インサイダー取引防止の砦:J-IRISSとは
私たちが日々取引を行う株式市場は、公正かつ透明であることが何よりも重要です。市場参加者全員が同じ情報にアクセスできる環境が整ってこそ、健全な市場が成り立つからです。しかし、企業の内部情報を知り得る立場の人間が、その情報を利用して利益を上げようとする不正行為が後を絶ちません。このような行為はインサイダー取引と呼ばれ、市場の公正さを大きく揺るがす問題となっています。
では、どのようにしてインサイダー取引を防いでいるのでしょうか。日本では、日本証券業協会が運営するJ-IRISS(ジェイアイリス)というシステムが重要な役割を担っています。J-IRISSは、証券会社を通じて行われる株式取引の注文情報を集約し、リアルタイムで監視しています。そして、インサイダー取引の可能性が高いと判断された場合には、証券取引等監視委員会に通知が行き、詳細な調査が行われます。
J-IRISSの存在は、インサイダー取引を行う者にとって大きな抑止力となり、市場の公正性を守る上で欠かせない仕組みと言えるでしょう。