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経済の用語

経済指標「国内純生産」:その意味と重要性

- 国内純生産とは何か国内純生産(NDP)は、一定期間内に国内で新しく生み出された財やサービスの価値から、生産活動で使われた設備や建物などの固定資産の減少分(固定資本減耗)を引いたものです。もう少し分かりやすく説明すると、国内総生産(GDP)から、生産活動で消費された資本を差し引いたものがNDPと言えます。GDPは、ある国で一定期間内に生産されたモノやサービスの総額を示す指標であり、国の経済規模を表す最も重要な指標の一つです。しかし、GDPは生産活動で消費された資本を考慮していません。例えば、工場で車を生産するとします。この生産活動によってGDPは増加しますが、同時に工場の機械や建物は劣化し、その価値は減少していきます。 NDPは、このように生産活動によって消費された資本を考慮することで、GDPよりもより正確に国の経済活動を反映した指標と言えます。つまり、GDPが生産活動の全体像を示すのに対し、NDPは生産活動の結果として実際にどれだけ価値が増えたのかを示す指標と言えるでしょう。
経済の用語

経済の基礎知識!国内最終需要とは?

- 国内最終需要とは 国内最終需要とは、ある一定期間内に、国内で最終的に需要されたモノやサービスの合計金額を表す経済指標です。これは、私たちが日々の暮らしの中で購入する食料品や家電製品、企業が事業活動のために投資する工場や機械、そして政府が行う道路や橋などの建設といった、国内で消費・投資されるあらゆるモノやサービスを含んでいます。 この指標は、国内の景気動向を把握する上で非常に重要です。なぜなら、国内最終需要が増加すれば、モノやサービスの生産が活発化し、企業の業績が向上、雇用も増加するなど、経済全体が好循環に向かうからです。逆に、国内最終需要が減少すると、モノやサービスの生産が縮小し、企業の業績が悪化、雇用も減少するなど、経済全体が悪循環に陥ってしまいます。 国内最終需要は、大きく分けて「民間需要」「政府需要」「海外需要」の3つから成り立ちます。「民間需要」は、私たち個人や企業による消費・投資活動を指し、「政府需要」は、国や地方公共団体による公共事業や公務員の人件費などを指します。そして「海外需要」は、輸出から輸入を差し引いた純輸出を指します。これらの需要の動きを分析することで、今後の景気動向を予測することができます。
株式投資

国内公募の引受等とは?仕組みと役割を解説

会社が事業を大きくしたり、新しい取り組みに投資したりするためには、お金を集める必要があります。お金を集める方法はいくつかありますが、その中でも株式や債券といったものを発行して、多くの投資家からお金を集める方法を「公募」と言います。 国内公募において、証券会社は、発行体である企業と投資家を結ぶ「橋渡し役」として重要な役割を担っています。具体的には、証券会社は、発行体の依頼を受けて、株式や債券の発行条件を決定し、投資家に販売する業務を行います。 また、証券会社は、発行体の財務状況や事業内容を調査し、投資家に対して、その投資判断に必要な情報を提供する役割も担っています。さらに、証券会社は、発行市場だけでなく、流通市場においても、投資家に対して、株式や債券の売買の仲介など、様々なサービスを提供しています。 このように、証券会社は、国内公募という資金調達の仕組みにおいて、発行体と投資家の双方にとって、なくてはならない存在と言えるでしょう。
経済の用語

家計の財布の中身、国内可処分所得とは?

