株式投資

投資の基礎知識:店頭気配とは?

株式投資を始めると、必ず目にすることになるのが「気配」という言葉です。株式投資において、この「気配」は、投資判断を行う上で欠かせない情報の一つです。 では、この「気配」とは一体何なのでしょうか?簡単に言うと、証券会社や証券取引所が投資家に向けて提示する、株式の売買価格の目安となる情報のことを指します。 気配には、「売り気配」と「買い気配」の2種類があります。「売り気配」は、株式を売りたいと考えている人が提示する希望売却価格のことです。一方、「買い気配」は、株式を購入したいと考えている人が提示する希望購入価格のことを指します。 この「売り気配」と「買い気配」の差が小さければ小さいほど、その株式の需要と供給のバランスが取れている状態と言えます。つまり、市場でその株式が多くの人に売買されたいと思われていて、取引が成立しやすい状態であることを意味します。逆に、差が大きい場合は、需要と供給のバランスが崩れており、取引が成立しにくい状態であると言えます。 株式投資を行う際には、常にこの「気配」に注目し、市場の動向を把握することが重要です。
オプション取引

為替変動に備える!ガンマでリスク管理

- 外貨預金とリスク 外貨預金は、円預金よりも高い金利で預け入れできるため、魅力的な選択肢に思えるかもしれません。しかし、その一方で、為替レートの変動というリスクもはらんでいます。 外貨預金は、預け入れる時と受け取る時、それぞれのタイミングの為替レートで円に換算されます。もし、預け入れた時よりも円高になった場合、受け取ることができる円の金額は預け入れた時よりも少なくなってしまうのです。 例えば、1ドル100円の時に100万円をドル預金に預け入れたとします。この場合、1万ドルが預け入れられます。その後、1ドルが90円になったとすると、預け入れた1万ドルは90万円になってしまい、10万円の損失が発生することになります。 このように、外貨預金は為替レートの変動によって、元本割れの可能性もあることを理解しておく必要があります。外貨預金に投資する際は、リスク許容度や投資目的を踏まえ、慎重に判断することが重要です。
その他

進化する株式投資:STPで実現する効率性と透明性

- 証券取引の自動化STPとは証券取引におけるSTP(Straight Through Processing)とは、投資家が株式などを売買する際の一連の流れを、全てコンピューターシステム上で自動化する仕組みです。従来の証券取引では、注文から決済までに様々なやり取りが発生し、それぞれの段階で担当者が介在していました。例えば、投資家が証券会社に電話で注文を出す場合、担当者はその内容をシステムに入力する必要がありました。その後、証券会社から取引所へ注文を伝える際にも、電話やFAXが使われていた時代もあります。このように、従来の取引では人手を介する場面が多かったため、どうしてもミスや遅延が発生しやすかったのです。STPでは、注文から決済までの全てが電子化・自動化されるため、人為的なミスや遅延を大幅に削減することができます。具体的には、投資家がインターネット上で注文を行うと、その情報は自動的に証券会社、取引所、証券保管振替機構などに伝達され、決済まで自動的に処理されます。この結果、証券会社は業務を効率化し、人件費などのコストを削減することができます。また、投資家にとっても、取引のスピードアップやコスト削減などのメリットがあります。近年では、多くの証券会社がSTPを導入し、より効率的で安全な取引環境の整備を進めています。
債券投資

金融のプロが解説!レポ取引とは?

- レポ取引を分かりやすく解説レポ取引とは、債券を担保にして短期的に資金を貸し借りする取引のことです。例えば、企業が一時的に資金不足に陥ったとしましょう。 この時、企業は保有している債券を金融機関に売却し、資金を調達することができます。 ただし、この取引は通常の売買とは異なり、 将来、あらかじめ決めた期日に、 企業は売却した債券を同じ金融機関から買い戻す約束をします。 このように、債券を売却して資金を調達し、 後日買い戻すことで実質的に借り入れと同じ状態を作り出す取引をレポ取引と呼びます。 買い戻す際の価格は、売却時にあらかじめ決めておくため、 利息に相当する部分が組み込まれていることになります。 レポ取引は、企業にとっては短期的な資金繰りの改善に、 金融機関にとっては資金運用手段として活用されています。
外貨預金

