進化する為替取引:EBSのススメ
- 従来の為替取引の課題
かつて、企業が海外と取引を行う際、避けて通れないのが為替取引でした。円をドルに交換したり、ユーロを円に交換する必要がある場合、企業は直接銀行に取引を依頼するのではなく、「ボイスブローカー」と呼ばれる仲介業者に依頼するのが一般的でした。
ボイスブローカーとの取引は、電話を通じて行われました。企業はまず、ボイスブローカーに電話をかけ、必要な通貨と金額を伝えます。ボイスブローカーは複数の銀行に問い合わせ、最も有利な為替レートを提示します。企業は提示されたレートを確認し、取引を行うかどうかを決定します。
しかし、この方法は非常に時間と手間がかかるものでした。電話でのやり取りは、レートの確認や注文に時間がかかるだけでなく、聞き間違いや伝え間違いといった人的ミスが発生するリスクも孕んでいました。また、情報伝達の遅延や、ボイスブローカーの裁量による不透明な価格決定といった問題点も指摘されていました。
このような煩雑なプロセスを効率化し、より透明性の高い取引を実現する方法として登場したのが、EBS(Electronic Broking Service)と呼ばれる電子取引システムなのです。