- 国内可処分所得とは? 国内可処分所得とは、日本に住む私たちや企業が自由に使えるお金の合計を表す指標です。経済の状況を把握する上で重要な役割を担っています。 私たちの暮らしで例えると、給料やボーナスで受け取った収入から、税金や社会保険料などを差し引いた後に残るお金が、国内可処分所得に当たります。この残ったお金は、自由に使うことができます。 例えば、日々の食費や光熱費などの生活に必要な支出や、旅行や趣味などの楽しみに使うこともできます。また、将来に備えて貯蓄したり、投資に回したりすることもできます。 国内可処分所得が多いほど、人々の生活は豊かになり、消費や投資も活発になると考えられています。逆に、国内可処分所得が減ってしまうと、人々の生活は苦しくなり、消費や投資も冷え込んでしまう可能性があります。 そのため、政府は、人々の所得を増やしたり、税金や社会保険料の負担を減らしたりすることで、国内可処分所得を増やし、経済を活性化させようと様々な政策に取り組んでいます。
債券投資

国内CP:企業の短期資金調達の頼りになる存在

- 国内CPとは 国内CPとは、企業が短期間でお金を集めるため発行する約束手形のようなものです。CPは「コマーシャルペーパー」の略称で、企業が事業に必要な資金を、銀行からの融資ではなく、市場から直接調達する際に利用されます。 具体的には、企業が投資家に対して「将来の決まった日に、あらかじめ決めた金額を支払います」という約束をCPという形で提示します。投資家はこの約束を信用し、その代わりに企業にお金を貸します。 国内CPは、発行する企業も、投資家も国内にいる場合に限り使われます。 例えば、ある企業が新しい工場を建設するために、数十億円という巨額の資金が必要になったとします。このとき、銀行からお金を借りる方法もありますが、国内CPを発行すれば、市場から直接資金を調達することも可能です。 国内CPは、発行から償還までの期間が1年以内と短期間であることが多く、資金調達する企業側にとっても、投資する側にとっても、比較的低リスクな資金調達方法として認識されています。
経済の用語

国際機関の紹介:国際労働機関

- 国際労働機関とは国際労働機関(ILO)は、世界中の労働環境や労働者の権利を守ることを目的として設立された国際機関です。1919年、第一次世界大戦後の平和構築を目指したベルサイユ条約に基づき、国際連盟(国際連合の前身)とともに設立されました。本部はスイスのジュネーブにあります。ILOは、国際連合の専門機関の一つであり、1946年以降は国際連合と連携して活動しています。世界には様々な国際機関が存在しますが、ILOは労働問題に特化した唯一の機関として、重要な役割を担っています。具体的には、ILOは労働条件や労働関係に関する国際的な基準を設定し、各国がその基準を満たすよう指導や支援を行っています。また、児童労働や強制労働の撤廃、労働者の安全衛生の確保など、様々な労働問題に取り組んでいます。さらに、労働問題に関する調査研究や情報提供、会議やセミナーの開催などを通じて、国際的な連携と協力を促進しています。ILOの活動は、すべての人々が人間らしく働き、生活できる社会を実現することを目指しています。
経済の用語

国際貿易機構:幻の自由貿易機関

第二次世界大戦後、世界は荒廃と混乱の中にありました。戦争によって疲弊した世界経済を復興し、再び平和で豊かな社会を築き上げるために、国際的な協力が必要不可欠でした。そして、二度と戦争の惨禍を繰り返さないという強い願いから、新たな国際機関の設立構想が生まれました。それが、国際貿易機構(ITO)です。 ITOは、世界の国々が協力して自由な貿易体制を築き、経済発展を促進することを目指しました。これは、戦間期のブロック経済や保護主義的な貿易政策が世界恐慌や第二次世界大戦の一因となったという反省に基づいています。 自由貿易とは、関税などの貿易障壁をなくし、国と国との間でモノやサービスが自由に取引される状態を指します。自由貿易の下では、各国は自国の得意な分野に資源を集中させ、生産性を向上させることができます。そして、生産したモノやサービスを世界市場で自由に売買することで、より多くの利益を得ることが期待できます。 ITOは、自由貿易こそが、世界経済の成長、雇用創出、そして生活水準の向上を実現する最も効果的な手段であると信じていました。また、自由貿易を通じて国家間の相互依存関係を深めることが、平和な国際秩序の構築にも貢献すると考えていました。
経済の用語

国際協力の要!世界銀行の役割とは?