外貨預金と国のお財布事情

- 外貨預金の魅力外貨預金は、預け入れた外貨の金利が、日本円よりも高い場合が多いという特徴があります。近年の日本では、銀行に預けていてもほとんど利息が増えない状況が続いています。一方、海外では日本よりも高い金利を設定している国が多く、外貨預金に預け入れることで、より多くの利息を受け取れる可能性があります。さらに、外貨預金には、為替レートの変動によって預けたお金が増える可能性もあります。為替レートとは、異なる通貨同士を交換する際の比率のことです。例えば、1ドル100円の時に100ドル預けていた場合、円高が進んで1ドル90円になると、円に戻す際に10,000円を受け取ることができます。このように、円安になったタイミングで外貨を円に交換することで、預けた時よりも多くの金額を受け取れる可能性があります。しかし、外貨預金にはリスクも存在します。為替レートは常に変動しており、円高方向に進んだ場合は、円に換算した際に預けた時よりも価値が減ってしまう可能性もあります。また、外貨預金は預金保険の対象外となる場合もあり、預け入れ先の金融機関が破綻した場合、預けたお金が戻ってこないリスクもあります。外貨預金を行う際は、これらのリスクを十分に理解した上で、余裕資金で行うようにしましょう。
経済の用語

経済成長の鍵?サプライサイド経済学とは

- サプライサイド経済学の考え方経済を活性化させるには、需要側を刺激する方法と、供給側を活性化する方法の二つがあります。従来の経済学は、需要側のテコ入れに力を入れてきました。しかし、サプライサイド経済学は、供給側にこそ経済成長の鍵があると考えます。一体、従来の経済学と何が違うのでしょうか?従来の経済学では、人々がモノやサービスをより多く求めるようになれば、企業はそれに応じて生産を増やし、経済は活性化すると考えます。しかしこの考え方では、需要が増えた時に供給が追い付かず、物価上昇つまりインフレが起きやすくなってしまいます。一方、サプライサイド経済学は、企業がモノやサービスを生産しやすい環境を作ることで、経済成長を促そうとします。具体的には、減税や規制緩和などが考えられます。企業の税負担が軽くなったり、規制が緩和されれば、企業は利益を上げやすくなり、新たな投資や雇用を生み出す活動に積極的になります。その結果、生産活動が活発になり、より多くのモノやサービスが市場に供給されるようになります。供給が増えれば、需要と供給の関係で、価格が下落し、消費者の購買意欲が高まります。そして、需要増加に供給が追いつくため、インフレも抑制されます。このように、サプライサイド経済学は、企業の生産意欲を高めることで、需要増加とインフレ抑制の両立を目指そうとする考え方なのです。
株式投資

未来への投資:SRIで変わる世界

- SRIとは SRIは「社会的責任投資」の略称で、従来のように経済的な利益だけを追求するのではなく、企業の環境への取り組みや社会への貢献といった倫理面も考慮に入れた投資手法です。 具体的には、環境保護や人権擁護、企業統治の透明性など、社会的に意義のある活動に積極的に取り組む企業を投資対象とします。反対に、環境汚染や人権侵害などに関わっている企業への投資は避けられます。 SRIは、短期的な利益よりも長期的な視点に立ち、持続可能な社会の実現を目指すという点で、従来の投資とは一線を画しています。投資を通じて社会に貢献したいと考える個人投資家や、企業の社会的責任を重視する機関投資家を中心に、近年注目を集めています。
経済の用語

為替報告書:貿易摩擦の火種?

- 米国が監視?為替報告書とはアメリカ合衆国は、貿易相手国との間で公正な貿易が行われているかを常に監視しています。そのための重要なツールの一つが「為替報告書」です。これは、1988年に制定された通商法に基づき、アメリカ合衆国財務省が作成、議会に提出している報告書です。提出は年に2回、4月と10月に行われます。では、なぜアメリカは為替報告書を作成するのでしょうか?それは、貿易相手国が為替レートを不正に操作していないかを監視するためです。為替レートとは、異なる国の通貨を交換する際の比率のことです。このレートが不当に操作されると、輸出入の価格が不自然に変動し、公正な貿易が阻害される可能性があります。 例えば、ある国が自国通貨の価値を意図的に安く抑えたとします。すると、その国の製品は国際市場で割安に販売され、輸出が有利になります。逆に、輸入品は割高になるため、貿易相手国にとっては不利な状況が生じます。このような為替操作を監視し、是正を求めるために、アメリカは為替報告書を用いて、貿易相手国の為替政策を評価しているのです。
FX

