DCF

経済の用語

将来価値を今に引き寄せるDCFのススメ

「今すぐ100万円もらえる」のと「1年後にもらうのと」、どちらが良いかと聞かれたら、多くの人が「今すぐ」と答えるのではないでしょうか。これは、単にすぐに使えるからというだけでなく、「お金の時間的価値」という考え方が根底にあります。 お金の時間的価値とは、同じ金額のお金でも、今持っている方が将来受け取るよりも価値が高いという考え方です。今すぐ受け取ったお金は、銀行に預けて利息を得たり、投資に回して利益を生み出したりすることができます。つまり、時間をお金に働かせることで、将来の価値を増やすことができるのです。 このお金の時間的価値を考慮した評価方法がDCF(割引キャッシュフロー)です。DCFは、将来発生するキャッシュフローを、一定の割引率を用いて現在の価値に割り引くことで評価を行います。将来のキャッシュフローが同じでも、割引率が高い(時間的な価値が低い)ほど、現在の価値は低くなります。 例えば、1年後に100万円を受け取れるとします。金利が5%の場合、今95万2380円を預けておけば、1年後には100万円になります。つまり、1年後の100万円は、現在の価値でいうと約95万2380円に相当するということです。このように、DCFを用いることで、将来のお金の価値を現在の価値で正しく評価することができます。