に影響を与えない性質を指します。つまり、一人が利用しても、それがなくなるわけではなく、同時に多くの人が利用できるものを意味します。これは、経済学、特に公共財の議論において重要な概念です。例えば、美しい夕焼けを考えてみましょう。一人の人が夕焼けを見て楽しんでも、他の人が同じ夕焼けを見ることを阻害されることはありません。これは夕焼けという財が非競合性を持ち、一人の消費が他の人の消費を減らさないためです。同様に、公園のベンチも、座れる人数に限りはありますが、一人が座ったことで、他の人が座れなくなるわけではありません。もちろん、混雑して座れなくなることはありますが、それはベンチの数という物理的な制約によるものであり、本質的に一人の利用が他の人の利用を排除するものではありません。このような非競合的な財は、市場メカニズムでは適切に供給されにくいという問題があります。なぜなら、一人が利用しても他の人の利用を阻害しないため、対価を支払うインセンティブが働きにくいからです。そのため、政府が税金などを財源として供給することが一般的です。非競合性は、公共財を理解する上で重要な概念であり、市場の失敗や政府の役割を考える上で欠かせない要素となっています。