第二次世界大戦後、世界は荒廃し、多くの国々が復興という大きな課題に直面していました。こうした中、世界の再建と発展を支援する機関として設立されたのが国際復興開発銀行、通称「世界銀行」です。 世界銀行は、1944年に設立された国際機関であり、現在では189ヶ国が加盟しています。その主な目的は、加盟国、特に開発途上国と呼ばれる国々に対して、資金の貸し付けや専門知識に基づいた政策アドバイスを行うことで、経済発展を促し、貧困を減らすことです。 具体的には、世界銀行は、道路や橋などのインフラストラクチャー整備、教育や医療などの社会サービスの向上、そして民間セクターの成長を促進するためのプロジェクトなど、幅広い分野で支援を行っています。 世界銀行の活動は、開発途上国の経済成長を支え、人々の生活水準向上に大きく貢献してきました。世界銀行は、今後も、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて、国際社会と連携し、世界の貧困削減と繁栄のために重要な役割を担っていくことが期待されています。
経済の用語

世界経済の基盤、国際通貨制度を解説

- 国際通貨制度とは世界各国はそれぞれ異なる通貨を用いていますが、国境を越えた貿易や投資を行うためには、異なる通貨間での交換や決済をスムーズに行うためのルールが必要です。これを国際通貨制度と呼びます。国際通貨制度は、いわば国際的な経済活動におけるお金のルールと言えるでしょう。このルールによって、異なる通貨を持つ国々が円滑に取引を行い、国際的な経済活動を活性化させています。具体的には、国際通貨制度は、国際的な貿易や投資における決済を円滑に行うための仕組みや、為替レートの安定化、国際的な金融危機発生時の対応などを定めています。例えば、貿易決済においてどの国の通貨を用いるのか、為替レートをどのように決定するのか、国際的な債権・債務をどのように調整するのかといった問題を解決するための枠組みを提供しています。過去の歴史において、金本位制やブレトンウッズ体制など、様々な国際通貨制度が採用されてきました。現在では、変動相場制を基軸とした制度が主流となっています。しかし、世界経済は常に変化しており、国際通貨制度もまた、新たな課題や状況に適応しながら進化し続けています。
経済の用語

国際通貨基金:世界の経済安定を守る機関

- 国際通貨基金とは国際通貨基金(IMF)は、世界経済の安定と成長を支えるために設立された国際機関です。 1944年、第二次世界大戦の終戦間際に、アメリカ合衆国のブレトン・ウッズという場所で開かれた会議で、国際通貨体制の安定と復興を目指して設立が合意されました。 この合意をブレトン・ウッズ協定と呼び、IMFはこの協定に基づき、世界銀行とほぼ同時期に誕生しました。IMFの主な役割は、加盟国間の通貨・為替相場の安定を図ることです。 各国が協力して国際的な通貨システムを維持し、急激な変動や混乱を防ぐことで、国際貿易や投資を促進し、経済成長を促すことを目指しています。 具体的には、IMFは加盟国に対して、経済状況の監視や政策提言、資金援助などを行っています。経済危機に陥った国に対しては、資金支援と合わせて、経済構造の改革や財政健全化のための政策提言を行うことで、危機の克服と経済の再建を支援しています。IMFは、世界190カ国が加盟する国際機関であり、世界経済の安定と成長のために重要な役割を担っています。 世界経済のグローバル化が進む中で、国際協力の重要性はますます高まっており、IMFの役割は今後も重要性を増していくと考えられます。
経済の用語

世界で活躍するお金:国際通貨ってなに?

