EPU:ヨーロッパ統合の礎石
- EPUとは
EPUとは、ヨーロッパ諸国が協力して作った「欧州決済同盟」の略称です。1950年9月、第二次世界大戦後の混乱からヨーロッパ経済を立て直すために創設されました。
当時、ヨーロッパの国々は戦争の影響で疲弊し、通貨も不安定で、国同士の貿易がうまく進まない状況でした。そこで、EPUは加盟国間で貿易の決済をスムーズに行うためのシステムを作り、貿易の拡大を後押ししました。
具体的には、加盟国はEPUを介して貿易を行い、輸出入の差額を相殺する仕組みを構築しました。これにより、各国は外貨準備高を気にせずに貿易を行うことができ、貿易取引が活発化しました。その結果、ヨーロッパ経済は復興へと大きく前進し、EPUは国際的な協力の成功例として高く評価されました。
EPUは1958年まで運用され、その役割を終えました。しかし、EPUの成功は、その後のヨーロッパ経済統合の礎となり、現在のEUの礎を築いたと言えるでしょう。