為替相場のレベル感をつかもう

海外のお金と交換する取引を始めるにあたって、取引画面や経済の情報を伝える場で「レベル」という言葉を見聞きする機会があるでしょう。これは、ある瞬間の為替の価格の水準を示す言葉です。例えば、1ドルが140円の時に「今のドル円為替レートは140円のレベルです」のように使います。 このレベルは、過去の価格の動きや景気の状況、国のリーダーが決めた政策など、様々な要因によって決まります。そして、為替の取引をする人たちは、今後の価格の動きを予想する目安としてこのレベルを使います。 例えば、過去の円ドルの為替レートをみて、1ドル140円のレベルを境に、円高になるか円安になるかの動きを繰り返していたとします。すると、為替の取引をする人たちは、次に円ドルの為替レートが140円に近づいたとき、このレベルを上回るか下回るかを注意深く観察します。そして、過去の値動きを参考にしながら、今後の価格が上がるか下がるかを予測し、取引を行う判断材料の一つとするのです。
先物取引

SQ算出日とは?株価指数先物取引の基礎知識

- SQの概要 SQとは、特別清算指数(Special Quotation)を指し、株価指数先物取引において、取引の最終的な決済に利用される重要な指標です。 株価指数先物取引は、日経平均株価などを例とする株価指数の将来の値動きを予測して売買を行う取引です。通常の商品の先物取引とは異なり、株価指数という目に見えないものを対象としているため、決済日に精算のために現物の受け渡しを行うことができません。そこで、SQと呼ばれる理論価格を用いて、取引を行った当事者間で金銭のやり取りによって決済を行う仕組みとなっています。 具体的には、SQは、株価指数先物取引の決済日に、取引所が定める方法によって算出された、対象となる株価指数の理論値です。このSQに基づいて、買い手と売り手のどちらにどれだけ損益が発生したかが確定し、その差額によって金銭の精算が行われます。 SQは、株価指数先物取引の円滑な決済を実現するために重要な役割を果たしており、投資家はこのSQを意識しながら取引を行う必要があります。
FX

外貨預金と為替スワップ:リスクヘッジの活用法

近年、低い金利が続く円預金に代わり、高い金利に期待できる外貨預金が注目されています。銀行に預けたお金は、預金保険制度によって保護されていますが、これはあくまで円預金の場合です。外貨預金には預金保険制度は適用されないため、元本割れのリスクがあることを理解しておく必要があります。外貨預金は、預け入れ時と比べて円安になった場合、円に換算した際に受け取れる金額が増えるため、利息収入に加えて為替差益も期待できます。しかし、為替レートは常に変動しており、円高になってしまうと、円に換算した際に受け取れる金額が減ってしまい、利息収入よりも為替差損が大きくなってしまうと、元本割れを起こしてしまう可能性もあります。そのため、外貨預金は余裕資金で行うことが大切です。また、為替レートの変動を注視し、リスク管理を徹底する必要があります。
投資信託

少額で大きな利益を狙う!レバレッジ投資信託とは?

- レバレッジ投資信託少ない資金で大きな利益を狙う仕組みレバレッジ投資信託とは、通常の投資信託と比べて、より大きな利益を目指せる投資信託です。通常の投資信託は、集めた資金で株式や債券などを購入し、その運用成績に応じて利益を分配します。一方、レバレッジ投資信託は、証券会社から資金を借り入れることで、自己資金以上の投資を行います。これが「レバレッジをかける」という意味です。例えば、レバレッジが2倍の投資信託の場合、100万円の投資資金で200万円分の投資を行います。このため、投資対象の価格が1%上昇すると、2%の利益が期待できます。通常の投資信託では1%の利益ですから、レバレッジ投資信託の魅力は大きな利益を狙える点にあります。しかし、レバレッジはリスクも増幅させることを忘れてはいけません。投資対象の価格が下落した場合、損失も大きくなってしまいます。先ほどの例で考えると、価格が1%下落すると、2%の損失が発生します。さらに、大きな損失が出た場合、証券会社に追加の担保を求められることもあります。このように、レバレッジ投資信託はハイリスク・ハイリターンの特徴を持つ投資商品と言えるでしょう。投資する際は、リスク許容度や投資目標などを考慮し、慎重に判断することが重要です。
その他