- 国際通貨世界のビジネスを支えるお金 国際通貨とは、国と国との取引やお金のやり取りをスムーズにするために使われる特別な通貨のことです。 例えば、日本の会社がアメリカの会社から機械を輸入するとします。この時、もし国際通貨というものがなければ、日本の会社はまず円をドルに両替しなければなりません。そして、アメリカの会社は受け取ったドルを再び自国の通貨に両替する必要があります。このように、国際的な取引の度に両替が必要になると、時間も手間もかかってしまい、大変面倒です。 そこで登場するのが国際通貨です。特定の通貨を、まるで世界共通の通貨のように使うことで、こうした面倒を解消することができます。 現在、世界の基軸通貨として最も広く使われているのはアメリカドルです。ドルは原油や金などの重要な商品の取引にも使われており、国際的な金融市場でも中心的な役割を担っています。 国際通貨は、世界のビジネスを円滑に進めるための潤滑油のような役割を担っていると言えるでしょう。
経済の用語

国際貸借説:為替レートを動かす力

- 国際的なお金の流れと為替レートの関係異なる国々で行われる貿易や投資などの取引は、常に異なる通貨間の交換を伴います。このような国境を越えたお金の移動は「国際貸借」と呼ばれ、為替レートを決定づける重要な要素となります。これが「国際貸借説」と呼ばれる考え方です。例えば、日本の企業がアメリカの製品を輸入する場合、代金はアメリカドルで支払う必要があります。この時、日本の銀行は円を売ってドルを購入し、アメリカの銀行に送金します。このように、円の売却とドルの購入が増加すると、円の価値は下がり、ドルの価値は上がります。これが為替レートの変動です。逆に、日本の投資家がアメリカの株式を購入する場合、円を売ってドルを購入する動きが活発化し、ドルの需要が高まります。その結果、円安ドル高が進行します。このように、国際的な投資や貿易の状況によって通貨の需要と供給が変化し、それが為替レートに影響を与えるのです。為替レートは、貿易や投資の動向、経済指標、金融政策など、様々な要因によって複雑に変動します。国際貸借説は、その中でも特に重要な要素である「国際的な資金の流れ」に着目し、為替レートの変動メカニズムを説明するものです。
経済の用語

国際貸借:経済のバランス感覚

- 国際貸借とは何か 国際貸借は、国と国との間でお金が行き来する仕組みです。 個人間の貸し借りと同じように、ある国が別の国にお金を貸したり、借りたりすることがあります。 例えば、日本の企業が海外に進出する際に、工場建設などのためにお金が必要になります。 このとき、日本の銀行からお金を借りることもありますが、海外の銀行からお金を借りることもあります。 このように、企業活動を通じて国境を越えてお金の貸し借りが発生することがあります。 また、国同士がお互いに協力し合うために、お金の貸し借りを行うこともあります。 発展途上国の経済発展を支援するために、先進国が資金援助を行うことがあります。 これも国際貸借の一種です。 国際貸借は、一国の経済状況を把握する上で重要な指標となります。 家計のやりくりと同様に、一国のお金の outflow が inflow よりも多いと国際貸借は赤字、反対に inflow が多いと黒字になります。 赤字や黒字の状況は、その国の経済状況や将来予測に影響を与える可能性があります。
経済の用語

国際収支表を読み解く

- 国際収支表とは 国際収支表は、ある国と外国との間で行われた経済取引を一定期間(通常は1年間)記録したものです。これは、国の経済活動を把握するための重要な統計であり、いわば「国の家計簿」のような役割を果たしています。 国際収支表は、経常取引、資本取引、金融取引の3つの主要な勘定から構成されています。 経常取引は、貿易収支(輸出入の差額)、サービス収支(サービスの輸出入の差額)、第一次所得(海外からの給与や投資収益など)、第二次所得(国際協力や贈与など)が含まれます。 資本取引は、特許権や商標権などの無形資産の取引や、国際間の資本移動を記録します。 金融取引は、海外への投資や借入など、国際的な金融資産・負債の変動を記録します。 国際収支表を分析することで、その国の経済状況や国際的な地位を把握することができます。例えば、経常収支が黒字であれば、その国は外国に対してモノやサービスを多く輸出していることを示しており、経済が好調である可能性が高いと言えます。逆に、経常収支が赤字であれば、その国は外国からの輸入に依存していることを示しており、経済状況が悪化している可能性があります。 国際収支表は、政府や企業、投資家など、様々な経済主体にとって重要な情報源となっています。国際経済の動向を理解し、適切な政策や戦略を立てるために、国際収支表を正しく理解することが重要です。
経済の用語

