投資信託の個別元本とは？その意味と計算方法を解説

投資信託の個別元本とは？その意味と計算方法を解説

個別元本とは何か

– 個別元本とは何か

投資信託を購入する際、私たちは証券会社を通して「一口いくら」という価格で購入します。この一口当たりの価格のことを基準価額といいます。

しかし、投資信託は一度にまとまった金額で購入するのではなく、毎月一定額を積み立てていくように、複数回に分けて購入する方が多いのではないでしょうか？

ところが、投資信託の基準価額は日々変動するため、購入するたびに一口当たりの値段が変わってきます。当然ながら、基準価額が安い時に購入した口数と、高い時に購入した口数も異なってきます。

このように、複数回にわたって異なる価格で購入した場合、投資信託全体の利益を考える際に、単純に現在の基準価額と最初に購入した時の基準価額を比較するだけでは、正確な評価はできません。

そこで重要となるのが「個別元本」という概念です。

個別元本とは、簡単に言えば「平均購入価格」のことです。複数回に分けて購入した投資信託の、すべての購入価格を考慮して、一口当たりの平均購入価格を算出したものです。

例えば、ある投資信託を10,000円で購入した時と、8,000円で購入した時があったとします。その場合、個別元本は9,000円となり、現在の基準価額がこの9,000円を上回っていれば利益が出ている、下回っていれば損失が出ていると判断することができます。

このように、個別元本を把握することで、投資信託の運用状況をより正確に把握することができます。

個別元本の計算方法

投資信託を運用する上で、「個別元本」は重要な指標の一つです。個別元本とは、複数回に分けて購入した投資信託の平均購入単価を指します。この値を把握することで、現在の評価損益がより明確になり、今後の投資戦略に役立てることができます。

個別元本の計算方法は、複雑ではありません。まず、投資信託を購入する度に、「購入口数」と「購入単価」を記録しておきましょう。例えば、ノートに記録したり、証券会社の取引履歴をダウンロードしたりする方法があります。そして、全ての購入における「購入口数 × 購入単価」の合計を計算し、総購入口数で割ることで、個別元本を求めることができます。

具体例を見てみましょう。ある投資信託を最初に100口、1,000円で購入し、その後、同じ投資信託を50口、1,200円で購入したとします。この場合、個別元本は{(100口 × 1,000円) + (50口 × 1,200円)} ÷ (100口 + 50口) = 1,066.66…円となります。つまり、平均すると1口あたり1,066.66円で投資信託を購入したことになります。このように、個別元本を計算することで、複数回に分けて購入した投資信託であっても、平均的にいくらで購入したかが明確になり、投資状況をより正確に把握することができます。

個別元本と投資信託のリターン

– 個別元本と投資信託のリターン投資信託で運用を行う際、その成績を測る上で欠かせないのが「個別元本」です。投資信託は日々価格が変動する金融商品ですが、個別元本はその投資信託を購入した時点の基準となる価格を指します。投資信託の運用成績は、現在の基準価格と個別元本を比較することで評価されます。例えば、あなたが1,000円の個別元本で投資信託を購入し、その後基準価格が1,100円に上昇したとします。この場合、1,100円から1,000円を差し引いた100円が利益となり、10％のプラスのリターンを得たことになります。逆に、基準価格が900円に下落した場合は、100円の損失となり、10％のマイナスのリターンとなります。このように、個別元本を把握することで、投資信託の値動きがプラスかマイナスか、どれだけの利益または損失が出ているかを明確に理解することができます。さらに、個別元本は投資信託の損益分岐点を把握する上でも役立ちます。現在の基準価格が個別元本を上回っていれば利益が出ている状態、下回っていれば損失が出ている状態と判断できます。投資信託の運用状況を正しく把握し、将来の投資計画に役立てるためにも、個別元本をしっかりと確認するようにしましょう。

個別元本の確認方法

– 個別元本の確認方法

投資信託を購入すると、その運用によって得られた利益は分配金として受け取るか、投資信託の中に組み入れられて基準価額に反映されます。この時、利益が組み入れられた後の投資家の持ち分を示すのが個別元本です。

この個別元本は、証券会社から送られてくる取引報告書で確認することができます。取引報告書は、投資信託の購入時や売却時、分配金の受け取り時などに発行されます。

また、証券会社によっては、オンラインサービスでも個別元本の確認が可能です。インターネットを通じていつでも確認できるため、こまめにチェックしたい方は活用すると良いでしょう。

さらに、投資信託を運用している運用会社が作成する月次報告書や運用報告書にも、個別元本が記載されている場合があります。これらの資料は、運用会社のウェブサイトで閲覧できる場合が多いです。

投資信託は、個別元本と基準価額を比較することで、現在の運用状況を把握する重要な指標となります。こまめに確認し、投資判断に役立てましょう。

まとめ

投資信託は、多くの人が少しずつお金を出し合って、まとまった資金で様々な種類の資産に投資する商品です。その運用成績は基準価額で表されますが、基準価額は日々変動するため、投資初心者の方は「結局、利益が出ているのか損失が出ているのか分かりにくい」と感じることがあるかもしれません。

そこで重要になるのが「個別元本」という考え方です。投資信託を購入する際、私達は証券会社を通じて運用会社に購入の申し込みを行います。この時、私達が支払った金額を「個別元本」と呼びます。この個別元本と、現在の基準価額を比較することで、自分の投資がどれくらい値上がり・値下がりしているのかを把握することができます。

例えば、個別元本が100万円で購入した投資信託が、現在120万円になっているとします。この場合、基準価額は20％上昇しており、20万円の含み益が出ている状態です。反対に、基準価額が80万円に値下がりしている場合は、20万円の含み損が出ていることになります。

このように、個別元本は投資信託の運用状況を把握するための重要な指標となります。投資信託への投資を検討する際には、ぜひ個別元本についても理解を深め、今後の資産運用に役立てていきましょう。