SPCとは?仕組みやメリットを解説

- SPCの概要SPCとは、スペシャル・パーパス・カンパニーの略で、日本語では特別目的会社と言います。これは、通常の会社のように幅広い事業を行うのではなく、ある一つの目的を達成するためだけに設立される会社のことを指します。では、具体的にどのような目的のために設立されるのでしょうか?よくある例としては、大規模な不動産開発や航空機購入などが挙げられます。 これらのプロジェクトは多額の資金を必要とするため、SPCを設立し、銀行や投資家から資金を調達することが一般的です。SPCはプロジェクトに必要な資金調達を行い、プロジェクトの運営や資産の管理を行います。SPCは、通常の会社と比べてリスク管理の面で優れているという特徴があります。なぜなら、SPCの事業内容や資産は、特定のプロジェクトに限定されているからです。そのため、仮にプロジェクトが失敗した場合でも、他の事業や資産に影響が及ぶ可能性は低くなります。このことは、投資家にとってのリスクを軽減することにつながり、より安全な投資先として魅力的に映ります。このように、SPCは、大規模プロジェクトを円滑に進めるための有効な手段として、近年注目を集めています。
FX

投資を加速させる?レバレッジ型投資とは

- レバレッジ型投資の概要レバレッジ型投資とは、日経平均株価やTOPIXといった、市場全体の値動きを表す指数(原指数)に連動して、その値動きよりも大きな利益を狙える金融商品です。例えば、日経平均株価が1%上昇した日に、2倍のレバレッジ型投資商品であれば2%上昇します。反対に、日経平均株価が1%下落した場合は、2倍のレバレッジ型投資商品は2%下落します。この仕組みは、証券会社からの資金借り入れによって実現されています。レバレッジ型投資商品は、投資家から集めた資金に加えて、証券会社から資金を借り入れることで、実際よりも大きな金額の取引を行います。これにより、値動きが大きくなり、高い利益を狙うことができるのです。しかし、注意が必要なのは、損失も大きくなる可能性がある点です。原指数が下落した場合、レバレッジの倍率に応じて損失も拡大します。例えば、2倍のレバレッジ型投資商品に投資した場合、原指数が1%下落すると、2%の損失が発生します。このように、レバレッジ型投資はハイリスク・ハイリターンの特徴を持つ投資商品と言えます。投資する際は、リスクとリターンをよく理解した上で、余裕資金の範囲内で行うことが大切です。
経済の用語

社会を支える基盤、SOCとは?

- 社会を支える礎SOCとは?SOCとは、「ソーシャル・オーバーヘッド・キャピタル」を略した言葉で、日本語では「社会資本」と表します。 私たちの日常生活を陰ながら支え、経済活動を円滑に進めるために欠かせない道路、橋、港湾、空港といった交通インフラや、電力、ガス、水道などのライフライン、そして教育機関や病院といった公共施設などが、SOCに含まれます。これらの社会資本は、私たちの生活の質を向上させる上で非常に重要な役割を担っています。例えば、整備された道路網は人や物の移動をスムーズにし、経済活動の効率性を高めます。また、病院や学校といった施設は、人々の健康や教育水準の向上に貢献し、より豊かで安心できる社会を実現する基盤となります。しかし、社会資本は一度整備すればそれで終わりというわけではありません。老朽化したインフラは、機能低下や事故のリスクを伴い、私たちの生活や経済活動に大きな影響を与える可能性があります。そのため、計画的な維持管理や更新が不可欠です。近年では、人口減少や財政制約などの課題がある中で、限られた資源を有効活用し、将来にわたって持続可能な社会資本整備のあり方が問われています。 最新の技術を活用した効率的なインフラ整備や、民間企業の資金やノウハウを活用したPFI事業など、様々な取り組みが進められています。
経済の用語

レバレッジ:少額で大きな利益を狙う

- レバレッジとはレバレッジは、日本語で「てこの原理」と表現され、金融の世界では、自己資金よりも大きな金額の取引を可能にする仕組みを指します。 例えば、100万円の資金で1,000万円分の投資を行う場合、10倍のレバレッジをかけていることになります。このレバレッジを用いることで、投資家は少ない元手で大きな利益を狙うことができます。 1,000万円の投資で価格が1%上昇した場合、レバレッジをかけていなければ利益は10万円ですが、10倍のレバレッジをかけていれば100万円の利益となります。しかし、レバレッジはリスクも増大させることを忘れてはなりません。 価格が予想に反して下落した場合、損失もレバレッジの倍率に応じて大きくなってしまいます。 1,000万円の投資で価格が1%下落した場合、10倍のレバレッジをかけていれば100万円の損失を被ることになります。そのため、レバレッジはリスク許容度や投資経験などを考慮し、慎重に利用する必要があります。 レバレッジを正しく理解し、適切に活用することで、投資の可能性を広げることができます。
経済の用語