国際収支を理解する

- 国際収支とは? 国際収支は、ある国とその他の国々との間で、一年間にどれだけの経済的なやり取りがあったのかを記録したものです。これは、いわば国の家計簿のようなものです。 家計簿と同じように、お金の出入りを記録することで、その国の経済状態を把握することができます。具体的には、貿易や投資など、国境を越えてお金が出入りするあらゆる取引が記録されます。 例えば、海外へ自動車を輸出すると、その分の外貨が国内に入ってきます。反対に、海外から石油を輸入すると、その分の外貨が国外に出ていきます。国際収支は、このようにして生じるお金の流れを、様々な項目に分類して記録したものです。 国際収支を分析することで、その国の経済が海外の影響をどの程度受けているのか、また、国際的な競争力を持っているのかどうかなどを判断することができます。そのため、政府や企業、投資家などが、今後の経済政策や事業戦略などを考える上で、重要な指標となっています。
経済の用語

国際決済銀行:金融の安定を支える存在

- 国際決済銀行とは国際決済銀行(BIS)は、スイスのバーゼルに本部を置く国際機関です。1930年に設立され、世界60以上の国の中央銀行が加盟しています。BISは「中央銀行の中央銀行」とも呼ばれ、国際的な金融の世界において重要な役割を担っています。BISの主な役割は、国際的な金融協力と金融の安定を促進することです。具体的には、世界各国の中央銀行が協力して金融政策や為替政策を調整するための場を提供しています。また、国際的な金融市場の動向やリスクに関する情報を収集・分析し、加盟国の中央銀行に提供することで、世界経済の安定に貢献しています。BISは、中央銀行間の協力や情報交換の場を提供するだけでなく、国際的な金融に関する調査研究や基準策定も行っています。例えば、国際的な銀行の自己資本比率に関する基準である「バーゼル規制」は、BISが中心となって策定したものです。このように、BISは国際的な金融システムの安定と効率性向上に大きく貢献しており、世界経済にとって非常に重要な機関と言えるでしょう。
経済の用語

世界経済を読み解く:国際経済モデル入門

- 経済モデルの基本閉鎖経済モデル経済モデルとは、現実の複雑な経済活動を、単純化して表現することで、経済現象の仕組みを理解するためのツールです。経済活動には、企業の生産活動、家計の消費活動、政府の政策、国際貿易など、様々な要素が複雑に絡み合っており、それぞれの影響を把握することは容易ではありません。そこで、経済モデルを用いることで、現実の経済を抽象化し、分析可能な形に落とし込むのです。数ある経済モデルの中でも、基礎となるのが「閉鎖経済モデル」です。これは、海外との経済的な取引を考慮せず、国内の経済活動だけを対象としたモデルです。閉鎖経済モデルは、現実の経済において国際的な影響が無視できないのと同様に、単純化された仮定に基づいています。しかし、このモデルは、国内の経済循環を理解するための基礎として非常に重要です。閉鎖経済モデルでは、経済活動を行う主体として、家計、企業、政府の3つを考えます。家計は、労働や資本を提供し、賃金や利子などの所得を得て、それを消費や貯蓄に充てます。企業は、家計から労働や資本を投入して財やサービスを生産し、販売することで利潤を得ます。政府は、税金を集め、公共事業や社会保障などの支出を行います。閉鎖経済モデルは、これらの経済主体の相互作用を分析することで、例えば、家計の消費支出が企業の生産活動にどう影響するか、政府の政策が経済全体にどう波及するか、といったことを明らかにします。これは、現実の経済政策を立案する上でも重要な示唆を与えてくれます。
経済の用語

