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退職給付債務を理解する

- 退職給付債務とは 従業員は会社のために毎日一生懸命働いています。会社はその労働への対価として給料を支払っていますが、将来支払うことが約束されているお金もあります。それが退職金です。退職金は、長年の勤続に対する功労をねぎらい、今後の生活を支えるための大切な資金です。 会社は、従業員が退職する際にまとまったお金を支払う必要があります。しかし、将来の退職金の支払いに備えて、毎月の給料のように積み立てているわけではありません。そこで考え出されたのが、「退職給付債務」という考え方です。 会社は、従業員がこれまで働いてきた期間に対して、将来支払うべき退職金を計算します。この計算の結果、現時点で支払う義務があるとみなされる金額を「退職給付債務」として、会社の財務諸表に計上します。つまり、退職給付債務とは、会社が従業員に対して、将来支払うことが約束されている退職金のうち、決算日までに従業員がすでに働いたことに対する給付分から発生する債務のことです。 会社は、従業員が退職給付を受け取る権利を日々積み立てていると考え、将来の退職給付を見積もり、その一部を毎期負債として計上していきます。この負債が退職給付債務と呼ばれ、企業の財務状態を分析する上で重要な指標の一つとなります。 退職給付債務は、会社の将来の支払い能力を示す重要な指標の一つです。なぜなら、退職給付債務が大きければ、それだけ将来の資金繰りにも影響を与える可能性があるからです。退職給付債務は、企業の財務分析を行う上で、決して軽視できない要素と言えるでしょう。