外貨準備と連動した通貨発行

- 外貨預金のカレンシーボード制とは外貨預金のカレンシーボード制は、自国の通貨をアメリカドルのような国際的に安定した価値を持つ通貨(基軸通貨)に固定する制度です。この制度では、自国の中央銀行は、発行する通貨量に対応するだけの外貨準備を保有することが義務付けられています。例えば、100円発行する場合は、それに相当するアメリカドルを中央銀行が保有していなければなりません。これは、通貨の発行量を外貨準備と連動させることで、通貨価値の乱高下を抑え、安定化させることを目的としています。基軸通貨と固定されているため、市場の変動に左右されにくく、インフレが起こりにくいという利点があります。一方で、柔軟性に欠けるという側面もあります。自国の経済状況に合わせて、自由に金融政策を行うことができません。例えば、景気対策として通貨供給量を増やしたいと思っても、外貨準備がなければ難しい場合があります。外貨預金のカレンシーボード制は、通貨価値の安定と引き換えに、金融政策の自由度をある程度犠牲にする制度と言えるでしょう。
株式投資

レジスタンスラインってなに?

株式投資や為替取引を行う上で、将来の価格変動を予測することは非常に重要です。その予測に役立つツールとして、過去の値動きをグラフ化したチャートと、そこに引かれた様々な指標や線があります。数ある指標の中で、特に注目すべきものの一つが「レジスタンスライン」です。 レジスタンスラインとは、まるで価格上昇を阻む壁のようなもので、過去の値動きから、市場参加者の多くが「この価格帯以上には、もう値上がりしにくい」と感じている価格帯を指します。チャート上では、過去に価格が何度か上昇して反落した高値を結ぶことで、このラインを描くことができます。 レジスタンスライン付近まで価格が上がると、多くの投資家が利益確定の売りに走りやすくなるため、価格が反落することが多くなります。そのため、レジスタンスラインは、今後の値動きの目安となる重要な節目となります。もし、価格がレジスタンスラインを力強く上抜けた場合、それは多くの投資家が「まだ値上がりする」と予想して買い越しになっていることを示唆しており、その後は大きく上昇する可能性を秘めていると言えます。
FX

外貨預金とプロの戦略:カレンシー・オーバーレイとは?

近年、円安傾向や国内の低金利を背景に、外貨預金や海外投資に興味を持つ方が増えています。確かに、円安時に外貨預金や海外投資を行うと、円高になった際に為替差益を狙うことができます。しかし、海外投資には、為替変動リスクがつきものです。円高に転じてしまえば、大きな損失を被る可能性も否定できません。 そこで注目されているのが「カレンシー・オーバーレイ」という戦略です。これは、投資する資産とは別に為替ヘッジを行うことで、為替変動リスクを軽減しようという考え方です。 例えば、アメリカの株式に投資する場合、通常であれば円を米ドルに換えてから投資を行います。しかし、カレンシー・オーバーレイでは、米ドル建ての株式投資とは別に、円高になるリスクに備えたヘッジ取引を行います。これにより、円高になった場合でも、ヘッジ取引で得られる利益によって、投資元本への影響を最小限に抑えることが期待できます。 カレンシー・オーバーレイは、為替変動リスクを抑えながら、海外投資のメリットを享受したいという投資家にとって、有効な選択肢となり得るでしょう。
NISA

確定拠出年金におけるレコードキーパーの役割

- 確定拠出年金と記録管理確定拠出年金は、従業員自身が掛金を運用し、その成果によって将来受け取れる年金額が変わる制度です。将来の年金資産をしっかりと形成していくためには、掛金の拠出から給付を受けるまでの記録を適切に管理することが非常に重要となります。確定拠出年金では、毎月の掛金拠出額や運用商品の選択、そして運用実績などを自身で確認し、管理していく必要があります。金融機関のウェブサイトや郵送で送られてくる報告書などを活用し、自身の年金資産がどのように推移しているのかを常に把握しておくことが大切です。記録管理を怠ると、運用状況の把握が遅れ、想定していたよりも年金資産が少なくなる可能性も考えられます。また、加入期間が長くなるほど、過去の記録を遡って確認することは困難になるため、こまめな記録管理を習慣づけることが大切です。確定拠出年金は、老後の生活設計を左右する重要な制度です。記録管理を適切に行い、自身の年金資産をしっかりと把握することで、より安心して老後を迎えることができるでしょう。
その他