途上国発展の鍵!国際金融公社の役割

- 国際金融公社ってどんな機関?国際金融公社(IFC)は、世界銀行グループの一員として活動する国際機関です。世界銀行が主に途上国の政府に対して融資を行っているのに対し、国際金融公社は民間企業への融資や出資に重点を置いている点が大きな違いです。途上国が経済発展を遂げるためには、政府の政策や取り組みだけでなく、民間企業の活力も欠かせません。活気のある民間企業は、新しい雇用を生み出し、革新的な技術やサービスを生み出すことで、経済全体を活性化させる力を持っています。国際金融公社は、民間企業が抱える資金調達などの課題を解決し、成長を後押しすることで、途上国の経済発展を促す役割を担っています。具体的には、途上国の企業への融資や出資、リスク管理のアドバイス、技術支援など、多岐にわたる活動を行っています。 国際金融公社の活動は、途上国の貧困削減や持続可能な開発目標(SDGs)の達成にも大きく貢献しています。
経済の用語

国際協力銀行:日本の発展途上国支援

- 国際協力銀行とは国際協力銀行(JBIC)は、日本の政府系金融機関の一つです。開発途上国への支援を目的としており、日本の企業が海外に進出する際のリスクを軽減し、円滑な事業展開をサポートする役割を担っています。具体的には、貿易保険や融資などの金融サービスを提供しています。貿易保険とは、海外との取引において生じる様々なリスク(例えば、取引先の倒産や契約不履行など)をカバーする保険です。一方、融資とは、開発途上国のインフラ整備や資源開発などの事業に対して、資金を貸し出すことです。JBICの活動は、日本の企業を支援するだけでなく、開発途上国の経済成長や社会発展にも貢献しています。例えば、インフラ整備は、経済活動を活性化させ、雇用を創出する効果があります。また、資源開発は、開発途上国の貴重な外貨獲得源となります。このように、JBICは、日本と開発途上国の双方にとって重要な役割を担う金融機関と言えるでしょう。
経済の用語

国際協力機構:世界の未来を創造する

- 国際協力機構とは 国際協力機構(JICA)は、開発途上国と呼ばれる、様々な問題を抱える国々に対して、日本が行う政府開発援助(ODA)を一手に引き受ける実施機関です。世界には、貧困、飢餓、病気、教育の遅れなど、様々な困難に直面している国々が数多く存在します。JICAは、これらの国々が抱える問題を解決し、より良い社会を築くために、資金や技術の提供、人材育成など、様々な形で支援活動を行っています。 具体的には、道路、橋、港湾などのインフラ整備、学校や病院などの建設、安全な水を提供するための井戸の設置、農業技術の向上、医療従事者の育成など、その活動は多岐に渡ります。 JICAの活動は、開発途上国の経済発展を促すだけでなく、日本と開発途上国の友好関係を築き、世界の平和と安定に貢献することも目的としています。 JICAは、現地の人々と協力しながら、それぞれの国の状況に合わせた支援を、草の根レベルで行うことで、真に役立つ国際協力を目指しています。
経済の用語

国際開発協会:貧困削減への貢献

世界には、日々の生活に困窮し、将来への希望を描くことさえ難しい人々が数多く存在します。国際開発協会(IDA)は、そんな世界で最も貧しい国々に手を差し伸べるために設立された国際機関です。IDAは、経済成長と人々の生活水準向上を目的とした資金援助を行っており、その活動は、教育、医療、インフラ整備、農業開発など、多岐にわたります。 IDAの支援は、単にお金を渡すだけでなく、それぞれの国の状況に合わせて、自立を促すためのきめ細やかなプログラムに基づいて行われます。例えば、教育分野では、学校建設や教員育成を支援することで、子どもたちが基礎的な知識やスキルを身につけることができるよう取り組みます。また、医療分野では、病院や診療所の整備、医療従事者の育成などを支援することで、人々の健康状態の改善に貢献しています。 IDAの活動は、貧困の連鎖を断ち切り、人々に希望を与えるための重要な役割を担っています。世界で最も貧しい国々が、国際社会の支援を受けながら、自らの力で未来を切り開いていけるよう、IDAはこれからも重要な役割を果たしていくでしょう。
その他