外貨預金とカルパースの関係

- 巨大年金基金カルパースとはカルパースとは、「カリフォルニア州職員退職年金基金」の愛称で、アメリカのカリフォルニア州で働く職員の為の年金基金です。世界中の公的年金基金の中でも、資産規模が飛び抜けて大きく、運用している金額は莫大なものとなっています。カルパースは、ただ巨大な資金を持っているだけではありません。世界中の投資家から、その運用成績に常に注目が集まっています。カルパースは、株式や債券といった伝統的な資産だけでなく、不動産やインフラストラクチャー、プライベートエクイティなど、幅広い資産に投資を行っています。長期的な視点に立ち、分散投資を行うことで、リスクを抑えながら安定した収益を目指しています。カルパースの投資戦略は、多くの機関投資家から参考にされており、その動向は世界の金融市場に大きな影響を与える可能性を秘めていると言えます。
経済の用語

経済の構造を明らかにする:レオンチェフ表

- レオンチェフ表で経済活動を読み解くレオンチェフ表とは、ある国の経済活動を、産業間のモノやサービスのやり取りに焦点を当てて、詳細にまとめた統計表のことです。別名として、産業連関表、投入・産出表、IO表などとも呼ばれます。 この表は、それぞれの産業が、他の産業からどれだけの原材料やサービスを調達しているか(投入)と、自らの生産物を他の産業や最終需要(消費者や政府など)にどれだけ供給しているか(産出)を、一覧で確認できるように整理されています。例えば、自動車産業を例に考えてみましょう。レオンチェフ表を見れば、自動車産業が鉄鋼産業からどれだけの鉄鋼を仕入れ、機械産業からはどれだけの部品を購入しているのかが分かります。さらに、完成した自動車が、個人消費者に販売されたのか、あるいは他の産業(例えば、運輸業)に販売されたのかといった情報も、この表から読み解くことができます。このように、レオンチェフ表は、経済活動における産業間の複雑なネットワークを分析するためのツールとして、非常に重要な役割を担っています。 具体的には、ある産業の変化が他の産業にどのような影響を与えるかを予測したり、政府が政策の効果を分析する際などにも活用されています。複雑な経済の仕組みを理解する上で、レオンチェフ表は欠かせない存在と言えるでしょう。
経済の用語

経済の健康診断!SNAで国の現状を知ろう

- 経済の全体像を掴むSNAとは? 「国民経済計算」と呼ばれるSNA(システム・オブ・ナショナル・アカウント)は、一国の経済活動を総合的に把握するための統計システムです。これは、まるで経済の健康診断を行うように、国の経済規模や成長、家計の消費、企業の投資といった様々な経済活動を体系的に記録し、分析することを可能にします。 SNAは、複雑な経済活動を一貫性のある形で捉え、主要な経済指標を算出します。例えば、国内で生産されたモノやサービスの合計価値を示す「国内総生産(GDP)」や、国民全体の所得を示す「国民総所得(GNI)」などが挙げられます。これらの指標は、国の経済規模や成長を測る上で欠かせないものです。 SNAが提供する情報は、経済政策の立案や評価にも役立ちます。政府はSNAのデータに基づいて、景気対策や産業政策などを検討します。また、企業はSNAのデータを用いて、市場動向や投資判断を行います。さらに、研究者はSNAのデータを使って、経済構造や経済成長のメカニズムを分析します。このように、SNAは経済の現状を把握し、将来を予測するために欠かせないツールと言えるでしょう。
FX

為替リスクを回避!外貨預金のカバー取引とは?

外貨預金は、銀行に預けたお金を外国の通貨で運用する金融商品です。円預金よりも高い金利が魅力ですが、為替レートの変動によって預けたお金の価値が変動するという側面も持ち合わせています。 外貨預金には為替リスクがつきものです。為替リスクとは、預金している間に円高または円安が進むことで、円に換算した際の金額が増減してしまうリスクを指します。例えば、1ドル100円のときに10,000ドル預けたとします。その後、円高が進み1ドル90円になったとしましょう。この場合、預けていた10,000ドルを円に換算すると90万円となり、円預金していた場合に比べて10万円の損失が出てしまいます。 一方で、円安になった場合は利益を得るチャンスがあります。仮に1ドル110円になったとすると、預けていた10,000ドルは110万円になり、円預金よりも10万円多く受け取ることができます。このように、外貨預金は高い金利と引き換えに為替リスクを負う金融商品と言えるでしょう。