金融取引の安定化を図る国際スワップデリバティブ協会

- 国際スワップデリバティブ協会とは 国際スワップデリバティブ協会(ISDA)は、銀行や証券会社などが証券取引所を経由せずに、相対で金融派生商品を取引する、いわゆる「店頭デリバティブ市場」において中心的な役割を担う国際的な業界団体です。 1984年、金融機関の間で急速に普及し始めた金利スワップ取引を円滑に行うための標準契約書の雛形を作成する目的で、スワップ取引を行うディーラーたちの親睦団体として設立されました。その後、デリバティブ市場は、金利スワップにとどまらず、通貨スワップ、債券オプション、クレジットデリバティブなど、様々な商品が生み出され、急速に発展しました。 こうした市場の成長に伴い、ISDAは、1993年に現在の名称に改称し、デリバティブ市場全体の標準化、法的整備、効率化を推進する団体へと発展を遂げました。具体的には、標準契約書の策定、市場慣行の調査・提言、規制当局へのロビー活動、紛争解決サービスの提供など、多岐にわたる活動を行っています。 現在では、世界各国の金融機関、投資家、資産運用会社、サービス提供者など、デリバティブ取引に関わる多様な関係者が会員として参加しており、その数は90ヵ国以上、1,000社以上にものぼります。 ISDAは、店頭デリバティブ市場の健全な発展に大きく貢献しており、金融市場の安定性や効率性向上に欠かせない存在となっています。
債券投資

国債の発行日前取引を解説

- 国債の発行日前取引とは国債は、国が資金調達のために行う債券の発行のことですが、発行される前にあらかじめ取引を行う方法があります。これが「国債の発行日前取引」です。通常、国債を購入するには、発行日に証券会社を通じて購入申込を行います。しかし、発行日前取引の場合、発行前に証券会社を通して、購入したい金額や利回りなどの条件を提示します。そして、証券会社間で行われる取引市場において、投資家と証券会社の間で条件が合致すると、発行前に売買契約が成立するのです。その後、実際に国債が発行されると、事前に決めていた条件に基づいて決済が行われます。この取引は「When Issued取引」の略称で「WI取引」とも呼ばれています。発行日前取引のメリットは、あらかじめ国債の保有を確定できる点にあります。特に、発行日に人気が集中しそうな国債の場合、発行日前取引を利用することで、確実に購入できる可能性が高まります。一方で、発行日前取引には価格変動リスクも存在します。発行前に比べて、発行後の市場環境が変化した場合、当初の想定よりも不利な価格で取引が成立してしまう可能性もあるのです。国債の発行日前取引は、投資家にとってメリットとリスクが混在する取引と言えるでしょう。
経済の用語

国債の貨幣化とは何か?

- 国債の貨幣化とは国債は、国が資金を調達するために発行する債券です。私たち国民は、銀行や証券会社を通じて国債を購入することで国にお金を貸し、その対価として利息を受け取ります。一方、国債の貨幣化とは、政府が発行した国債を、お金を発行する権限を持つ中央銀行である日本銀行が直接引き受けることを指します。 通常、政府は財政支出が必要な場合、新たに国債を発行して資金を調達します。そして、発行された国債は、市場で投資家に買われていきます。しかし、国債の貨幣化の場合、この過程を経ずに、日本銀行が直接国債を引き受けることになります。日本銀行が国債を引き受けるには、新たに円を発行する必要があるため、結果として、市中にお金が供給されることになります。この仕組は、一見すると、政府が財政支出を賄うための簡単な方法のように思えるかもしれません。しかし、通貨の供給量が増えることで、物価上昇や通貨価値の下落といったリスクも懸念されます。そのため、国債の貨幣化は、経済状況を慎重に見極めながら、限定的に行われるべきと考えられています。